第182話 『ダッチと共に』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第182話
『ダッチと共に』
中国武漢。そこにイタチと子猫、ウサギは到着した。
「飛行機の中は疲れますね〜」
空港を出てアンは両手を伸ばしてストレッチをする。そんなアンに向かってダッチはケッと舌打ちをした。
「お前はいつも通りずっとパソコンいじってただけじゃねーか」
「そうですよー! たまの旅行だから休みたかったのに、ダッチさんがあれこれ調べとけって言うから!!」
「今すぐにとは言ってないだろ!」
アンとダッチが睨み合う中、二人の真ん中にイタチが割って入る。
「その辺にしとけ。とりあえずは四神のアジトに行くんだろ、ダッチ案内してくれ」
イタチがダッチの肩を叩くと、ダッチは任せろと携帯を取り出してどこかへ連絡を取る。そして連絡を終え携帯を閉じるとほぼ同時に、
「ダッチ様! お待たせしました!!」
空港の入り口までにいるイタチ達の前に、高速で黒い高級車が走って登場した。運転席の窓が開くと、サングラスをかけたパンダがダッチに挨拶をする。どうやら運転手はダッチの部下で、車は四神の所有物のようだ。
ダッチは後ろの席を開けると、イタチとアンに、
「乗りな。これで行こう」
ダッチの車で移動し、着いたのは都内にある高速ビル。装飾も凝っており、かなりの資金を使っていそうだ。
車を降りてからはダッチの案内で、ビル内を進んである部屋を目指す。このビルとビル周辺は四神の私有地であり、ほぼここがアジトだ。
そしてこれから向かうのは四神の幹部会。
怪盗の仕事以外ではダッチは基本的に四神の仕事をしており、今回は助っ人としてイタッチとアンを呼んでいた。
部屋へ向かう道中でイタチは怪盗服は着替え、一般人としてではなく、怪盗イタッチとして会議室へ向かう。
「ここだ」
最上階のある部屋の前でダッチは足を止めた。部屋の入り口の左右には、サングラスに中華服を着たゴリラが後ろで手を組んで立っている。
この二人は部屋の入り口を守るガードマンだ。そのゴリラの一人が扉を開けて、三人を部屋へと招待した。
部屋を囲うのは円状のテーブル。11つの椅子が置かれており、すでに8人の動物達が座ってボスの到着を待っていた。
「待たせたな、お前達……」
ダッチは待っていた幹部に挨拶をして、奥へ椅子へ座る。イタッチとアンもそのダッチに続いてその隣にある空いていた椅子へ座った。
部屋の前にいた時は部屋の中から怒鳴り声が聞こえて来て、かなり騒がしい様子だった。
しかし、ダッチが現れると空気が一変して部屋はシーンと静まる。そして重たい空気が流れ出した。
座ったダッチは幹部の皆の顔を見渡すと、
「これから信四神会対策会議を始める」