登場人物紹介《護国騎士団編》
ども。三話またぎで紹介続きです。初まりの者たちは別にやってしまったので、騎士団の他の人の紹介です。あっ、アレン王子もやってたか。
《キュートス国護国騎士団》
キュートス国の軍にしてセラス最大の兵力を持つ。現国王キート=ベイン三世が『騎士王』と呼ばれる所以も、直接兵を率いて護国騎士団の隆盛に強く関っていることによる。騎士団は、身体能力や武器を扱う繊細さで、フィジカルでの直接攻撃に長けた騎士団と、明晰で、魔法補助や魔法攻撃に長けた魔術師団に分かれる。更にそれぞれ前衛後衛に分けられ、その属性を元にさらに分隊に分けられる。しかし魔術師団でも部隊長クラスになると、(本来は魔法媒体の)武器の特性から白兵戦に出る事も少なくない。
ちなみに大魔導士や歴史に名を残す者は、ほぼ魔術師団から出ているという若干騎士団にとっては不憫な事実もある。これはエルフの社会…キュートス国が魔法に対して重きをおいていることに所以する。勿論、獣人族のコミュニティのように単純に強い者が特別視されているところもある。
入隊は志願制で、騎士団養成の学校もある。施設はキュートス城のすぐそばに建っていて、城から軍部庁舎を挟んで反対側には演習場もある。更に特別棟や宿舎、食堂や資料室、図書館等設備は充実していて、団員は建物内で主な生活をするものがほとんどである。
騎士団はキュートス国の花形であり、訓練の厳しさに脱落する者も後を絶たないが、隊長格など名前が売れている者は城下では特に人気があり、姿絵やグッズ等が販売される者もいる。キュートスは意外に俗っぽい国。
《騎士団》
・キート=マドラ=グランダル
『属性』雷
『装備』ミョルニル(槌)
『所属』護国騎士団
『役職』護国騎士団騎士団長
『種族』エルフ
前騎士団長で、現国王キート=ベイン三世の実兄。筋骨隆々のその体躯は、とてもエルフには見えない。歴戦の勇者で、弟のベインと共に護国騎士団の隆盛に一躍買っている。原初の世界に因縁があるわけではないが、ただのエルフにしてその存在を超越した者。相棒のミョルニルは雷帝トールの所有物にして、最強の武器の一つ。その重さは単位では図れず、マドラの魔道資質によってしか扱いきれる物ではない。騎士団に入団する前は冒険者紛いのことをしていて、単身でガラリオン山脈に上り竜を討伐。大魔導士にも並ぶ最も名誉のある称号竜殺しを持って凱旋してきた。最初はその豪胆で豪快で適当な性格からホラ話にされかけたが、その竜の首を直で持ってきたことから間違いないとされた。同時に、この男なら何をしてもおかしくないという共通意識を持たせたエピソードでもある。
初めは晶をエルフでないただのひ弱な人間と決め付けていたが、ただの余興の私合(試合)で興味を持ち、緑竜の森にて晶の真価を認める。また、晶とグレン・ガラムの試合を嗅ぎ付けて好戦的な性格が故テンションが上がり、世界蛇ヨルムンガルドしか耐え切れなかったというミョルニルを晶達に投げつけるというお茶目でおっちょこちょい☆な一面も持つ。
ウラヴェリア討伐の任務に際して、晶とグレンの魔道爆発の煽りを受けてダメージが癒えぬ間に、後ろから白夜の剣を受け、倒れる。その間際に雷属性の補助魔法、細胞筋力。神経伝達のオーバーヒートにより白夜に捨て身の一撃を当て、白夜を昏倒させた。その時の接触で白夜の脳内電流が流れ込み、白夜の過去や思想、本来の姿を知り、白夜に晶と和解するよう促すと共に、覚醒のきっかけとなった。最期は晶の腕の中で憎まれ口を叩きながらも晶に本心を告げ、目を閉じた。享年百十五歳。
名前のモチーフはかき混ぜ棒のマドラーと、聖剣デュランダルから。
・カルバン・ヴェル・コーチ
『属性』氷
『装備』???
