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防衛空母いずも  作者: へべれけ
それからとこれから
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台山原発の考察3

例えば今

定常出力で運転している原子炉が有ったとします


この原子炉の出力を下げた場合

原子炉の出力は計算上制御棒で下げた出力よりも下がり続け

その後に再び出力が少し上昇した後に安定します


この出力の増減の原因がゼノン毒効果です


それでは

この時に原子炉の内部では何が起こっているのでしょうか?





ーーー





ここでは、一定出力で運転していた原子炉の出力を下げる場合をみてみましょう

制御棒は一度一定値まで挿入し、その後は変更しないものとします



先ず

制御棒を挿入する事で中性子の数が減少します

コレにより核分裂反応が減少し同時に中性子と核分裂生成物質も減少します

しかし一方で中性子吸収効果の高いキセノン135は減少しません


何故ならキセノン135はヨウ素135の壊変によって生成され、ヨウ素135の半減期は約7時間程ある為

出力低下前に生成されたヨウ素135が原子炉内に大量に存在するからです


結果

ヨウ素135は原子炉の出力低下と殆ど同時に減少し始めるのに対して

ヨウ素135の壊変によって発生するキセノン135は出力低下前の量が提供され続け

原子炉内で減少した中性子をさらに減少させ続けてしまうのです


そしてこの状態はヨウ素が減少し始める迄続き

ヨウ素の減少と共にキセノンも減少

相対的に中性子の量が増加します


この結果、原子炉の出力も増加

同時に中性子と核分裂生成物質も増加します

この現象はヨウ素も増加させますが半減期の関係上キセノンはすぐには上昇せず出力は上がり続けます


一方で核分裂生成物質の中にはキセノン133が存在します

キセノン133は核分裂により直接生成されるので核分裂反応の増減に連動して増減します

コレは核分裂反応の変化を抑制する方向に働き

結果としてキセノン135によって発生する核分裂反応の脈動の収束を加速させます


そして最終的に核分裂反応は、生成される中性子と制御棒に吸収される中性子とキセノンに吸収される中性子のバランスが取れた出力で安定します


原子炉の出力を上げる場合はこの逆の現象が発生して、出力が一時的に上昇し続けてた後減少して安定します



コレがキセノンオーバーライドと呼ばれる現象の大雑把な説明ですが

この現象は原子を炉停止した場合には更に大きな影響を与えます



例えば

定常出力運転状態から原子炉を停止した場合

原子炉内には、定常運転時に発生したヨウ素が存在しています

コレが壊変によりキセノンに変化する為

暫くの間、原子炉が再稼働出来なくなるのです


そんなに大量のキセノンが発生するのか?

と思う方もいらっしゃるかもしれませんが

実はキセノンの発生量自体はそんなに多くはありません


では何故

原子炉が再稼働出来なくなるかというと

中性子の数が少ないからです


炉内の核分裂反応は、核分裂により生じた中性子の数が、核分裂を発生させた中性子の数より多い事で連鎖的に拡大しますが

稼働初期の中性子の数は、それ自体がそもそも少ないので核分裂反応で中性子を増加しようとしても

原子炉内に残留するキセノンに直ぐに吸収されてしまい核分裂反応自体が連鎖出来ないのです


コレがゼノン中毒と呼ばれる現象で

一般的に原子炉を停止してから半日〜1日続くと言われています

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