第176話 『あわあわ大騒動?』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第176話
『あわあわ大騒動?』
「ここがシャンプーピラミッド」
イタッチは砂漠の奥深くにあるとあるピラミッドにやって来ていた。
「ここに伝説のお宝、バブルモニメントがあるのか」
イタッチは赤いマントを靡かせながら、ピラミッドの中へと侵入した。中は薄暗く、狭い通路で足場も悪い。
イタッチは折り紙を取り出すと、懐中電灯を作った。
「これで暗い道でも進めるな」
折り紙で作った懐中電灯でピラミッドを照らしながら、奥へと進んでいく。壁にはシャンプーで頭を洗う男性や女性の絵が描かれており、壁面からはシャンプーの香りが漂う。
「この辺の壁はレモンの香りだな……」
壁の匂いにうっとりしながらも先へと進むと、広い広場へと出た。そしてそこには頭を泡立たせたスフィンクスがいた。イタッチがスフィンクスの前に立つと、スフィンクスの口が動き出す。
「我はこのピラミッドの番人。侵入者よ、何用でここに入ってきた?」
その回答にイタッチはマントを靡かせると、胸を張って答えた。
「ここにあるお宝を頂きに来た」
「正直者だな……。だが、お宝は渡すわけにはいかない」
スフィンクスがそう言うと、ピラミッド内の装置が起動する。内部の至る所で岩が動きぶつかっている音が響く。
そして部屋の天井が開くと、天井から大量の泡が降ってきた。
「アワアワで綺麗になるがいい」
大量の泡が降ってきて、イタッチは折り紙で傘を作る。そひて折り紙の傘で防御しようとするが、
「いや、この泡、水分を含んでるか……」
折り紙の傘を持ったまま、防御には使わずに壁を蹴って空中へ飛んだ。広い部屋であったため、地面が泡で埋まっても部屋の半分以上はまだ余裕がある。
しかし、
「完全に泡で地面が埋まったな」
イタッチは傘を広げると、傘を使ってふわふわゆっくりと降りていく。地面は泡が2メートル以上埋まっており、着地することはできない。
そのためイタッチはマントで風を起こすと、スフィンクスの顔に飛び移った。スフィンクスの顔は泡よりも高い位置にあるため、濡れずに飛び移ることに成功する。
「このまま奥に行かせてもらうぜ」
イタッチはスフィンクスの足場にして、空中へ飛んだ。傘で滑空してピラミッドの中を飛んでいく。そしてついに奥にあるお宝の眠る部屋へと辿り着いた。
「見つけた。あれがバブルモニメントだな!!」
イタッチはピラミッド内部に飾られていたお宝を手に入れると、布で包んでマントの中へと収納する。
「後は脱出だ」
そして再び傘で滑空しながらピラミッドの中を移動して、ピラミッドから脱出した。