第104話 『グライダー』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第104話
『グライダー』
フクロウ警部は空を飛ぶグライダーを落とすために、近くにあるビルの階段を登る。そして屋上に着くと、フクロウ警部は羽を広げてグライダーに向かって飛びついた。
「フハハハ!! 捕まえたぞ、イタッチ!!」
しかし、飛びついてすぐに気づく。
「…………イタッチ……じゃない!? 折り紙で作った偽物だ!!」
フクロウ警部が飛びついたものはイタッチではなく、折り紙で作られた偽物だった。
フクロウ警部が触れたことで折り紙の魔法は解けて、グライダーはただの折り紙になる。
「お、落ちるぅぅぅ!?」
フクロウ警部はそのまま落下する。フクロウ警部は必死に羽を羽ばたかせるが、体重が重くて飛ぶことはできず、地面に激突した。
「痛てててて〜」
フクロウ警部は痛そうにお尻を撫でる。
「フクロウ警部、大変です!!」
落下したフクロウ警部に、ネコ刑事が駆けつけてくる。
「フクロウ警部が不在の時にトンボ巡査から連絡があり、イタッチが潜入したと!!」
「そうか、あのグライダーは囮……。だが、美術館の中にはトンボ君がいる、後は彼に任せよう」
イタッチとダッチはグライダーを飛ばした後、美術館に侵入するために地下道を歩いていた。
「なんだこの通路は?」
ダッチはランタンで先を照らし、前を進むイタッチに尋ねる。
「ここはこの島が発見された時に開発のために作られた水路だ。今は使われていないが、何ヶ所かの出口に繋がってる」
イタッチ達は地下を通り抜けて、途中で美術館の地下室へと出ることに成功した。
「お宝があるのは2階だ。そこを目指すぞ」
イタッチとダッチは地下室から出るため、階段を登る。しかし、その階段の途中でイタッチが足を止めた。
「どうした、さっさと登ろうぜ」
「いや、…………フクロウ警部のやつ、ここからの侵入も想定していたか」
階段の上。一階に通じる扉の前にあるものが配備されていた。
「ロボット……」
「あれはネコ刑事手作りのロボットかな。通せんぼロボだ」
「通せんぼロボか。だが、どうせ、機械だろ、こんなもの無視して通れば」
ダッチはイタッチを抜かして階段を登り、ロボットを無視して通り抜けようとする。だが、そう簡単にはいかなかった。
「どすごーい!!」
通せんぼロボには巨大な手がついており、ダッチが近づくと、ロボットは動き出してダッチを押し出した。
「うおっ!?」
押された衝撃でダッチは階段から滑り落ちる。倒れそうになったダッチを後ろにいたイタッチが、受け止めて支えた。
「大丈夫か?」
「これは……無視できないな」