第183話 『四神幹部会』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第183話
『四神幹部会』
ダッチの命令で集められた四神の幹部8名。イタッチとアンは彼らの顔を見て唾を飲み込んだ。
幹部全員が有名人であり、イタッチの顔見知りもいる。
ダッチが会議開始を宣言すると、幹部の一人であるカマキリが声を上げた。
「信四神会の対策会議……か。今更だな、ダッチさん」
カマキリは机を叩いて、上司であるダッチを睨みつける。
「アンタが泥棒ごっこで遊んでいる間、俺は信四神会の侵攻を止めてたんだ。今更アンタが指揮をとって手柄をあげようなんて気に入らねェ!!」
睨みつけるカマキリにダッチはやれやれと椅子に深く座り込む。
「何が侵攻を止めて来ただ。勝手に動いて自滅したのは、お前のミスだろう」
「テメェ!!」
カマキリは怒りに任せてテーブルに乗り上げる。そんなカマキリを隣に座っていたカンガルーが止めた。
「やめなされ。ダッチ様にそんな口を聞くとは失礼だろう……」
「テメェはあの野郎の肩を持つのか!? 確かに先代はアイツをボスと認めたが、俺は認めちゃいねぇ……」
カンガルーに止められたカマキリはテーブルに乗り上げるのは諦めたが、立ち上がってテーブルを囲む幹部を見渡す。
「お前らだってそうだよなぁ、コイツが遊び呆けて今まで何してたか知らないわけじゃないだろ!!」
カマキリに言葉にその場にいる幹部はザワザワとし出す。それぞれの思う言葉を口にする。それはダッチの見方をする者もいれば、カマキリと同様の感情を持つ者もいる。
そんな落ち着きのなくなった幹部達をダッチが止めようとしたが、その前に
「やめなされ!!」
カンガルーが大声を出していち早く騒ぎを鎮めた。
「ダッチ様のいる場であるぞ。皆思うことをあるのはダッチ様も知っておられるはず……。カマキリもだ、これ以上の発言はワシが許さぬぞ」
「ッチ……」
カンガルーの言葉に押され、カマキリは椅子に座り直して不機嫌ながらも大人しくなる。カンガルーは皆が静まったのを確認して、ダッチに頭を下げた。
「ダッチ様、申し訳ございません……。先代が亡くなってから、四神は大きく変わりました。皆、不安なのです……」
「分かってる。それに俺が遊んでるって言われても仕方がないさ……。今までみんなに迷惑をかけて来た。だからこそだ」
ダッチはテーブルに両手をつき、身体を前に出す。そして幹部全員の顔を確認した。
「今回は俺が蹴りをつける。信四神会に本当の四神の力を見せつけてやるんだ!!」
ダッチは皆に宣言した。