第153話 『COLORSのフロー』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第153話
『COLORSのフロー』
COLORSのフローと名乗るカエルが現れ、病棟を脱出しようとしていたイタッチを止めた。
ダッチはサソリ達の前に出ると、
「イタッチ、ここは俺に任せてくれないか。もうヘマはしない」
「そうか、なら任せるぞ」
イタッチの返答を聞き、ダッチはニヤリと笑うと刀を抜いて構えた。
「COLORSのフローと言ったか。俺の復帰戦に手伝ってもらおうか」
「それは俺を倒すって言ってるのかな……。ムカつくね〜………………ボッコボコのフルボッコにしてやるわぁぁっ!!」
顔を赤くして背中に背負っていた刀を抜いたフローが、ダッチを目指して走り出す。
道中にはロビーに置かれたソファーやテーブルがあるのだが、その障害物を簡単に乗り越えて素早く距離を縮める。
「ムカつく相手にゃ〜、お仕置きさぁ!!」
フローはソファーの足場にして、飛び上がる。天井スレスレを通り抜けて、ダッチの頭上に刀を突き立てながら落下してきた。
「四神ダッチ!?」
ヒョウが心配そうに叫ぶ中。ダッチは冷静に刀を頭上で横にする。そして落下してくるフローの刀を受け止めた。
二人の刀はぶつかり合い、金属音を鳴らして火花を散らす。
ダッチは腕の力だけで刀を振りきり、落下してきたフローに弾き返した。
「なかなかのパワーだね……やるな」
ダッチに弾き飛ばされ、フローは地面に落下する。そのまま落下の衝撃で地面を転がった後、ソファーに手をつきながら立ち上がる。
「…………少し、冷静さを無くしていた……。だが、今ので頭が冷えた……」
フローの言う通り、さっきまで顔を赤くしていたフローだが、落ち着きを取り戻したようだ。
呼吸を整えると、ゆっくりと立ち上がる。
「俺はCOLORSのフロー。俺を本気にさせてこと、後悔させてやるさ!!」
フローは刀を両手で持ち、横持ちで構えた。その構えはダッチの必殺技によく似た構え。
「俺の技……いや、違うか」
「ああ、その通り。お前の使う技とは違う。あの音波攻撃はその刀がなければ出来ないからな。俺がやるのは忍法さ」
「忍法……」
「さぁ、喰らえ!! 忍法分身の術!!」
フローが叫ぶと、フローの姿が増えていく。元々いたフローの左右に一人づつ増えて、合計で三人になった。
「これが俺の忍法だ。三人に増えた俺の技、対処できるかな!!」
分身したフローはそれぞれが個の動きをして、ダッチに襲いかかる。数で見れば三体一の状況。しかし、そんな状況にも関わらず、ダッチは冷静に攻撃を受け止め、避けていく。
「なに、この俺の忍法が通用しないだと!?」