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クリエーター  作者: 如月灰色
《第三章 楽園》
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~第六十二話~デンゼルの失態と旅の道連れ

溜まっていた修正、やっと消化しました。ここまで多いとマジで疲れた…。そして話数こないだ修正しますたって言ったけど、全然ずれっぱなしでした。なんというミス…。あと五十七話の『カリカリと減っている』の件で質問がありましたが、アキラの保有魔力と消費魔力を相対的に比べて、ガリガリまではいかないだろうなぁ…ということで軽めに伝わればとカリカリと表記しました。わかりづらくて申し訳ないですorz

マンティコアの襲撃が終劇して、一路火山へ。本当は行きたくないんだよなぁ…。鳥苦手。


「ヤー!ヤー!」


 上着の中に入れてたマンティコアの幼獣がひょこっと顔を出す。たぶんマ行とかナ行が発音出来ないんだろうな。唸ることは出来るっぽいけど。ベースが猫科だから愛くるしいことこの上ない。


「おー。腹でも減ったか?待ってろ、お前にも食えそうな物出してやるから」


 バッグの中身をゴソゴソ漁る。たしか出立前にエリーから貰ったクッキーもどきがあった気が…あった!


「ほれ」


 小さく割って口元に持っていくと、前足を使って器用に食べている。


「和むなぁ…可愛いは正義」


 愛猫と一緒についでに僕ももそもそと食べる。この甘さは蜜か?わかっているじゃないかエリー。帰ったら頭を撫でてやろう。


「頭を撫でるのはいつもやっておるだろう」


「エリーが喜ぶならご褒美には変わりないだろ?元手もかからんし手間もかからん。低コストな実にいい子じゃないか」


「ふんっ!色ボケが」


 隣…から少し離れたところを歩くガラムが悪態をつく。やっぱこいつ気に食わない。


「守る者がいる人間は強いんだよ、ガラム」


「綺麗事ばかり並べやがって。虫唾が走る」


「まぁ童貞にはわからんだろうな」


「どっ、どどど童貞ちゃうわ!」


 はいはいテンプレテンプレ。


「許婚がいて、更に婚前交渉は禁止なんだろ?お前んち。情報は割れてんだ、無理すんな」


「大体一国を統べる王家の貞操概念がそんなに甘くてどうするんだ…。それもこれもあの男が国王になってから…」


「はいはい、これ以上は止めような?その不敬罪まがいの発言は僕の胸の中だけに留めておいてやるから。…貸し一な。いや、さっきの件も含めて貸し二だ」


「さっきのは俺様を侮辱したにも関らず、なんのお咎めも無しにしてやったんだ。プラマイゼロだ」


「僕がお前の矛を収めてやったんだろ?」


「主、まさかあの瞬間に○ソミソテクニック的なやりとりがあっ」


「ねーよ!誰得だ。曲解しすぎだろ」


「なら今その下劣な指環と一緒に葬ってやろうか?」


「護衛対象を葬ってどうすんだ。馬鹿かお前は」


「貴様っ…!」


「ねぇルバート」


「どうしたデンゼル?」


 副官二人が顔を見合わせている。なにやら小さくて聞き取りづらい。


「あの二人、実は仲いいんじゃない?」


「奇遇だね。俺もそう思ってたんだ」


 なんでそこだけはっきり聞こえるんだよ。確信犯かお前ら。


「「断じて違う!!」」


 …心外なことにハモりやがった。


「「真似すんな!!!」」


「………ハァッ…」


 ダービー、溜息つきたいのは僕の方だ。




 道中色々あった。また性懲りも無く僕に突っかかってきたガラムが、八つ当たりに蹴っ飛ばした木の根が実は木の根じゃなくてマンドラゴラで、運悪く抜けてしまいよもや全員死に掛けそうになるというアホなアクシデントがあったり、僕をして完璧パーフェクト超人と言わしめるあのデンゼルが簡単にドライアドの魅了チャームに落ちかけたり、


