第149話 『パンテールとサソリ』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第149話
『パンテールとサソリ』
その後、パンテールはサソリの計画に参加した。彼の恨みを晴らすため、月光と接触して潜入。イタッチとの協力もあり、計画を成功させることもできた。
そして月光への復讐を遂げたサソリは、作戦の次の段階へと動き出した。
警官である限り、必ず権力者の力でねじ伏せられる。それは月光の件でサソリは痛感していた。
大きな証拠を得られない限り、捜査の許可すらもらえない。いや、証拠を得られたとしてもそれすら揉み消される可能性もある。
──警官では正義を貫けない──
こうしてサソリは警察をやめた。
「サソリが目指したのは、警察の上層部にいる闇を暴くこと。そのために怪盗としての活動で注目を集め、警察上層部の動向を探った。警官が犯罪者になるなんて、上層部からしたら責任問題だからな。どう行動するのかを見ていたんだ」
ヒョウの話を聞き、ダッチは首を傾げる。
「んで、そこまでは分かった。そこからなぜ、俺達に助けを求めることになったんだ?」
ダッチの質問にヒョウは棚をあったファイルを取り出して、中に入れられた書類を広げた。
「活動の結果。私達とサソリはついに上層部の闇を手に入れることができた。それがこの人物だ」
書類には五人の警官の写真と名前が記載されていた。
「だが、先日、お前達を襲った人物と同じCOLORSが襲撃を仕掛けてきた。私の部下も何人か怪我をしたが、一番の重症は……サソリだ」
ヒョウは責任を感じてか、下を向いて悔しそうに唇を噛む。
「私達の力不足だった。サソリを守りきれなかったんだ」
「そのサソリさんは今どこにいるんですか?」
「病院だ。しかし、すでに警察の手が回っている。いつ捕まってもおかしくない状況だ」
COLORSとの戦闘に負けたサソリは、警察に捕まり、今は治療のために病院にいるということか。
回復すればすぐに監獄に移されるだろう。パンテールとしてはその前に助けに入りたいということだろう。
「それで俺達に助けて欲しいと」
イタッチが言うと、ヒョウは頷く。
「今の私達の戦力では救出できない。監獄に移動されればさらに厳しくなる。その前にサソリを救出して欲しいんだ」
ヒョウと黒豚は頭を下げて願い出る。その二人の姿にイタッチの両隣に座るダッチとアンは、回答を待つようにイタッチの顔を見た。
「イタッチ、どうする?」
「どうします?」
二人は決断をイタッチに任せる。そんな二人にイタッチは尋ねた。
「俺が決めていいのか?」
「お前が決めたなら俺は従うだけだ」
「私も同じです。皆さんについていきます!」