表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クリエーター  作者: 如月灰色
《第四章 人の業》
85/121

~第七十四話~掃討戦

ども。さっき某作者さんの小説を書くにあたって的なところ開いて見てました。正直へこみました。あかんことばっかやってるやん、オレ。どうせオ○ニー小説ですよ!いいもん!二十○歳のおっさんがいいもんとか…。でも、本当にこんな小説読んでくれて、ましてお気に入りに入れてくれたり感想くれたり評価してくれたり…本当に、本当に有難う御座います。

「うおぁぁぁぁぁ!!」


 白夜が駆ける。その身に数百では利かない銃弾を受け、それでも尚ひるまず、その両手の剣を振るい圧倒する。その後ろには、夥しい程の死体の山が出来上がっていた。


「続けーっ!一人も残すな!敵を逃すたび、我らの後ろの護るべき者達の血が流れるものと思え!」


 ラスティンさんの咆哮が轟く。前衛騎士団第三部隊が散開し、バラバラになった敵を斬り伏せていく。


「ボク達も!魔力尽きるまで!みんなを護るのです!怪我人には一刻も早い治療を!」


 デンゼルが叫び、その両手に握った身の丈を遥かに越える大剣を振りかざす。その切っ先に、幾重もの雷が落ち、カーテンのように獣人達を包囲する。


「全員出すぞ!お前達で皆を護るんだ!僕から離れてもいいから、なるべく多くの敵を再起不能にするんだ!僕が命令する!殺せ!」


 十二宮を全員召喚する。男性陣は勇ましく猛り、戦場を縦横無尽に走る。


「アキラ…」


「マスター…」


「アキラ殿…」


 僕の従者の中の古参の三人、レオとアクアリウス、タウルスが物憂げな面持ちを向ける。人間を攻撃することでの僕のメンタルを心配しているのか、それとも単に今まで見守って来た者達に攻撃することを嘆いているのか…。


「…言ったろ?総攻撃だ。情けはかけるな」


「でも!マスターの…」


「構わない。大丈夫。ヒトを殺す躊躇いより、こんな酷いルール違反した同属の恥に対する怒りのが勝ってるから」


「アキラは…本当にそれでいいのか?もしアキラが直接迎撃していることが分かれば、向こうの世界でのアキラだって…」


「だから構わない。それに、僕がいることがバレた方が好都合だ」


「…?」


「これだけ強大な同属を敵に回すことの重大さを、連中と交渉するときの判断材料に出来る。それに、実際その光景を僕が見てきたと証言の裏づけが出来る上に、各国の首脳陣に対する脅しにも使える」


 辺りで悲鳴と怒号が絶え間なく聞こえる。これだけの乱戦だ。味方にも相当の被害が出ているだろう。


「よし!わかったら行け。レオ!緑竜のときみたいなフィードバックの心配も今は無用だ。ほとんど影響ないし。タウルスも、こないだ僕を殴ったときみたいな手加減は無用だ。殺せ。アクアリウスも、主人の命令だ。一切情けはかけるな。あんな攻撃ごときでダメージを受けないお前らが戦うことで、この戦いで流れる血を最小限に抑えられるんだ。お前らの主人を…また護れないことで悲しませないでくれ」


 最後の一言が効いたのか、三人が険しい顔で戦場に向かう。奥を見ると、キャンサーとかアリエスあたりが血を浴びながら嬉々として敵を狩っている。いやぁ、好戦的な性格のやつはこういうときに頼りになる。

 そして…僕もここでのうのうとしているわけにはいかない。思い知らせてやる。僕は…お前らみたいな人間の味方じゃないってことを。大剣をしまい、手元に転がっているウージーを手に取る。同じく死体からちょうどいいサイズの服を剥ぎ取って着る。どこからどう見ても敵の友軍に見えるだろ。


「主、それでは防御力が…。誤認攻撃をされる危険性もあるではないか。そんなリスクばかりのことを何故…」


「敵の指示系統を混乱させる。やつら無線かなんかで連絡を取り合ってるはずだから、味方に裏切り者がいると思って、間違いなくぐちゃぐちゃになるぜ。そういう情報はすぐに伝わるからな。そういう工作の方が、後々影響でかいのさ」


