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怪盗イタッチ大作戦!!  作者: ピラフドリア
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第156話 『問題ない』

怪盗イタッチ大作戦!!




著者:ピラフドリア




第156話

『問題ない』




 ちゃぶ台を囲む中、サソリはイタッチ達の顔を見る。




「お前達も話を聞くのか? ……コイツらと違ってお前達は流れで俺達と一緒にいるだけだ。首を突っ込む必要はないんだぞ」




 先程までの鋭く悲しい眼差しと変わり、思いやりに満ちた目線になったサソリはイタッチ達を心配する。

 これがサソリの本心なのだろう。誰よりも優しく、どんな人間でも守ろうとする。だからこそ周りを巻き込みたくないという気持ちで、パンテールを突き放していた。




 イタッチはニヤリを笑うと、ダッチとアンもつられるように頬を上げた。




「「「問題ない」」です」




「……ふ、心配した俺が馬鹿だったな。お前達なら大丈夫か」




 三人の自信に溢れた表情に、サソリは自身の言葉を悔いる。そして姿勢を正すと改めて皆の顔を見直した。




「これから俺が見せるのは、日本……いや、世界各国の警察組織を揺るがす重要書類。もしもこれを世界に広めることができたなら、俺達の勝利だ。だが、この書類を例の五人とその配下に奪われれば、この計画は失敗に終わる」




 例の五人。それはヒョウに見せてもらった警察の関係者。彼らがこの騒動の大元だ。




「それでその大切な書類はどこにあるんですか?」




 アンは首を傾げてサソリに尋ねる。その通りだ。その重要な書類がどこにあるのか、イタッチ達は知らない。




「それは俺が待っている」




 サソリはハサミを上下させて答える。持っているとはいえ、警察に捕まっていたのだ。どうやって没収されずに保管していたのか。

 その疑問はすぐに解けた。




 サソリは右のハサミを左のハサミで挟むと、クルクルと回転させる。不思議なことにサソリのハサミはネジが回転するようにすんなりと回転する。




「まさか!? その腕!!」




 ダッチが驚く中、サソリのハサミが外れる。サソリのハサミは義手であり、丁寧に偽装されており、その繋ぎ目が分からないように工夫されているが、取り外しが可能なようだ。

 外れたハサミの中は空洞になっており、中から筒状の箱を取り出した。




「体内に隠していたのか。だから見つからなかったんだな……」




 イタッチは腕を組んで外れたハサミを見下ろす。




「これが一番安心だ。奴らにとってはこの書類の在処を聞き出すために、俺を始末するわけにはいかない。だが、書類が隠してあるのは俺の身体ってわけだ」




 ハサミを装着し直すと、サソリは筒を開けて書類をちゃぶ台に広げた。




「これが警察上層部の闇。裏社会の組織との取り引き証拠だ」




 そこにはマフィアや武器商人、多くの有名組織との取り引き内容が記載されていた。




「これが大きな弱点になる」







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