第208話 『事件は終わる』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第208話
『事件は終わる』
信四神会は解散した。信四神会は四神に負けて吸収されるという形で、四神に取り込まれることになった。
ウンランやその仲間達も四神に加わることになり、幹部達は驚いていたようだが、ダッチがどうにか説得したようだ。
ロボスは警察に逮捕され、監獄へ入れられていたようだが、その後の情報はない。そのまま大人しくしているのか、それとも脱獄したのか。
どちらにしろ、彼はダッチとウンランの戦いに感動し、次の成長を求めて警戒を進めているだろう。
こうして信四神会の事件は終わった。
「フクロウ警部!!」
ネコ刑事がフクロウ警部の元へ駆け寄る。
「どうした?」
「美術館の中でイタッチを発見したと報告が!!」
焦った様子で報告をするネコ刑事。しかし、フクロウ警部は美術館の正面口前で仁王立ちをする。
「そうか……」
「行かないのですか?」
「ふ、俺がどれだけイタッチを追ってきたと思っている……。中国から戻ってきたようだが、今日こそは捕まえてやる」
フクロウ警部は自信満々に入り口を見つめる。そうしていると、美術館の入り口の扉が勢いよく開かれた。
そして中からお宝を持ったイタッチが姿を現した。
「くっ、フクロウ警部!?」
「ふふふ、裏口からの脱出と見せかけて、正面から脱出する。貴様がやることは見切っているぞ!!」
フクロウ警部は手錠を取り出して、イタッチへジリジリと詰め寄る。
イタッチは折り紙を取り出して何かを折ろうとしていたが、
「おっと、間に合ったみたいだぜ」
イタッチがそう呟くと、美術館周辺の電気が一斉に消える。町一帯を巻き込んだ停電。それにより月明かりもない夜の街は真っ暗になる。
「停電だと!? あいつの仕業か!?」
フクロウ警部は急いで携帯のライトをつける。しかし、すでにイタッチの姿はない。
停電して数秒後、電気が復旧する。すると、
「イタッチです!! イタッチが逃亡します!!」
一人の警官が叫び出した。フクロウ警部はその声の方向を見ると、逃走用に隠れていたのだろう、路地から車を運転したダッチが登場した。
「イタッチ、乗れ!!」
「おう!!」
イタッチが車に乗り込むと、止まっているパトカーの隙間を通り抜けながら進んでいく。
「ネコ刑事、追うぞ!!」
「はい!!」
フクロウ警部もパトカーへ乗り込み、イタッチ達を追い始める。
その様子をミラーで確認しながらイタッチは呟く。
「やっぱり追ってくるか」
「そりゃー、そうだろ。スピード上げるぜ、相棒!!」
「おう、頼むぜ! 相棒!!」
夜の街にサイレンが鳴り響く。
赤いマントを背負った怪盗は、また新たなお宝を求めて、夜の街へと駆け降りた。
⭐︎⭐︎⭐︎ ⭐︎⭐︎⭐︎ ⭐︎⭐︎⭐︎
ここまでご覧くださいありがとうございました。今回のエピソードで怪盗イタッチ大作戦!!を終了とします。
応援のおかげでここまで続けることができました。また機会があれば、イタッチの物語を作ることがあるかもしれないので、その時はよろしくお願いします。