「しかし、主が攻撃を受けた場合…」


「なに、繊維を修復するくらい造作もないよ。それに、バルゴーを同行させる。防弾チョッキで庇いきれないところは、バルゴーに逐次回復させるさ。最初からちっちゃいバージョンで少しずつの回復なら、影響ないだろう?」


「適当であろうが、なぜそなたの勘はこうも当たるものか…」


「……これが…創造主の『実現力』か…」


 僕の胸ポケットにバルゴーちっさいバージョンが収まると、参戦しに走る。

 …っと。一つ大事なこと忘れてた。


「アスクレピオス!デンゼルたちの魔力回復は任せたぞ?」


 僕の隊の陣の中心に、心配になるレベルに病弱そうな男が現れた。


「貴方…いつから知っていたのですか?」


「なに、十二宮が呼べて、十三番目のお前が呼べないはずがないだろ?」


「本当に…今まで傍観していましたが、本当に規格外ですね、貴方は。わかりました。引き受けましょう」


 ニッと笑うと、顔を引き締めて再び前方を向き、思い出したように地中に潜る。正面から行っては、こっちサイドの人間だとまるわかりだ。まぁ乱戦だから気づかないかもしれないけど、注意はしすぎることはない。土属性の天然の土竜爪で掘る!掘る!掘る!


「…アナタは後衛のはずでしょうに…アキラさん」


 デンゼルの呆れた声が聞こえたような気がしたが、キニシナイ。




 作戦は、見事過ぎるほどに成功した。死体が転がっている地点をサーチして、その下から僕登場。そして、錯乱したかのように銃乱射。どこぞ映画じゃないけど、快…感…っ!良心の呵責?人を殺すことに対する躊躇い?ないない。だってこいつら、この世界を汚した時点で敵だもん。同情の余地も情状酌量の余地もないない。それでもやっぱり攻撃は受けるわけで…その度に、


「全く、なんという無茶を…。それともただの馬鹿なのか」


 バルゴーが治してくれる。最初から小さいから、サイズが変わることもない。ちなみに味方に当たらないように、ケンタウルスから必中の魔眼の魔力を少し分けてもらってたり。短時間だけど、その時間内に引っ掻き回せればいいんだし。勿論味方からの誤爆もあるけど、僕の存在が味方のブレーキになったら元も子もないから、特にリアクションせずにこっそりバルゴーに回復させている。


「ヒャッハーーー!!汚物は消毒…」


ーーー主、ソレ、チガウ。


 気にしない気にしない。つうかやっべ、楽し…。敵さんが口々に何か叫んでいるが、気にしないでパラララーっと。うん、ダメージ気にしなくていいっていいな。これから採用しようかな。


「…ってアレ?」


 地上の物質は全て有限である。安易に無から有を作り出すことは出来ず、魔法の世界も魔力というものを消費し、等価交換として奇跡を生み出す。…つまり、単に弾切れなわけで。


「貴っ様ぁぁぁ!!」


 的なことを言ってるんだろうけど、


「わっかんねぇよおおお!!!」


 好機と見たか周りの量産型敵さんが銃を向けるが、こちとら武器は銃だけじゃねぇんだなコレが。


「残念賞ぉぉぉ!!」


 敵の直下から土槍を練成して、一気にブワァっと。これはヴラド公ももびっくりな串刺しっぷり。周囲に奇妙なオブジェの林が出来た。


「…秘儀、日本語でおk」


「主、ふざけっぱなしではないか」


「いやぁ、気に食わないやつらを無双するのって楽しいね」


「人間は半分天使半分悪魔と言うが…こういうときの主はマジ悪魔だな」


「大丈夫、大罪は含んでないから」


 七つのはね。普通に殺人罪っつうか快楽殺人に近いところもあるんじゃないかという突っ込みはあると思うけど、ここは戦場だし。人殺すところだし。ほら、こういうとこで活きる人もいるわけで。人斬り以蔵とか。

 視界を広げてみると、十二宮の連中も白夜もラスティンさんも派手にドンパチやってるみたいだ。少し離れたところに、デンゼルの雷カーテンも見える。つうか結構範囲広がってんのな。他の部隊も見えるし。全容を見ると、九割方こちらが押しているようだ。敵の数はかなり減っている。それを数の暴力で圧倒し、そこが片付いたら他のところに救援に行く。いいスパイラルだ。怪我人こそ多く出ているものの、こっちの頭数はほとんど減ってないようだな。銃弾の嵐は脅威だけど、急所に当たらなければどうってことはないという、かなり無茶な僕の助言が功を奏している…のかな。実際人間ならそうもいかないけど、こっちは人間よか頑丈なエルフだし、回復役いるし。ようし!もいっちょやるかな!




