第184話 『四神と怪盗』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第184話
『四神と怪盗』
幹部の皆はダッチの言葉に反論は言わない。それはダッチの実力を信用できると知っているからだ。
あれだけ文句を言いつつも、四神の正式な後継者。イタッチ達の知らないところでの功績もあり、怪盗としての実力と含めて、皆、ダッチならばやってくれると確信していた。
だが、
「なぜ、その者たちを参加させたので? 今回は我々四神の問題。怪盗のその方達は関係ないのでは?」
カンガルーがイタッチとアンの姿を見てダッチに尋ねる。それにダッチは、
「今回の件は俺の仲間達にも同席もらうことにした。皆も気づいているはずだ、信四神会の成長速度を……。油断をすれば俺たちが負ける。なら、手札は多い方がいい」
ダッチの発言にカマキリは手を上げた。
「手札を増やすのは賛成だ。だが、ソイツらを本当にしようとできるのか? あいつらのスパイって可能性はないのか?」
カマキリの発言にダッチは小さく舌打ちをする。信頼する仲間を疑われてイラっときたのだろう。しかし、ここは冷静に返した。
「お前達が疑う気持ちもわかる。だから、監視として、コイツらは俺と同行する。異論はないな」
「……それなら」
ダッチのことは信用している幹部はそれで納得した。
「それじゃあ、これからの作戦を伝える」
会議を終えてイタッチ達はダッチの泊まるホテルへと向かう。
今回はそこのホテルを借りて過ごすことになっている。
ホテルに着いて部屋に入った三人は、部屋の中に怪しいものがないかを確認してからそれぞれが好きな場所に座った。
「それでダッチ。あんな作戦で良いのか? 無茶すぎないか?」
イタッチは座ってオレンジジュースを飲みながらダッチに聞く。ダッチは余裕たっぷりな表情で答えた。
「問題ないさ。まずは実力をはっきりさせよう。信四神会がどれだけ力をつけたかをな」
そうニヤリと笑って宣言するダッチ。そんなダッチにアンが首を傾げた。
「でも、カマキリさんは反対してましたよ。私も今回はカマキリさんに賛成する部分はあります」
アンがそう言うとダッチは
「まぁ無茶ってのはあるな。だが、俺は信じてるからよ。相棒とお前をな」
そう言ってイタッチとアンの目を見た。それを聞き、イタッチとアンはふふふとニヤける。
「そこまで言われたらやるしかないな」
ニヤけたイタッチは立ち上がり、拳を握りしめて前に突き出す。
「はい!! 私もここからですが皆さんをサポートしてみせます!!」
アンも立ち上がってジャンプして気合を示した。そしてダッチも立ち上がると、
「さぁ、信四神会。俺達が勝利を盗み出してやるぜ!!」