第145話 『ンコイvsダッチ』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第145話
『ンコイvsダッチ』
ンコイは身体を捻らせて自由自在に蹴りやバトンで攻撃してくる。靴やバトンに仕込まれた刃物は、的確にダッチを狙ってくる。
ダッチは刀で刃が飛び出す瞬間を的確に防ぐ。しかし、ンコイは攻撃はダンスのようにリズムを刻んで増していく。
「防ぎ……切れない!?」
刀で防いでいたダッチだが、ンコイの蓮撃を徐々に防ぎ切れずになり、傷を負っていく。
「これでどうであーる!!」
ンコイは靴の先をダッチに向けると、靴から刃物を発射する。ダメージを受けて傷だらけだったダッチは、避ける力もなく刃物をまともに食らった。
腹に刺さり、身体をふらつかせる。しかし、倒れることはなく。ダッチは刃物を掴むと歯を食いしばりながら抜き取った。
「…………痛ぇなぁ………………」
刃物を投げ捨てて、血で片目が隠れる中。ダッチは刀を構える。そんなダッチの姿にンコイは口を開けて驚きの表情になった。
「あれだけ切られて刺されて、まだやろうとするであーるか。なかなかタフであるなぁ」
「舐められてるってのは好きじゃあねぇんだ」
「しかし、そろそろ終わりにするであーる」
ンコイは片足で立つと、その足を軸にして身体を回転させ始める。さらに回転にプラスして手に持つバトンを前方で回転させ始めた。
「ハリケーン!! この俺の技で切り刻んであげるであーる」
ンコイは回転しながら、ダッチに迫ってくる。ダメージからこれ以上のダメージを喰らえば、もう立てなくなる。
そう判断し、ダッチは最後の技に賭けることにした。
刀を鞘にしまい、姿勢を低くして前のめりになる。
「居合であーるか。しかし、このハリケーンは止められないであーる!!」
迫り来るンコイ。ダッチは呼吸を整えて、ンコイの接近を待った。回転するンコイの刃がダッチの毛に当たった時。
「っ!!」
風が吹く。瞬きすらも許さない瞬時の出来事。
「…………」
ダッチとンコイはお互いに背を向け合う。居合を終えたダッチは刀を鞘にしまう。すると、ンコイのバトンについている刃にヒビが入った。
しかし、ンコイは倒れることはなく。刀をしまったダッチはふらりと姿勢を崩した。
「まさか、俺が…………」
倒れるダッチ。意識を失う直前にダッチの視線に入ったのは、すでに倒されて地面に突っ伏しているイタッチの姿。
イタッチが倒れる側ではリドルグが座っていた。
「……ンコイ。そっちも終わったようだなぁ」
「想定内の実力でした。これで俺達のミッションは成功であーる」
「そうだな。後は…………」