「…お前は逃がしてやる」


 ゲート付近に拡大した総軍かけたガチンコ戦は、とうとう人間側を追い詰める局面まできた。その背後にはゲート。七つの大罪どもが作ったせいか。それを構築する魔力は禍々しい。正直、近くにいるだけで軽い吐き気がするんだけど、たぶんこいつらは気づきもすないんだろうなぁ…。元々を魔力を感知する感覚器官なんてないし。


「ーーーーー!!」


 ここまで運良く生き残った職業軍人が何か喚いているが、ぶっちゃけ何言ってるかわかんない。ダービー!通訳!


「死にたくなければ今すぐここから去れ!そしてその無様な戦果を泣きつくんだな!」


 おっと、白夜に先越された。つうかお前、外国語話せんの?


「俺が外国にいたこと忘れたか?それに、これは英語じゃないか。わからなかったか?」


 白夜に言われて、足元の死体についてるドッグタグを首からひったくる。ふむふむ…なるほど。アノ国の地名か。自分で同じ服着といて気づかなかった。


「どうやらそこだけじゃないようだけどな」


「白夜、どういうこと?」


「多国籍軍ってことだ」


 白夜が忌々しげに吐き捨てた。たぶん、紛争で散々見たくもない現実見てきたんだろうなぁ…。しかも、今回と似た状況の。


「お前ら、人間だろう…?何故化け物の味方をするんだ…?」


 一人の軍人が怯えた表情を浮かべながら、尚も聞かずにいられないように口を開く。


「ふんっ!」


 血糊がベットリついた輝くトラペゾヘドロンを、無造作に振り抜いた。その軍人の首が綺麗に跳ね上がる。


「…お前らみたいな人間の方が、よっぽど化け物だろ。大統領に伝えろ。エルフの国のお前らの同胞が、あのときお前を消さなかったことを後悔している、と。そして…すぐ迎えに行ってやる、ともな」


 剣を向けると、へたりこんでいた軍人数人が脱兎の如くゲートに逃げ出した。


「…むんっ!」


 セラトリウス団長が、太極図を掲げると、そのゲートはそれに吸い込まれるように霧散した。わざわざ、敵に入り込まれるような隙をそのままにしておく手はない。僕もそう思う。


「アキラ殿…」


「わかってます…」


 足元の死体の襟元に国旗が縫い付けられているのを見つけ、毟り取る。…なるほどね。


「アキラ、俺の方で三カ国分発見した」


 白夜が僕に数枚の布切れを渡す。どれもこれも、紛争が続いている、日本から離れた国のものだった。


「…サンキュ」


 それを握り締めると、無造作にポケットに突っ込む。宣戦布告はした。大義名分も充分にある。後は…。


「あっ」


 僕は大変拙いことをしてしまったかもしれない。


「アキラ、どうしたの?」


 今回の作戦で終ぞ接点がなかったカイムが、いつもと『ほぼ』変わらない笑顔を向ける。やはり初めて見る未知の兵器との戦いに、こいつもかない消耗したらしい。


「セラトリウス団長!」


 カイムの質問に答える代わりに、団長に進言する。


「なんじゃ急に…」


「白夜の処分、待ってもらえませんか?ついでに、明日に向こうに行く許可を!」


「なんじゃ藪から棒に」


「あいつらに最後に言い捨てた時に、僕のことを、敵の頭が特定出来る発言しちゃいました。もしかしたら、向こうの家族が危ないかもしれないんで」


「はぁ…肝心な所が抜けておるな、ホント。良い。行って来い」


「有難う御座います」


「アキラ!俺は…」


「お前は牢にでも入ってろ」


 あー…マジやらかした。

晶目線で、結局周りとのリンクがないまま掃討戦やっちまいました。だって状況的に晶単体が一番いいんだもん…。他の人と連携とると不自然な状況だし。それと、ゲイボルグの性能を今日初めて知りました。チートだなぁと思うと共に、これ使えんだろーがぁ!って叫びたくなるようなものまで…。ガラム、頑張って活躍して、それを書かせてくれ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