第186話 『侵入大作戦』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第186話
『侵入大作戦』
ホテルへ侵入したイタッチとダッチは、ホテル内を巡回している警備兵を次々と倒してホテルの内部を進んでいた。
「アン。奴はどこにいる?」
イタッチは走りながら無線でアンに連絡を取る。
「そこの階段を上がって、五階へ向かってください。そこにあるA0512にいます!!」
「了解!!」
連絡を終えたイタッチは向かってくる兵士を折り紙の剣で切り伏せる。ダッチも同様に刀で兵士達を圧倒していく。
「連絡は聞こえたか? ダッチ」
「聞こえてるよ。俺だって無線はつけてんだぞ!!」
「またにお前、電源切りっぱなしの時あるから心配なんだよ」
「テメェは俺の親か!!」
イタッチの発言に文句を言いながらも、ダッチは二人でアンの指示があった部屋を目指す。
そしてついに……
「着いたか」
ダッチは扉の前で立ち止まった。
アンに案内してもらったその部屋。そこにはウンランがいる。ダッチの奇襲による一点突破。
ボスを倒してしまえば、全ての決着がつく。
「奴は俺がやる。良いな」
扉の前でダッチはイタッチに宣言する。それにイタッチはニヤリと笑うと無言で頷いた。
「行くぜ」
ダッチは刀を抜くと、扉を切る。切断された扉を蹴り飛ばして、無理やり扉をこじ開けた。
薄暗い部屋、この奥にウンランがいるのだろうか。
ダッチは警戒しながらゆっくりと部屋へ足を踏み入れる。
扉の淵を越え、ダッチの足が中へと入った瞬間。
「ッ!!」
イタッチがダッチの背中を引っ張って後ろへ下げる。そして片手に持った折り紙の剣で、前方から飛んできた物体を切り落とした。
「な、これは……ナイフ!? すまねぇ、イタッチ、助かった」
「良いよ。しかし……」
ダッチを守ったイタッチは部屋の奥へ目をやる。すると暗闇からある人物が姿を現した。
それはカボチャを被った人間。その姿にダッチはその名を呼んだ。
「アンス・ロボス……」
「こんな早く再開することになるとはね……。四神君」
ダッチは刀を構えてロボスを警戒する。
この人間は、前に警察上層部の書類をワンコ長官に届けようとした時、現れたヒットマンの一人。
鬼人の異名を持ち、その実力の高さを戦ったダッチは知っていた。
「なぜ、お前がここにいる」
なぜ、この男がここにいるのか。いや、その理由はすでに分かっていた。
この男は信四神会に雇われたということだ。だから、こうしてダッチ達の前に立ち塞がっている。
ダッチの答えを知っているロボスは、問いに回答することなく。ダッチの後ろにいるイタチに興味を持つ。
「君が……例の怪盗君か……」