『所属』護国騎士団
『役職』騎士団総括~護国騎士団騎士団長
『種族』エルフ
マドラの死去により、護国騎士団の統括から騎士団長に推挙された。この組織での統括とは、それぞれのトップ、騎士団長と魔術師団長の意見意向などをまとめ、それを元に以下の団員に徹底させる云わば補佐役。前団長のマドラが好き勝手やっているように見えたにも関らず、組織が機能していたのはカルバンの働きが大きい。マドラ程豪気でインパクトはないが、堅実で冷静沈着で仕事は雑務まで完璧にこなす精密機械っぷりは、団員の信頼も厚い。気分やモチベーションによる浮き沈みがない為、敵に回すとこれ以上無いほど厄介な相手。特別突出しているところがあるわけでもないが、全体的にハイスペック。団長は例外なくオリハルコン製の神話級の武器を持っているので、彼もなにかしら持っていることは間違いないが登場は未定。
スラッと背が高く、神経質そうな印象を受ける。原理は不明だが、方眼鏡をかけている。髪は蒼白のオールバック。年齢は若く七十前後。
名前のモチーフはカルバン・クラインとヴェル・サーチ、コーチを合わせたものだが特に深い意味はない。別にブランド指向ではないが、作者はグッチのベルトとカルティエのライターが欲しい。
・ラスティン
『属性』雷
『装備』バスタードソード
『所属』護国騎士団
『役職』前衛騎士団第三部隊長
『種族』エルフ
全身に傷跡残る、キュートス歴戦の戦士。強面の外見に似合わず、子供好き。幼い頃流行病で両親を亡くしている。その経歴から、戦場で非情に徹することの大事さを知っている。年齢は七十歳前後だが、貫禄がある。
・ジュダイ
『属性』風
『装備』加護済みのフォルシオン(ミスリル)
『所属』護国騎士団
『役職』後衛騎士団第二部隊長
『種族』エルフ
『風のジュダイ』というなんの捻りもない二つ名を持つ部隊長。比較的温和な人物で、晶とも交流がある。
襟足を伸ばした短めの金髪に、騎士団の基本装備である白銀の鎧をずっと愛用している。年齢は五十歳前後。
《魔術師団》
・セラトリウス=ナル=ルーシ
『属性』無
『装備』大極図(水晶型武具)
『所属』護国騎士団
『役職』護国騎士団魔術師団長
『種族』エルフ
二世代の間護国騎士団を支えてきた大魔導士。その属性を持つだけで歴史に名を残すことが約束された『独立属性』の、『無』を持ちそれに恥じない功績を残してきた。現在の護国騎士団のスタイルは、セラトリウスが確立した。頭脳明晰で、だがしかし状況によっては自ら進んで矢面に立つ。かつてはギランの盟主、ウラヴェリアと死闘を繰り広げた事も。面倒見が良く、部下に寛大なところもあるが、それ故年少のマドラや晶にあまり敬意を持たれていない…とういうより、いいように振り回されている苦労人。堅物で常識人と思われがちだが、西の草原の獣人族の長を博打で嵌めるという下衆い一面も。現在は後進の教育に力を入れ、晶たち愛弟子の成長に心から喜んでいると共に、高齢ゆえの身の振り方も考え始めている。
戦闘スタイルは主に後方支援。『無』の能力と、相克、相殺の宝貝『大極図』による敵攻撃の無効化、吸収がメイン。しかしその攻撃の特性が、魔法や魔術の類の側面が強いものしか効果を発揮しない。すなわち、物理的側面が強い攻撃は無効化出来ない。しかしそれは武具を使った戦い方にすぎないので、『無』属性の特性である、他の属性魔法の『模倣』することで敵を圧倒している。あらゆる属性の魔法を『模倣』することが出来るが、それを極めることは出来ない。また晶の『時』や白夜の『闇』など、独立属性は『模倣』出来ない、
