第171話 『合流』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第171話
『合流』
ロボスを撃退したダッチ達はワンコ長官のいる部屋へ入る。
出迎えた護衛に怪我人を任せて、フクロウ警部とゴリラ警部はワンコ長官と面会した。
「よく来てくれた。二人とも」
ソファーに座ったワンコ長官は立ち上がり、二人に挨拶をする。フクロウ警部とゴリラ警部は敬礼をすると、
「お久しぶりです」
「事情は聞いてるよ。大変なことに巻き込まれたね」
敬礼を終えると、ワンコ長官は二人にワンコ長官の向かいにあるソファーに座るように手で合図を出す。
二人はお辞儀をしてから、ワンコ長官が先に座るのを確認してから、ソファーにゆっくりと座った。
「それでもう一人来ると聞いているがまだのようだね」
ワンコ長官は二人の姿を見てそう口にした。すでにテーブルには三つのコップが用意してある。
フクロウ警部は困った様子で羽に付いたゴミを突いて払う。
「そう……みたいです」
書類は三人がバラバラにして分けて持っていた。誰かに何かあっても、一部だけでもワンコ長官に渡すためだ。
しかし、一部が欠ければ、証拠のとして力も弱くなる。
それにフクロウ警部としては……。
「また三人揃ったところを見れると思ったんだがね」
ワンコ長官が懐かしむようにそんなことを口にした。その言葉に二人は下を向く。そしてゴリラ警部は下を向いたまま、
「昔とは違います。あの頃は無鉄砲になんでもやってきた。でも、今は俺とフクロウは課も違う。それにサソリは警察を辞めた身だ。もう無理ですよ」
「そうかな、俺からしたら皆。いる場所は違くても、同じところを目指しているように見えるけどね。まぁ良い、書類を渡してくれ」
フクロウ警部とゴリラ警部が書類を取り出す中、扉が開いた。
「すみません……遅れ、ました」
「サソリ!!」
遅れてやってきたサソリ。息がまだ整っていないが、書類を取り出して三人の書類を合わせると、ワンコ長官に渡した。
「遅かったな。サソリ」
ゴリラ警部が睨むと、サソリも睨み返す。
「登ってるところで襲撃を受けてな。少し手間取った……」
しかし、無事に到着することに成功し、完成した書類をワンコ長官は受け取ると、
「後は俺からこの書類を発表して、彼らの処分を下そう。君達の活躍感謝するぞ。よくやってくれた」
ワンコ長官は三人の顔を見て伝える。三人とも歳を取ったが、ワンコ長官から見ればまだまだ若き頃の面影を残し、懐かしさを感じる。
「協力してくれた者達にも感謝だな。それで後のことは俺がやるとして、もう一つ、俺から提案があるのだが、三人とも聞いてくれないか」