物語の始まり
【勇者】
誰もが恐れる困難に立ち向かい偉業を成し遂げた者、または成し遂げようとしている者のこと。魔王を倒すことの出来る希望。
【戦士】
戦をする士者、戦場で活躍する者のこと。様々な武器を扱うことに長け、戦闘の最前線に立つ。
【魔法使い】
魔法を使う者のこと。攻撃呪文だけでなく、補助呪文も巧みに使いこなし、仲間をサポートする。
【僧侶】
神に仕え、癒しの能力を使う聖職者のこと。回復魔法だけでなく、神聖魔法も使うことが出来る。
今から千年前。
勇者は仲間と共に魔王を討伐し、世界に平和を齎した。その戦いの凄惨さは、大地に大きな傷として記されることとなり、史上最大規模の戦争として、後に〝勇魔大戦〟と呼ばれるようになった。
そして、千年もの年月が経ち、魔王や魔物などは、御伽話や空想上の生物とされていた。悪いことをすると、魔物になるぞ――そう囃しながら。そんな平和な日々が続いたある日のことだった。
世界は突如として暗闇に飲み込まれるようにして包まれた。それは、誰の目から見ても明らかな異変であり、何が起こったのか――皆それを確認しようと天を仰ぎ、目に見えない恐怖を感じつつ、怯えていた。
すると、どこからともなく、地響きのような唸り声が響き渡る。まるで、世界中の人々に否応無しに何かを伝えるかのように。その唸り声からは、怒り、恨み、嫉み、怨嗟、憎悪、自棄――あらゆる負の感情が爆発したかのようであった。
そして、その唸り声が途絶えるや否や、天を覆っていた暗闇は薄れ、次第に消えて行った。今、目の前で起きていたことを理解出来た者は多くは居なかった。それどころか、世界に起こりつつあった異変に気付いた者すらほとんどいなかっただろう。
ただ、異変に気付いた数少ない一人に国王がいた。
【魔王】
魔界、魔族、悪魔や怪物の王。魔物と呼ばれる軍勢を配下に置き、強大な力を駆使して、世界を支配している。