顎鬚を長く伸ばしていて、総白髪で禿げてはいない。年齢はキュートス最高齢で二百歳前後。イメージはハリーポッターシリーズのダンブルドア校長。
名前のモチーフは『なにもない』という意味のナル記号と、老子から。セラトリウスはタイプ時の打ち易さと語感から。
・ルバート
『属性』雷
『装備』ツヴァイハンター(大剣)
『所属』護国騎士団
『役職』前衛魔術師団第一部隊副官
『種族』エルフ
いつも何事にも興味なさげな態度だが、任務中は優れた分析能力と冷静な判断力でガラムを補佐する副官。珍しく富裕階級の出身で、それもありガラムの懐刀として可愛がられている。デンゼルとは同期で同じ属性なこともあって仲が良い。
戦闘時は巨大な剣、ツヴァイハンターを避雷針代わりにして敵陣に巨大な雷の雨を降らせる。また、ガラムとの連携で雷によって生じた高度の熱量を敵に放ち、ガラムの作り出す超低温の空間で生じた磁場でコントロールし、相手を蹂躙する。
自分の容姿に頓着が薄く、いつも寝癖頭。痩せ型だが、骨格はがっちりしている。年齢は四十歳前後。
・ガロン
『属性』水
『装備』鉄拳
『所属』護国騎士団
『役職』後衛魔術師団第二部隊副官
『種族』エルフ
寡黙で、心を開いた相手にしか滅多に声を発しない。幼い頃エルフでは珍しい黒髪であることから迫害紛いの行為を受け、親からも虐待を受けていたことによる後遺症だが、その環境から脱却しようと騎士団に入団し、そこでシーリカと出会う。その中には勿論ガロンをいじめていた子供たちもいたが、彼らが訓練について行けずに辞めていくなか、ガロン一人だけ残ったことが自信にも繋がり、今の地位を得た。
得意分野は水を形状固定化しての壁の生成や瓦礫除去など大作業で、裏方に回ることが多い。得物の鉄拳はメリケンサックのことで、相手に当たる部分には鉄製の太く鋭利な突起が付いている。
長身で、前述の通り黒髪。渋い外見をしているが、実は弱冠四十五歳。
・デンゼル
『属性』雷
『装備』ツヴァイハンター(大剣)
『所属』護国騎士団
『役職』後衛騎士団第三部隊副官
『種族』エルフ
前衛魔術師団からコンバートされ、殉職したココの後任を務める。晶の部隊は属性に囚われない雑多な混合部隊とされている。それゆえ、後衛でありながら遊撃部隊としての顔も持つ。
仕事を全て完璧に近いクオリティを誇るがカルバンのように怜悧な印象もなく、どちらかというとカイムのようにいつも微笑を絶やさない。が、どうしてもその笑顔が胡散臭く、たまに見せる鋭い眼光がデンゼルがただのお人好しでないことを証明している。同期に、前衛魔術師団第一部隊副官のルバートがおり、たまに飲みに行く仲。型破りな行動が多い晶を密かに心酔しているが、その胡散臭さで信じてもらえないある意味可哀想なキャラ。
オールラウンダータイプだが、ツヴァイハンターをルバートと同じく避雷針代わりにしての、雷のカーテンによる壁の生成と、電気信号による細胞活性での治療を得意とする。特に雷の壁は一分の隙も無く、並みの相手では攻略不可能なほど。
金髪セミロングに、糸目。たまに開く。年齢は四十歳前後。
名前のモチーフは、FF7スピンオフのデンゼルから。
意外と人物多くて苦労しました。ジュダイさんが不憫…とお思いかもしれませんが、一番不憫なのは項を書くギリギリまで忘れられていたガロンさんです(笑)