第200話 『二人の戦いを守れ』
怪盗イタッチ大作戦！！
著者:ピラフドリア
第200話
『二人の戦いを守れ』
ダッチとウンランが背後で戦う中、二人を背にイタッチはロボスと向き合う。
「成長ね……。かなり大雑把な剣の振り方だが、本当に成長したのか？」
ロボスは背負っていた剣を振り回し、向かい合うイタッチへ攻撃を仕掛ける。イタッチは折り紙の剣でロボスの剣を弾いて防いでいた。
「まだだよ。これから見せてあげるよ。俺の成長を……」
剣による攻撃を防がれたロボスは、剣を捨てると、素手で両手を広げて構える。
「素手でやる気か？」
「ただの素手ではないさ……」
ロボスが両拳を握りしめるも、手首の付け根の当たりから手の甲にかけて、刃が飛び出してきた。腕を改造して仕込んだ刃、その刃をロボスは自慢げにイタッチへ見せる。
「仕込んだナイフか。それで俺を切り刻むのか……」
「そういうことだよ、怪盗君」
両手に仕込んだ武器を使い、ロボスはイタッチに接近するとパンチをするように拳を押し付け、刃で切り刻もうとする。
イタッチは折り紙の剣で攻撃を防ぐが、ロボスは両手に武器を持っている。しかも、リーチは短いがその分早く攻撃が出せる。
ロボスは身体を自由自在に動かし、まるで踊るようにしてイタッチに刃を振り下ろした。
「くっ……やるな」
防ぎきれずに、イタッチは身体中に傷を負う。折り紙の剣だけで対抗していてはダメージを負うばかりだと判断し、イタッチは後ろに大きく飛び上がり、ロボスから距離を取った。
「怪盗君……逃げたね」
イタッチが距離を取ったことで、ロボスは嬉しそうにニヤリと笑う。しかし、イタッチは折り紙の剣を、広げて四角形の紙に戻しながら、
「逃げもするさ、俺は戦士じゃないんだ。怪盗は逃げてこそだろ」
「それもそうだね……。でも、君は後ろの戦いを邪魔されたくないから、俺の相手をしているんだろ、それ以上下がれば、俺の射程距離に二人が入るよ」
イタッチの背後ではダッチとウンランが戦っている。イタッチはロボスに二人の戦いを邪魔されないように、ロボスの相手をしていた。
これ以上下がれば、ロボスの攻撃の射程距離に二人が入ってしまう。
「ああ、だからもう退かない」
イタッチはそう宣言すると、折り紙を折ってあるものを作り始める。
「お前が成長を与える相手と判断すれば、敵も依頼人も全てをターゲットにするそういう奴だってのは前の戦いで分かった。依頼に対しての信念のないお前に俺はもう退かない」
「ほう？ じゃあどうするのかい？」
イタッチは折り紙で作ったものをロボスへ向けた。
「お前を一撃で倒す」
