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クリエーター  作者: 如月灰色
《第三章 楽園》
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~第五十九話~森の奥へ行ったら意外な合流した

白カカオです。大まかなプロットしか構築されてなくて、細かい話の展開がその場で作ってるのでなかなか浮かばない時はしんどいです。でも頑張ります。

 ケット・シー達にしばしの別れを告げ、一路火山…までは行かなくとも森の奥へ。


「主、火山には行かないのか?」


「うん。今の僕には魔鳥どもと渡り合うとか無理」


「そんなことはないと思いますが…」


 デンゼルが首を傾げているが、お前はきっと僕が鳥が苦手なのを忘れている。以前香奈子と『世界の鳥博覧会』なるものに行ったことがあるけど、その時は綺麗な色した鳥達に逆にグロテスク感を覚えて十分で出てきてしまった。…流石にアレは悪いことしたと思ってるけど。でも香奈子は僕が鷺ですら近くで見れないこと知ってたくせに。鶏肉は好物なんだけどなぁ…。


「せめてあいつらの一人でもいれば…。いや、グレンは駄目だな。あの鳥ども軒並み火属性だから歯が立たん。そうなると属性的にガラムあたりなんだけど…あいつは何故か相性が悪いんだよなぁ…」


「俺が何だって?」


「うをっ!?」


 背後からの意外な声に思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。…何故お前が居る?ガラム。


「カルバン団長からの命令でな。一応陰から護衛をするように頼まれたんだよ。…俺も本当はお前の護衛なんかお断りなんだがな」


「あっそ」


「他ならぬカルバン団長のご命令だ。断るわけにはいかないからな。しょうがないから着いてやるよ」


「はいはいさいですか」


ーーー主、相性が悪いのは主の態度にも問題があるのではないか?いつも喧嘩売っておるし。


 だってなんか気に食わねぇんだもん。こいつの選民思想的な部分。


「だから火山の調査もサボるんじゃないぞ?」


「ゲッ!」


 カルバン団長…僕はきっと貴方を恨む。


「でもお前じゃあの魔鳥どもが相手じゃきついんじゃないか?」


「馬鹿め。俺が前衛魔術師団第一部隊長だと知って言ってるのか?」


 何っ!?お前何時の間に昇格してたんだよ!?


「…その顔は本気で知らなかったようだな。お前らがウラヴェリアを討伐しに行ってた時に俺がただ遊んでたと思ったか?その裏で俺の部隊はガラリオンに棲む赤竜レッド・ドラゴンのところに行ってたんだよ。…残念ながら留守中のようで討伐まではいかなかったがな」


「ホントはチキって逃げたんじゃないのか?」


 字面で見えるなら草を生やす勢いで煽ってやる。こいつの顔真っ赤なとこ楽しいんだもん。


「…ふん。そんな低俗な挑発に乗るか。…風に乗りて歩むものよ。応えよ」


 ガラムがいきなり詠唱したと思ったら、紫と緑の煙が集まり一つの槍を形作る。ちょっ!?グレンのレーヴァテイン並に神気がやべぇ。


「神槍ゲイボルグ。更にこいつの元はイタクァだ」


「待て!なんつー厨仕様。ケルトとクトゥルーのハイブリッドとかどういうことだ!?」


 槍自体の気から、こいつがゲイボルグであることは間違いない。普通の良質な武器からはこんな威圧感あるオーラなんて出ないし、他の三人の武器を感じたのもでかい。…つうか、僕も反則級の持ってるけどさ。更にハスターの眷属…ウェンディゴの名でも有名なイタクァで生成とかどういうことだ?


「…納得言ってないようだな。この槍は元々俺の所有物だったらしい。赤竜の財宝庫に転がってた所を回収したんだよ。そして、こいつを手に取った時に溢れてきた記憶の数々が、これが俺の物だという証拠…。これでグレン共に遅れを取らずに済んだというものだ。…なぁ?ノア=キーランス?」


「っ!?」


「こやつ、覚醒者か!?」


 こいつ、僕の前世を知ってやがる。ということはこいつ…ガラムも初まりの者たちか、もしくは敵対者か?


「お前のことも思い出したよ。あの時はまさかしゃべるとは思ってなかったがな、指環の。ヘブンズ・ゲートと言った方がいいか?」


「…どういうことですか?アキラさん」


 デンゼルがいぶかしむ様に僕に詰問する。ガラムのアホめ、簡単にばらしやがって。この場で適当に取り繕うには厳しいぞ?無策過ぎる。


「悪い、デンゼル。後で説明するから、ちょっと待ってくれ。…で、お前は誰なんだ?ガラム」


 一睨みするようにジロリとガラムに顔を向ける。場合によっては、今ここでこいつを始末しなければいけばいかもしれない。


「そういきり立つな。下々の民は隠し事が多くて大変だな。俺のような貴族階級にはわからん苦労だ」


「貴族、主と我の記憶…まさかお前!?」


「気づいたか指環の。俺は詭弁を論ずる者(フィロソフィア)、ガラム=ヘラクトドス。ヘラクトドス公爵家の第一子だ」


 まさかこいつが僕らの仲間だったとは…。なんだこれ?ちょっとあまりに唐突で頭が回らない。


「聞いたことがあります。太古の昔、千年王国という全てが神の元に当統治された国がありました。その中の最も力を持った家…その名が、たしかヘラクトドスだったと…」


「マジか。つうかデンゼル、なんでお前がそんなこと知ってるんだ?」


「少し前、大臣達が古代文献を探し漁っていたことがあったでしょう?その中の資料の一部を知人の関係者に見せて貰ったのです」


 こら、それ完全に情報漏えいじゃねぇか。この国本当に大丈夫なのか?


「お前の部隊にも勉強熱心な部下がいたようだな。どうだ?お前、ウチの部隊に入らないか?雷属性のデンゼル。歓迎するぞ?」


「いいえ、有り難い申し出ですがお断りさせて頂きます。ボクはあくまでアキラさんの補佐ですから」


「ほぅ…アキラ。どうやってこいつを洗脳したんだ?」


「してねぇよ!人聞きの悪いことを言うな」


「人聞きの悪い?お前の性格を鑑みれば妥当な線だと思うがな?」


「おっ前…」


「おっ?やるか?」


「馬鹿め。僕にも輝くトラペゾヘドロンがあるのを知らないのか?」


 大剣を召喚し、正眼に構える。


「面白い…いつぞやの続き、今ここでやろうか?」


「なぁ、お主ら。なんだかんだ言って実は仲いいのではないか?」


「ボクも同感です。いたら喧嘩ばかりだけど、いないならいないで寂しいとか」


「「そんなことあるか!気色悪い!」」


「おー。一字一句ハモった」


「真似すんな!」


「貴様こそ!」


 互いに無駄に一触即発の空気が流れる中、一匹の空気が読めない乱入者が木々を縫って空から下りてきた。


ーーーグルルルル…


「…ガラム」


「なんだ?」


 互いに視線も体制も変えずに会話する。


「とりあえず、一旦休戦しないか?」


「お前と意見が合うのは全く遺憾だが、同感だな。任務がわざわざ来てくれたようだしな」


 ガラムの正面、僕が首だけ後ろに反らすと、一体の大きな獣…ライオンのようで尻尾に蠍のような棘を生やしたマンティコアが唸りを上げていた。

ここでガラムと出すとは私も想定外でした(笑)そしてガラムの武器、考えた結果がこれだよ…。まだ頭が固いようです。

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