4-3地上戦力との連携
これは陸自との連携による対地攻撃支援と言う意味ではありません
まあ、やろうと思えば出来るとは思うのですが、公開されているF35の性能諸元を観る限り余り考慮されているとは思えませんね
ここで言う地上戦力との連携とは、地対艦ミサイルの誘導の事です
アメリカは元々地対艦ミサイルと言うものに積極的ではありませんでした
これはある意味当然で、アメリカ本土の海岸線に置いた地対艦ミサイルを使用する事態と言うのはアメリカ本土近郊迄敵が迫っている事態な訳で、アメリカがその様な事になるのを許す事があるとは思えません
なので今まではアメリカもその様な運用は想定外であったのでしょうね
ですが、日本での運用に於いては話が別です
特にポケット艦隊による洋上防衛線の形成を考慮した場合、陸上戦力との連携は大きな意味を持ちます
なにせ洋上の空母から発進したF35が観測機器がとなって海岸線に設置された地対空/艦ミサイルを誘導できるとなればその恩恵は計り知れません
ネットワークの形成も艦隊ネットワークを中継する事で解決可能ですし、場合によってはF2が運んで来た超音速対艦ミサイルを誘導できる可能性もあるでしょう
勿論、その為には地上設備の火器管制も含めた大規模なネットワーク構築が必要ですが、F15を改修してミサイルキャリアとして運用できる位ですので技術的な可能性は高いと思われます
ここで問題になるのは当のアメリカがどう考えているかですが…
実は結構、乗り気になる可能性は高いと思います
その理由は海外領土です
実はアメリカってグアム以外にも太平洋に結構な数の海外領土を所有しているのですよ
中国共産党が
太平洋の半分よこすアル!
って言って以降、アメリカにとってこの海外領土の防衛は結構頭の痛い問題になっていると思われます
何故なら、太平洋上の極めて広い範囲に分布してるから
しかも結構数が多い
全ての海外領土に艦隊駐留させるのは如何にアメリカでもチョット無理そうなんですよね
そこで出てくるのが、F35と地対空/艦ミサイルを組み合わせたミサイルオフェンスシステムな訳ですよ
そもそも日本の列島戦防衛と言うのが異常なんですよ
だって線ですよ?"線"
世界地図上で認識出来る位長大な防衛範囲!
だから複数のポケット艦隊回遊なんて発想になるんですよ
ですが、アメリカの海外領土は基本的に"点"なのです
勿論、諸島も有るのですが基本は"点の防衛"なのですよ
そして、このミサイルオフェンスシステムはこの"点の防衛"と極めて相性が良いのです
しかも"点の防衛"の場合、基本的に艦艇を介在する必要がない
島の空港からF35を飛ばし、それを観測機として島に設置された地対空/艦ミサイルで
直接敵艦艇を攻撃する事が出来るからです
これはつまり、島そのものを簡易的な要塞に出来るって事です
中国も南シナ海の人口島でやってますよね
実際、最近のニュースにも米軍が地対艦ミサイルに興味を示しているという内容のものがありましたが、この米軍の手のひら返しの背景にはその様な事情があるのかな?と愚考しています
そして、このF35と地対空/艦ミサイルの組み合わせはアジア近海の安全保障に極めて大きな影響を与えるかも知れません
特に、今後の台湾情勢如何によっては台湾防衛の切り札としてこのミサイルオフェンスシステムが登場する可能性は有ると思います
何方にせよその有効性の検証も含めて試験運用は必要であり、そのテストベットとしてポケット艦隊群は最適ではないかなと思うんですがどうでしょうか?