表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
防衛空母いずも  作者: へべれけ
それからとこれから
73/84

台山原発の考察7

前回のエッセイで

燃料棒に穴が空いた際の対応に付いて書きましたが

それを読まれた方の中には



そんなに悠長にやってる余裕があるなら、燃料棒に穴が開くくらい別に大した事無いんじゃないの?



と思う方もいらっしゃるかもしれません


しかし実は

燃料棒に穴が開く様な事態というのは

重大事故の2歩手前ぐらいにはヤバイ事態です


それを理解するには

何故、燃料棒に穴が開くのかを理解する必要があります





ーーー





炉心内部の環境は非常に過酷です

その中でも、ペレットが発生する熱は非常に高温であり、ペレットに最も近い所にある被覆管には極めて大きな熱ストレスが掛かります


又、原子炉の燃料であるペレットは非常に高温になるので溶融しない様に常に冷却されているのですが

ペレット自体は直接冷却されているわけではなく、被覆管を通して間接的に冷却されています


コレは運転中の炉心内部に於いて被覆管は常に高温と低温に晒されている事を意味し

結果、被覆管には極めて大きな熱応力が発生するのです

しかも、この熱応力は原子炉の運転状況によって変動します

コレが被覆管に疲労として蓄積していくのです



針金を何度も曲げ伸ばしすると

ポキっと折れてしまいますよね?

それと同じ様な事が被覆管に起こっているのです


この時、折れる前の白化した部位を拡大してみると非常に細かい亀裂が無数に発生しているのが判ります


この細かい亀裂が"ピンホール"です




もう少し詳しく説明しましょう


例えば、厚さ1mの壁があったとします

ここに壁を貫通する深さの幅1mの亀裂があった場合、それはおそらく"ひび割れ"と表現されると思います


ではその亀裂の幅が1mではなく1mmだったとしたら?

その亀裂は"ひび割れ"と表現されるのか?

それとも"穴"と表現されるのか?

という事です


一般的な被覆管の板厚はおよそ0.7mm程です

そこに板厚を貫通する深さの幅数ミクロンから数十ミクロンの微細な亀裂が発生したとします

この亀裂は"ひび割れ"と呼ぶには微細ですが、そこからは内部のガスが漏れ出します


コレが"ピンホール"です



つまり、"ピンホール"は被覆管の疲労が限界に近い処まで来ている合図なのです


さらに

この"ピンホール"には重大な問題があります

それが




"応力集中"




です



"ピンホール"は亀裂です

ですので、その両端部には"応力集中"が発生するのです

この"応力集中"により一度発生した亀裂は加速度的に拡大していきます



ですので、"ピンホール"が発生した場合

直ぐにメルトダウンに発展する事はありませんが、可能な限り迅速に対応する必要があるのです


実際の"ピンホール"の発生からメルトダウン迄の移行時間に関する資料は見つけられませんでしたが、原子炉運転時の防護措置要綱から観るに

遅くとも1ヶ月以内には点検整備の為に原子炉を停止するっぽいです






では

もし、"ピンホール"が見つかっても

其れを無視して原子炉を運転し続けたらどうなるのでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