第202話 『ダッチvsウンラン』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第202話
『ダッチvsウンラン』
イタッチがロボスの相手をしている中、ダッチとウンランはお互いの刀をぶつけ合う。ダッチは一本の刀を振るが、ウンランは二刀流。
ウンランの方が武器が多く、有利に立ち回っている。
「ウンラン……なぜ、お前は俺を認めないんだ」
ウンランが刀を振り下ろし、ダッチは刀を横にして二本の刀を受け止める。そして受け止めた状態でウンランに聞く。
「それは……お前があの約束を忘れているからさ!!」
刀を防いでいるダッチ。ウンランは片足を挙げると、ダッチの腹を蹴り押した。
蹴られたダッチは後ろへ押され、バランスを崩す。倒れそうになったところへ、ウンランは両手に持った刀を振り下ろした。
体制が不安定であり、刀で防ぐことは不可能。ならば、
「避けたか……」
ダッチはわざと後ろは倒れることで、ウンランの刀を避けた。体制を立て直そうとしていれば、刀に当たっていたが、倒れたことで刀は空を切る。
一撃は躱すことができた。しかし、ダッチは地面に背をつけた状態。それに対してウンランは寝っ転がっているダッチに刀を突き刺せば、トドメをさせる。
ウンランは刀の持ち方を逆さにして、下に向けて突き刺しやすい持ち方へ変える。そして地面に寝転がるダッチに向けて刀を振り下ろした。
「うおわっぁぁぁぁっ!?」
ダッチは情けない声を出しながらも、身体をコロコロと転がしてウンランの突き刺し攻撃を避けていく。ウンランはすぐに諦めることはせず、転がるダッチを追いかけて地面に穴を開けていった。
転がって避け続けていたダッチだが、この状態でいつまでも逃げ切れるわけがない。うまくタイミングを作って、立ち上がる必要があった。
ダッチは転がりながら、コートの内側にあるポケットに隠していた銃を取り出すと、寝っ転がった状態でウンランに銃を撃つ。
「銃!?」
銃口を向けられていることに気づいたウンランは、素早く後ろに飛んで弾丸を躱した。
しかし、完全に避け切れたわけではないようで、
「…………血……か」
ウンランが左目の上を触ると、血が流れてくる。弾丸が掠って血が出ているようだ。
ダッチから離れたウンランは、目に血が入っては戦闘で不利になるため、右手に持っていた刀を腰の鞘にしまい、ハンカチで傷口を押さえた。傷口は広くはないためすぬにふさがるだろう。
しかし、その隙にダッチは立ち上がる。
ダッチは片手に刀、もう片方に拳銃を持ち、ウンランを睨みつける。止血をしている間に攻撃を仕掛けることはせず、傷が塞がるのを待っているようだ。




