第132話 『大監獄に隠されるお宝』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第132話
『大監獄に隠されるお宝』
海を走行する巨大な戦艦。この戦艦はこう呼ばれているオーシャンプリズンと。
「戦艦の監獄エリアG1-2にいるヘイエイがクロックストーリーを隠し持って、投獄されている。ヘイエイと接触して、クロックストーリーを手に入れる」
ヘリでオーシャンプリズンのいる海域まで飛行し、途中からボートに乗り換える。
月明かりもない新月の時を狙い、真っ暗な装備で身を包み、VIPERはオーシャンプリズンを目指す。
「見えてきた。あれがオーシャンプリズンだ」
暗闇の中に一隻の船が見える。海軍で使われてきた母船を改造し、監獄へとなった戦艦。しかし、このままボートで近づけば、監獄の見張りに見つかってしまう。
エリソンはボートに乗る皆に潜水服の着用を指示した。
「ここからは潜って侵入する。遅れれば、海に取り残される絶対に逸れるな」
エリソンを先頭にオランウータンと続き、海へ飛び込む。その後を追って次々と武装兵が潜っていった。
「俺たちも行くか。イタッチ」
「ああ、まだあいつらについて行こう」
イタッチとダッチも潜水服を着用すると、水中へ潜る。中は夜ということもあり真っ暗だ。それに温度も低い。長く潜っていたら体温が低下してしまう。急いで戦艦へ侵入する必要がある。
海の中を進み、VIPERは戦艦のすぐそばまで辿り着く。しかし、甲板は高く簡単には登れない。
だが、それはわかっていたことだ。エリソンは部下からある道具を受け取る。それは先端にフックのついたショットガン。ショットガンを甲板の手すりに向けて打つと、フックが手すりに絡まり、ロープが垂れてきた。
「これで登るぞ」
同じ道具を他にも三つ持ってきていたようで、他の隊員も同じように引っ掛けてロープを垂らす。それを伝い、全員が順番に登っていった。
戦艦へ侵入したVIPERは周りに見張りがいないことを確認すると、
「二手に分かれるぞ。例のヘイエイはこの監獄のどこかにいる。探し出してお宝を奪え」
エリソンとオランウータンの二つの隊を部隊を分ける。
「俺とイタッチはエリソンの隊か」
「同じ部隊で良かったな。お前なんだかんだで寂しがり屋だし……」
「は?」
イタッチの冗談にダッチが睨んで対応する中、VIPERは戦艦へと入り込んだ。エリソンと同じ部隊になったイタッチ達は、階段を下り、戦艦の下の階層へと入り込む。
そこは薄暗い通路が続き、鉄格子の扉で前を塞いでいる。エリソンはナイフで鉄格子の鍵を破壊してさらに奥へと進む。
すると、甲板とは違い、そこからは監獄という雰囲気になり、広いフロアにいくつもの檻が並んでいた。