第118話 『未来の猛獣』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第118話
『未来の猛獣』
バイクに乗って逃げるイタッチとクレス。その二人の追ってパトカーが追跡していた。
「待てーー!! イタッチ!! 今日こそ逮捕してやる!!」
パトカーの屋根で仁王立ちをして、フクロウ警部が叫び声を上げる。
「しつこいやつだ……」
イタッチは直角に曲がると、狭い路地に入ってパトカーを撒こうとする。しかし、パトカーは斜めになると無理矢理狭い路地にねじ込んできた。
車体は斜めになり、パトカーの装甲は壁に擦れて削れていく。そんな中でもフクロウ警部は仁王立ちで、イタッチを睨みつける。
そんなフクロウ警部に、クレスは驚きを表す。
「あの警部さん、あんなに凄かったんですか!!」
「アイツは本気を出せばあんなもんだよ!!」
路地を抜けて四車線ある広い道路に出た。しかし、イタッチはそれ以上走ることができず、バイクを止めた。
「ハハハッ!! ここに来るのは予想通り、すでに他の警備隊を配備しておいた!!」
フクロウ警部が自慢げに言いながら、パトカーごと路地を脱出する。
しかし、路地を出たフクロウ警部は予想していた光景と違う現状に困惑していた。
「け、警備隊が……」
そこにはひっくり返されたパトカーや、やられた警備隊員の姿。
「やられている!?」
フクロウ警部が配備していた警備隊は全滅していた。
そして全滅させたのは……。
「よぉ、来たか。大怪盗……」
たった一匹のライオン。
ひっくり返ったパトカーの上で座り込む、顔の半分を機械のアーマーで覆ったライオン。
「クレス。お前を取り戻しにきたぜ……」
ライオンは冷たい視線でクレスを睨みつける。その視線にクレスは怯え、イタッチの腕にしがみつく。
「お前も未来から来たのか?」
「そうだとも……。俺はレオーネ。クレスを返してもらおうか……」
レオーネと名乗ったライオンは、クレスの次にイタッチを睨みつける。
今にも戦闘が始まりそうな雰囲気。そんな中、フクロウ警部はパトカーの上から叫ぶ。
「貴様、警備隊をよくも!! 貴様も逮捕する!!」
拳銃を取り出してレオーネに向ける。しかし、銃口を向けられているというのに、レオーネは臆することはない。
「この時代の警官か。まだ教育が行き届いていない時代だからな。俺達に武器を向けるのも仕方ないことか……。だが!!」
レオーネは大きく口を開くと、口からレーザーを放った。そのレーザーでパトカーを撃ち抜き、爆発させる。そしてフクロウ警部達を爆発に巻き込んだ。
「フクロウ警部!!」