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怪盗イタッチ大作戦!!  作者: ピラフドリア
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第27話 『ワルワルの壺』

怪盗イタッチ大作戦!!




著者:ピラフドリア




第27話

『ワルワルの壺』





 ──ワルワルの壺。その壺に触れたものは悪人になってしまうという不思議な壺──




 過去の所有者であったクマドキ議員は国民のための政治を信条にする政治家だったが、その壺を手に入れてから汚職に汚職を重ね、スキャンダル。




 次の所有者のカタツムールは小さな町の警官で、小さな悩み事でも手を貸す警官だったが、壺を持ってから人が変わり、暴行事件に窃盗を繰り返す。




 他にもブタジマやキリンガーなど、その壺の影響は数多くある。




 だが、どの人物も共通するのは壺が手元から離れると、元の人格に戻るのだ。










「待てーー!!!! イタッチ!! 今日は逮捕する!!」




 すぐ後ろにはフクロウ警部が迫ってきている。




「ちくしょー、今日は見つかるの早過ぎじゃねーか。イタッチ!!」




「しょうがないだろ。侵入口はここしかなかったんだ。見つかったんなら正面突破するしかねー!!」




 イタッチは折り紙を三角形に追ってそれを大量に作る。そして後ろに散らばらせる。




「うわっ!? まきびし!?」




 三角形の折り紙がまきびしになり、フクロウ警部達を一時的にだが足止めに成功した。




「そこの部屋だ。入るぞ」




 お宝のある部屋を勢いよく開けると、部屋の中央に今回の標的である壺が置かれていた。




「こいつが今回のお宝だな」




「ダッチ、見張りを頼む。俺はコイツを折り紙の袋に入れる」




 ダッチに見張りを任せて、イタッチは壺をしまうため壺に触れる。




「イタッチ急げ、フクロウ警部たちがくるぞ」




 見張りをしていたダッチがイタッチに呼びかけるが、返事がない。




「イタッチ!! おい、聞こえてんのか?」




「聞こえてるさ、ダッチ……」




 ダッチは怪しい気配を感じて振り向くと、イタッチは折り紙で作った手裏剣を持って構えていた。




「イタッチ……? ………………っ!?」




 ダッチに向けてイタッチは手裏剣を投げてくる。咄嗟に刀を抜いて手裏剣をガードした。




「おい、何してんだイタッチ……」




 ダッチの言葉にイタッチは返すことなくニヤリと笑う。ダッチがイタッチの行動に不信感を感じて警戒している中、フクロウ警部たち警官も部屋の前に到着する。




「イタッチ!! 今日こそ逮捕……っうわぁーー!!」




 部屋の前に到着した警官たちにイタッチは遠慮なく、手裏剣を投げつける。

 初弾はどうにか避けた警官達だが、またイタッチは手裏剣を警官達に投げる。




 次の手裏剣は確実に倒すために狙っている。だが、その手裏剣をダッチが横から割って入って弾いた。




「ダッチ……イタッチはどうしちまったんだ。まるで俺達を…………」




 フクロウ警部の問いにダッチは答える。




「さぁな。だが、今のイタッチはイタッチじゃないってことだけは確かだ」




「何があった?」




「分からない。だが、壺を持った途端突然人が変わったように……」




 今回狙ってきていた壺は、イタッチの片手にまだ持たれている。




 ダッチとフクロウ警部達がイタッチを警戒する中。ダッチの無線にアンの声が聞こえてくる。




『ダッチさん。イタッチさんが変になった理由がわかりました』




「理由がわかっただと!?」




『今回狙った壺。その壺はワルワルの壺と呼ばれる持ち主を悪人に変える不思議な壺です』




「そんな壺存在するのか……?」




 疑うダッチ。しかし、そんな会話をしている中、イタッチは折り紙で作った手裏剣を投げてくる。




 ダッチは刀で弾くが、弾ききれずに何発か身体を掠る。




『信じられないのは私も同じです。でも、目の前で起きてるのは事実』




「それもそうだな。対処法はわかるか?」




『壺を壊せばその力は無くなるはずです』




「オーケー、壺を壊すんだな」




 無線を終えたダッチはフクロウ警部に伝える。




「壺を壊せ、そうすればイタッチの異変が治る」




「俺に宝を破壊しろだと!? 何馬鹿なこと言ってんだ!!」




 拒否するフクロウ警部。しかし、ダッチが弾くことで致命傷は避けているが、部下達が次々と倒れていく。




「っく、分かったよ。責任は俺が持つ。お前らは何も聞かなかったことにしろ」




 フクロウ警部は部下達にそう叫ぶと、ホルスターに下げている拳銃を取り出す。

 フクロウ警部が拳銃で壺を狙うと、部下の警官達がざわつく。




「フクロウ警部が撃つぞ」




「あの噂の腕前をこの目で観れるのか」




 フクロウ警部に期待の眼差しが向けられる。ダッチがイタッチの攻撃から警部達を守るが、全てを防ぎ切ることはできず。

 フクロウ警部の腕や頬を手裏剣が掠る。だが、フクロウ警部は微動だにせず、イタッチの持つ壺目掛けて発砲した。




 フクロウ警部の撃った弾丸は一直線に壺へと飛んでいき、イタッチの持つ壺を破壊した。

 壺が破壊されると、イタッチは動きを止める。




「お、俺は……何を…………」




「イタッチ、正気に戻ったのか?」




 壺が破壊されて正気を取り戻したイタッチ。フクロウ警部達もひとまずホッとする。だが、壺を破壊して、解散というわけにもいかない。




 フクロウ警部は拳銃を片手に手錠を取り出す。




「イタッチ!! お前を逮捕する」




「げっ!? フクロウ警部がもうこんなところに!? ってか、お宝が壊れてる!?」




「まぁ、諸々の理由は後で話す。とりあえず逃げるぞ」




 イタッチとダッチは追ってくるフクロウ警部から逃げる。

 ここは四階。イタッチは窓に近づくと、折り紙でグライダーを作り、窓を割って外に飛び出した。




 グライダーで空を飛ぶイタッチにダッチは捕まって脱出。




「イタッチーー!! 次は捕まえてやるからなー!!!!」




 窓から身を乗り出しそうになるフクロウ警部は部下に止められながら叫ぶ。




「捕まえられるものなら捕まえてみやがれー!!」











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