第191話 『ランダムな付箋』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第191話
『ランダムな付箋』
ロボスは緑の付箋を剥がして投げつける。すると今度は付箋がネバネバのネットへ変化してイタッチを捕まえようとしてくる。
折り紙の剣を持っていたイタッチは、一瞬切ろうかと姿勢を前のめりにしたが、ネットの粘り具合からして剣が絡め取られると判断。
剣を引っ込めて、走ってネットから逃げた。
ネットを無事に避けたイタッチだったが、剣を使うか躊躇した隙を使い、ロボスは予めイタッチが逃げると予測していた場所に付箋を飛ばしていた。
逃げた先にすでに付箋が飛んできており、イタッチの身体が付箋に触れると大爆発。イタッチは爆発に巻き込まれた。
イタッチにロボスの足止めをしてもらい、部屋の中へと侵入したダッチ。
部屋は薄暗く奥まで見通すことができない。そんな部屋の奥に人影が一人見えた。
「ウンラン……じゃねーな。誰だ」
そこにいたのは龍。青い鱗を持ち、両手にマシンガンを持っている女性。
ダッチは彼女に見覚えがあった。前にウンランと共に現れた時に一緒にいた人物だ。
「ボスはここにはいないよ。アンタらは騙されたんだ」
「騙された……だと!?」
龍はダッチにマシンガンの銃口を向ける。
「私は青龍の娘、ロン。ここであなたを始末するように命じられた……」
ロンは引き金を引き、ダッチに弾丸の雨を降らせる。弾丸の雨がダッチを襲う。ダッチは刀を抜くと、刀を高速で振り、弾丸を切り落としていく。
次々と飛んでくる弾丸。普通の人間なら蜂の巣になって身体中が穴だらけになるところだが、ダッチの剣術は弾丸よりも早く全ての弾を切ってみせた。
やがて二丁のマシンガンは弾切れを起こし、弾丸の雨が止む。
「全弾防いだ……そんなっ!? てか、弾丸って切れるものなの!?」
「俺ならやれるぜ」
全弾防がれると思っていなかったロンが驚き、動揺してリロードが遅れる。ロンが苦戦する中、ダッチは刀を構えてロンに距離を詰めた。
「ダッチ……やめっ!?」
ダッチは刀でロンを切り伏せる。切られたロンは気を失い、その場に崩れ落ちた。
「手加減してあるから安心しな。……しかし」
ロンを倒したダッチは刀を鞘に納め、部屋を見渡す。
「本当にウンランの奴、いないな……」
部屋にはロン以外の姿はない。隠れられる場所も見当たらないし、どこに消えたのか。
ダッチは投入した時に邪魔でポケットに入れていた無線を耳につける。そして電源を入れた。
「おいガキ、聞こえるか?」
そして無線でアンに呼びかける。
「あ!! ダッチさん、また無線外してましたね!! もう…………それでウンランはどうなりました?」
「それがだな……」