第139話 『警察大騒動?』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第139話
『警察大騒動?』
「どうなっている!? ベロイヒテン美術館に、ナイクング館となぜ、奴の出現場所が分かって捕らえられない!!」
円状のテーブルを叩き、丸々と太ったタヌキが怒鳴り散らす。
その怒鳴り声に反応するように、隣に座るカマドウマが眼鏡をクイっと上げた。
「そうですね。このままサソリを放置していれば、我々の信用に関わる」
さらにその隣で腕を組んでいたキンメダイが頷く。
「確かにこのまま放置しておくと、まずいことになりますなァ」
「そこでだ!!」
再び勢いよく机を叩いたタヌキ。周りのみんな離れているのか、耳を塞ぐが文句は言わない。タヌキは皆が耳から手を離すのを待って、話を進めた。
「サソリとイタッチを同時に捕える作戦を考えついた」
「おー!? タヌキ警視長、それはどんな作戦なんですか!!」
「ふふふぅ…………」
住宅街にある喫茶店。そこでイタチと子猫がせっせと働いていた。
店の奥にあるカウンター席でダッチウサギがコーヒーを啜る。
「忙しそうだな……」
「常連さんが帰ってきてくれたからな。今まで来れなかった分を飲んでくれるんだってよ」
爆発事件により、しばらく営業できていなかった喫茶店。休業中に常連のお客さんも離れてしまったかと思っていたが、皆帰ってきてくれた。
そしてこうして大忙しに働いてるのである。
「暇ならダッチさんも手伝ってくれてもいいんですよ?」
エプロン姿のアンがダッチの前に立ち、目を細める。しかし、ダッチはそっぽを向いて、
「俺は手伝わねぇよ。ここはお前らの店だろ」
「も〜」
とは言うものの、この店が早く復活できたのも、ダッチの資金提供があったからだ。四神としての活動で手に入れた給料の一部を、店の復興に使ってくれていた。
日が落ちて、客の数も減った頃。イタッチ達が店の片付けをしていると、店の中に深くフードを被り顔を隠した動物が入ってきた。
「もう閉店の時間ですよ?」
皿を洗いながらアンが告げた時。フードの人物は懐から素早く拳銃を取り出す。そしてアンに向けようとする……が、
「「そこまでだぜ」」
フードを左右から刀と折り紙の剣が向けられる。危険を察したイタッチとダッチは武器を取り出して、行動と同時にフードの動きを止めた。
「早いなぁ、あんたら」
フードの動物は拳銃を下ろすと、フードを取る。フードの中身はウーパールーパーの女性。武器を下ろしたウーパールーパーにイタッチは訊ねる。
「何者だ、お前は……」
「私はCOLORSのルーパ。アナタ達を始末しにきた」