「アキラさん、その話はホントもう止めましょう。全く…女性の色香にやられるとはどうかしてる…」


「その割にお前、ルバートが的確にこめかみ(テンプル)を殴るまでノリノリだったじゃん」


「あの…アキラさん…」


「まぁ、いーんじゃねぇか?僕とエリーだって種族は違うけど上手くやってるし。お前に木の中で何百、何千年も添い遂げる覚悟があるならな」


「勘弁してください…」


 まぁ、一番アレなのはグレムリンどもだったけどな。最初はなんか着いて来る気配あるなぁ程度だったけど、一個体あたりの魔力が小さかったから放置してたんだ。…と思ったら見事に嵌まったよ、落とし穴。なんと古典なと思ったけど、いざ嵌まってみると思った以上に深くて驚いた。つうか、自由落下だけで底に設置してある禍々しい物に刺さるレベルの深さ。流石に懐からマンティコアの幼獣…なげぇな。マンちゃんが…


「主卑猥」


 黙れ。マンティコアなんて文字抽出したらそれだけで下ネタの出来上がりなんだから、妥協点を見つけるんだよ!…まぁマンちゃんが…


「それなら『黒いケルベロス』なんてどうだ?いい感じに」


 邪気眼も影羅も求めてねぇよ!黒くねぇしケルベロスでもねぇし!とにかく腰を折るな!いいな!


「シュン…」


 シュンとか声に出すなきめぇから。まぁ、なんだ。話を戻そう。マンちゃんが懐から飛び出そうとした時は血の気が引いたけどな。穴から這い上がってから二三匹拳骨かましてやったら、大泣きして逃げ出してその後は命に関るような悪戯はしなくなった。基本的に悪戯以上のことはしてこない連中だから、少しくらいなら目を瞑っていた。小動物可愛いし。…と思ったら賑やかなパーティーが出来上がっていたのは何ゆえ?何ゆえ懐いてるの?


「そのうち貴様の隊旗はグレムリンになりそうだな」


「…薄ら寒いこと言うなガラム。どこぞの熊本の対幻獣小隊だよ。アレは猫だけど」


 まぁ…なんだ。平和に進んでたんだ。この日までは。




「…で、なんで起きたらこんなとこにいるんだ?」


 ボスに時間を飛ばされて無い限りは、今日はこの島に来て五日目のはずだ。そして四日目は森の中で酒盛りして寝たはずなんだ。グレムリンのチビどもが、夜用にチビチビ飲むために持ってきた酒樽にヒビ入れやがって、勿体無いから仕方なくハメ外すかと皆で飲み潰れていたはずだ。ここに着くにはまだ時間がかかるはずなんだ。


「なんで僕だけこんなとこにいるの?どう見ても火口付近なんだけど…」


ーーーブワサッ!ブァサッ!!


 巨大な羽の音と共に、巨大な影が幾つか僕の傍に舞い降りる。目覚めた時はお天道様は高く昇っていたのに、夜と言われても納得出来そうなくらい辺りが暗くなった。うん、悪い予感しかしない。


「主、腹を決めよ…現実を受け入れなければ待つのは雛のエ…」


「雛とか言うなああああああああ!!!」


 もう勢いついでに見上げてやる。見上げてや…る…。


「あっ…え…」


 想像以上の迫力だった。この島に到着した時に見えた物についての確信。ロック、サンダーバード、不死鳥…全部、今目の前にいるでっかい鳥の呼称だ。…鳥ではないけど、ケツァコアトルがいなかっただけマシか…。マシだと思いたくない…。だってさ、だってさ…。


「エグッ…えぐっ…」


「大の大人が泣くな主」


 彼○島から脱出しようとした時の海にいる邪鬼みたいにズラッと並んで見下ろしてるんだもん!!こええよ!マジこえぇよ!!つうかなんでロック鳥もサンダーバードも量産型なんだよぉ…。うわあああああああん!!ガラムでもシーリカでもカイムでもグレンでも、この際鳥大好き香奈子でもいいから助けてくれよおおおおおおおおおおおおお!!!!

いや、実際買った資料のサンダーバードが、こんな感じでマジこえぇんです…。量産型は後付けですが。あっ!そういやダービーみたいなオリジナル神器とかアイテム武器出すかもって最初に自分で言ったやん!ヘル・ブリングを無銘の大剣くらいしか出してないじゃん!!ガラムの武器そうしとけばよかったんだ…orzあと、マンティコアの鳴き声がたけしのこじろーみたいになってますな。偶然です。後書き書きながらふと気がつきました。

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