水曜日 ループ 1
朝から戸倉ゆきみは部屋中で物探しをしてかた。昨夜机に置いたはずの何ページしか読んでない昼間に買ったばかりの参考書は消えた。
いつもきっちんと整理してる戸倉ゆきみは自分の記憶は信じてますが、それでもあっちこっち探した。
もう行かないと講義に間に合わない時間になってるのを意識して、彼女は支度を済まし出かけました。
時間ぎりぎり講堂に到着したが、誰もいませんでした。休講の知らせは届けてないっと戸倉ゆきみは戸惑った時、同級生に声が掛けられた。
「あれ、戸倉、なんでここにいるの?今日の午前は講義がないぞ。自習に来たのか?さすが優等生だな!」
にやにや言ってる男に戸倉ゆきみは一瞥して、何も言わなかった。
「ああ、おれは違うぜ、彼女に忘れ物届けに来た。邪魔したな。」
向こうはまたにやにや言ってからその場を去った。
大学の正門を前に、戸倉ゆきみは空を見上げ、暫く佇んでいた。
昨日もこんな天気ですね、雨が降りながら日が照らす…それもそうですね、今日は水曜日だから。なんで今日はまた水曜日なのか、昨日買ったはずの参考書は消えた、その代わり使ったはずの金は財布に戻った。これって、ループって言う昨日をもう一度来たってこと?どうせ戻るのなら、もっと前に戻れないのか?
再び歩き始めた戸倉ゆきみを大きく溜息をした。
一先ず昨日と同じ例のコーヒー屋で雨を止むのは待つと決めた戸倉ゆきみは注文した飲み物を待つ時間にもう自分の人生について考えることを止めた。
窓の外を向けた彼女は、一人の男に目を引かれた。実際、当人ではなく、戸倉ゆきみを興味を持ったせのはその人のベルトにかかったキーホルダーでした。からくり人形に見えるそのキーホルダーはそれ程珍しいものではないが、戸倉ゆきみはじっとそれを見つめた。その男は視界から消えようとする時、その人形が突然戸倉ゆきみの方に頭を回した。危ういどこ、彼女は声を出すのは必死に抑えた。
暖かいコーヒーを飲みながら、昨日はその男もその人形も見てなかったと戸倉ゆきみは自分の記憶の中を漁ってから確認した。
何か大事なことを忘れたと気付いた戸倉ゆきみは急に勢いよくコープに残したコーヒーをいっきに飲み込んだ。そう、彼女は思い出した。昨日、本屋出た後、手すりの落下に当たった不運な女の子のことを。
昨日より三倍のスピードをして、戸倉ゆきみは迅速に本屋へ行って参考書をもう一度買いました。なんでこんな時まで勉強のことを頭に入れたのか戸倉ゆきみはいささか憤慨を感じた。それからケーキ屋で四つのクリームにつけた美味しそうなケーキを買いました。
昨日の事故現場に着いた戸倉ゆきみはそこで痩せた女と男の子が揉めているどこを目撃した。
「本当です、お願い、おばさん、その手すりが危険です!落ちるのです!」
「先から、ずっとうちの手すりが危険とかなんとか言って、なにが証拠があるのか?子供だからって、なんでも許せると思わないでね!」
痩せ女の人は大声で言い捨て、男の子をその場に残した。
その子は手すりを落下したことを知ってるのか?もしかして、ループしてることを気付いた?
