第143話 『強いのは?』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第143話
『強いのは?』
「俺はCOLORSのリドルグだぁ、ルーパちゃんを解放してもらおぉうかぁ?」
リドルグと名乗るマンドリル。そしてンコイと名乗るインコが現れる。彼らはCOLORSのメンバーだと言い、ルーパの仲間のようだ。
ダッチは新たに現れたCOLORSの二人を睨みつける。
「そのお猿さんが来れば、俺達に勝てるって?」
「当然であーる。俺の計算は完璧である。君達の戦績は全て警視庁でデータ化されていた。それを元にすれば、君達の戦闘能力は測定できる!!」
ンコイは口を開くと、中から筒を取り出す。そして筒を開いて丸められた紙を取り出した。その紙を広げてイタッチ達に見せる。
「四神の白虎、パンテール、月光、ブラック、ボム、トンボ巡査、VIPER。面白い戦績であーる。だが、俺とリドルグがいれば、問題であーる」
くちばしをパクパクさせて余裕だと言うンコイ。そんなンコイの言葉にダッチは苛立ち、身体を前のめりにした。
「上等だァ? やってやるよ!! こんやろぉ!!」
喧嘩腰のダッチが今にも襲いかかりそうになるが、そんなダッチの方をイタッチが掴んで止める。
「焦るな。奴ら結構な実力者だ」
イタッチが肩を掴むと、ダッチは止まる。そしてイタッチの発言に首を傾けた。
「そうなのか?」
「ああ、俺達はいつでも攻撃できるんだ。なのに武器も構えずにあの余裕……。呼吸ひとつ乱れてない」
説明を聞き、リドルグ達を見てダッチは納得したようで、昂る気持ちを抑えるために深呼吸をする。
イタッチ達の姿を見て、リドルグは拍手する。
「素晴らしい、素晴らしいなぁ。イタッチ……。君こそ、冷静さを失っていないではないか。君が泥棒でなければ、俺達の組織に入ってもらいたいくらいだよ」
「それは断るね。何をしてるか分からない謎組織なんかに入るのはよ」
「それは酷いなぁ。秘密組織なんだ。そう簡単には実態を知られるわけにはいかんよぉ。しかし、我々は正義の部隊だ。COLORSは人間社会の秩序を守る。そのためにはなんだってする。泥も被るし、他者も裏切る。それでこそ、我々だ」
そこまで話を終えると、リドルグは右手を左手で握り、コキコキと音を鳴らす。
「さぁってぇ、イタッチ、ダッチ。あんた達は俺達の正義からはかけ離れちまった。そろそろ退場してもらおうかぁ」
リドルグがそう言うと、ンコイも口から筒を吐き出して、筒の中からスティック状の武器を取り出した。
「ルーパを取り戻しぃ、お前達を始末する!!」