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怪盗イタッチ大作戦!!  作者: ピラフドリア
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第36話 『ヒョウ』

怪盗イタッチ大作戦!!




著者:ピラフドリア




第36話

『ヒョウ』





 部屋の中央で座るヒョウ。それを囲むように武装した兵達達が、彼女を守っていた。




「イタッチ、こいつらはなんなんだ……」




「お前も戦ったことがあるはずだぜ」




 イタッチにそう言われるが、ダッチにはこの美女に会った記憶がない。

 どこであったか悩んでいると、痺れを切らしたヒョウが口を開いた。




「……パンテール。四神のダッチ、その名前に聞き覚えはないか?」




「パンテール……あっ!! まさか、お前達、列車の襲撃者の!?」




 パンテール。彼女らとの出会いはスーパージュエルという宝石を盗むために、列車に潜入した時のことだ。




 列車に襲撃をしてきた彼女らは乗客を人質に取った。イタッチ達はパンテールから列車を盗むことを宣言して、襲撃者から列車を守り抜いたのだ。




「ということはお前!! あの時の硬いやろうか!!」




 ダッチはヒョウの後ろで武器を持たずに後ろで手を組み、堂々としている大柄の黒い豚を指差す。




 黒い豚は無言で頷く。




 ヒョウはワインを一口飲むと、イタッチ達に笑いかける。




「しかし、よくここがパンテールの日本基地だと分かったな」




 ヒョウの言葉にイタッチが答えた。




「俺達には頼れる情報屋がいるからな」




「ほぉ、イーギーの娘か」




「よく調べたな。教えたのは誰だ?」




「それを答えちゃ面白くないだろ……」




 ヒョウは不敵な笑みを浮かべる。そんなヒョウを見て、ダッチは腰の刀に手をかける。

 それに反応してヒョウを囲む部下達も武器を持ち上げた。




 だが、




「下げろ。無礼者」




 ヒョウの一言で部下達は武器を下げる。




「私たちは金さえ払えばなんでもやる。だが、残念なことに。お前達の始末は依頼に入っていない」




「俺達の始末が入ってない? どういうことだ? 喫茶店を爆破したのはお前たちだろ?」




 ダッチが質問すると、ヒョウは手に持つワインを少し飲み。




「確かに爆破はした。だが、私達はあの喫茶店を爆破しろと言われただけだ。ある人物にな」




「ある人物? 誰なんだ、お前達の雇い主は……」




「雇い主の名は月光。……爆破ともう一つ、仕事を受けている」




 ヒョウは手に持ったワインを部下の一人に持たせると立ち上がる。

 そして服を整えると、




「お前達を案内してきてほしいとも。依頼されている……」




「俺達を案内しろだと……」










 高層ビルの最上階。ナイトプールのプールサイドで瓶に入った日本酒を一気飲みしたヤモリは、モニターに映る姿を見て舌打ちをした。




「あー、あの顔だ……。思い出す」




 ヤモリは顔の半分を覆う火傷の傷を優しく撫でる。




「怪盗イタッチ……。お前は許さないぞ」







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