第125話 『タコ足』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第125話
『タコ足』
兵士が全滅して残ったのは、クレスとタコ。
「確かに私の調査不足の部分もあったようですね。しかし、今ので十分データは取れました」
クレスは座った状態のまま、腕を前に突き出した。そして、
「やれ、ポルポ」
「っは!」
タコにイタッチ達を倒すように倒すように命令を出した。ポルポと呼ばれたタコは、二本の足で立つと、残ったのは六本の足で刀を持つ。
「俺は六刀流のポルポ。君達は俺が切り刻んであげよう」
六本の刀を振り回し、自信満々なポルポ。同時に二人を相手にするつもりなのだろう。しかし、そんなポルポを見てイタッチは一歩後ろに下がると、
「ダッチ。最後の仕上げだ。お前に任せるぞ」
そう言ってダッチを先頭に出した。
「おう、任せとけ。このタコを料理してやるよ」
ダッチは刀を向くと、ポルポと向かい合う。
「俺を料理する……か。良いだろう。やれるものならやってみな!!」
ポルポは六本の刀でダッチに襲いかかる。通常であれば、防ぎ切れるような攻撃ではない。だが、ダッチは全斬撃を全て見切って、一回の太刀で防いだ。
「なっ!?」
「何本武器を持とうと、一本の研ぎ澄まされた刃には敵わない」
刀を振り切ると、ポルポは六本の刀の全てを振り落としてしまう。
「俺の攻撃が、こんな簡単に!?」
ダッチは両手で刀を握り直すと、一歩踏み込んだ。そして上からすっと刀を下ろす。刀を失ったポルポは、防ぐ手段がなく。
ダッチの一撃をまともに喰らってしまった。
「がぉぁぁぁぁ!?」
タコは悲鳴を上げながら倒れる。
「簡単に終わっちまったな」
ダッチは刀を布で拭くと、鞘にしまってイタッチと同じ位置まで下がった。
やられてしまったポルポを、クレスは睨みつけると、冷たく吐き捨てる。
「役立たずですね……」
「も、申し訳ありません……」
「仕方がありません。あなたで負けるとなれば、私には勝てない」
クレスは立ち上がると、後ろにある操縦装置に近づいた。そしてキーボードの上に手を置く。
「レオーネにポルポ。この二人がやられたとなったら、最終手段をやるしかありませんね……」
キーボードを打ち込み始めると、施設内のライトが赤く点滅し始める。そして要塞内に警報が鳴り響いた。
「イタッチさん、ここに来る前に私たちが持って来た兵器を見ましたね。あれは全て失敗作です。しかし、一匹だけ、成功作と呼べる個体が存在していましてね……」
クレスが最後のボタンを押すと、天井が開いてそこからガラスケースが降りて来た。そこには人形のキメラが入れられていた。
「さぁ、あなたの力を見せてやりなさい!!」