男の子は暫くその場で俯き地面を眺めた。やっと戸倉ゆきみと反対な方向を向かって歩いていた。
そろそろ仕掛けの時間に睨んだ戸倉ゆきみは動き始めた。先ケーキ屋で買ったケーキを地面に投げ、足で踏んだ。どうしてこういうことをするのか、それは戸倉ゆきみの算段でした。
彼女はその手すりを落下す可能な範囲にケーキでぐちゃぐちゃにし、雨が降った後だから、そのよりいっそ近づけたくなくなった。
女の子が早い段階で止めれるのは幸いだが、もし叶わなかった時は、これも役に立つのでしょ。ほかの人達はここに通過することも一定程度防げるんだ。
戸倉もその域から身を引き、女の子の姿を探し始めた。やっと現れた目標のそばにもう一人の子がいた。先の男の子だ。
なんだ、ちゃんと付いているじゃないか、小さなナイトくん。戸倉ゆきみは小さく笑った。
その時、赤いボールは女の子の手から落ち、さき戸倉ゆきみがめちゃくちゃにした地域へごろん出来た。
女の子はそのボールを追いかけて来た。男の子はそれを止める事が遅れた。
戸倉ゆきみは危険地域の近くでそのボールを確保した。手すりの落下と同時に鉄を地面に衝突した鈍い音が大きく響いた。後ろからの突風を感じて、振りかえるとそれを目に焼け付いた戸倉ゆきみは今日ほど自分の運動神経に感謝したいことはなかった。
「はい、ボール。」
腰を下ろし、片足を地面に付いてから戸倉ゆきみは女の子にボールを差し出した。
「ありがとう、お姉ちゃん!」
天真爛漫な笑顔を見せて、女の子は両手でボールを受け止めるた。
その間、男の子もこっちに来ていた。
「これ、お姉ちゃんにあげる、さきのお礼!」
女の子は飴ひとつを差し出した、戸倉ゆきみはそれを受け取った。
「うん、ありがとう。」
人の好意を拒むのは戸倉ゆきみにとっては難しかった。
「ああ、受け取った、また人が増えた。」
男の子が溜息をして呟いた。
「ゆうなちゃん、その飴を人にあげるのは駄目って言ったのに。」
「でも、お姉ちゃんがいい人だから。これは最後の一個ですもん。」
「お姉ちゃんも巻き込まれた。やっばり、教えてほうがいいのかな?」
男の子は戸倉ゆきみに向けて微笑んだ。
「お姉ちゃん、こんにちは。ゆうなちゃんを助けてくれて、ありがとう。」
「と言っても、あなたもゆうなちゃんを助けたよね。さき必死にあの女の人を説得しようとね。やっばりこの手すりを落下するのは知っていたのね。」
「…ああ、お姉ちゃんも昨日のことを憶えてるの?」
「まあ、ゆうなちゃんも助けたし、言ってもだいじょうぶと思うよ。うん、そうですよ。きみも?」
「うん。ぼくは中川そら。お姉ちゃんは?」
「戸倉ゆきみです。よろしくね!」
「よろしく、ゆきみ姉ちゃん!あの、ぼくも何回ループしたの、だからぼくの言うことを信じてくれますか?」
「ゆうなちゃんを助けるために努力したのを免じて、信じたいですが。」
戸倉ゆきみは中川そらから聞いたことは頭の中で纏めた。
中川そらのほかにループを気付いたひとは二人がいた、多田めぐると言う社会人と上條すすむと言う高校生だった。実は、昨日事故に亡くなったのはゆうなちゃんだけじゃなかった、同時に多田めぐるはある公園の中に亡くなった。事故か事件かまだ分からなかった。今朝、中川そらとあの二人が会っていた。中川そらがゆうなちゃんを救う、上條すすむは多田めぐるの方に手伝うことを決めた三人はそれぞれの行動を取った。このループはどうやら先貰った飴にも深く関連していた。
「いま、あの二人はどうなってるの?助かったのか?」
戸倉ゆきみは状況を把握してから中川そらに聞いた。
「うむ…めぐる兄ちゃんもすすむ兄ちゃんも連絡してくれなかった…電話してもでないし…」
「その公園、知ってる?案内してくれないかな?」
「ゆきみ姉ちゃんも一緒に行ってくれるの?わあ、嬉しい。ぼくひとりでは怖くて…」
公園の行く道はちょっとゆうなちゃんの家の辺りで、まずゆうなちゃんを家に帰した。
公園に到着した二人は多田めぐると上條すすむに会えることをできなかった。なぜなら、警察の張った警戒線は二人の行く道を阻んだ。
明日はまた水曜日なら、朝、中川そらの住むマンションの近くて落ち合うと二人は約束した。
非日常がこうにも簡単に訪れたのかなとベッドに横たわってる戸倉ゆきみはこの日のことを迅速に思い返し、早めに眠りに落ちた。