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怪盗イタッチ大作戦!!  作者: ピラフドリア
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第170話 『四神』

怪盗イタッチ大作戦!!




著者:ピラフドリア




第170話

『四神』






「父上〜」




 庭を駆け回っていた子兎が杖を付く老亀を発見すると、腕をクルクル回して駆け寄ってくる。




「おぉ、ダッチか。どうだ、良い子で留守番してたか?」




 亀が尋ねると子兎は笑顔で頷く。そんな子兎の姿に亀は微笑むと、頭をワシワシと撫でた。




「良い子だァ。それじゃあ、そんなダッチにプレゼントだ」




 亀の後ろに止まっていた黒い高級車。その中からスーツ姿の鶴が出てくると、布に包まれた棒を持ってきて亀に渡した。

 棒を受け取った亀は布を取ると、子兎にそれを見せる。




「コイツは俺の友人から譲り受けたものだ」




 それは刀。子兎から見たらその刀は大きく、自分と同じくらいの長さがあった。亀は鞘を動かして刃を見せる。

 刃が光を反射させて、一際強く輝いた。




「この刀は神器と呼ばれる特殊な刀だ」




 亀は刃の美しさを子兎に見せてから、鞘に納めて布で包んで刀をしまう。そしてそれから子兎へ渡した。




 無邪気な子兎はそれがなんなのか、深くは考えず刀を受け取る。自分の身体よりも大きな刀を両手で受け取ると、その重さで身体が傾く。

 それでも一生懸命背負って見せて、ポーズを取って亀にその姿を見せた。




「似合ってるぞ……だが、これからお前はその刀がもっと似合う男になれ。お前は四神を背負う男だからな」










 ロボスの爪がダッチの喉を狙う。しかし、それを予測していたのか、ダッチは刀で首をガードして、爪の攻撃を防いで見せた。




「誰がどこで終わるって……」




 ダッチはロボスの攻撃を防ぐと、そのままの姿勢で口を開く。




「俺が戦う理由……そんなの最初から決まってんだよ」




 ロボスは爪を突き出した姿勢のまま、動けずに固まる。さっきまでのダッチとは違う。

 雰囲気が変わり、気迫が変わった。その気迫にロボスの身体は硬直してしまった。




「俺はコイツの似合う男になるために戦うんだ!!」




 音が遅れる。ダッチの刀がロボスの爪を砕き、ロボスの身体を切り裂く。

 音速の斬撃にロボスは対応することができず、自身が切られたのに気づいたのは、痛みを感じてからだった。




「やるねぇ四神君。俺に一撃入れるなんて」




 腹を切られたはずのロボスだが、後ろにふらふらと下がりながらも余裕の表情だ。




「このダメージは大きい。これ以上の戦闘は無理かな」




「そうか。なら帰るんだな。逃げるんなら追いはしねぇよ」




 笑顔を見せるロボスだが、ダメージは本物のようだ。その様子にダッチは刀をしまった。




「逃がしてくれるんだ。優しいねぇ」




「これ以上は俺もお前もキツい」




「そうかぁ、ならまた会うことがあったならまたやろう」




 ロボスはそう言葉を残すと、廊下を走って姿を消した。







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