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クリエーター  作者: 如月灰色
《第三章 楽園》
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~第五十八話~和解と協力

白カカオです。ここ数話のサブタイの話数間違えてたてたので修正しました。で、修正してて気づいたのですが、もう結構な話数いってますね…。このペースの進行度だと、たぶん完結は二百話まで目安になります(笑)閑話とか挟めば更に…。ジャンプでも数年連載するレベル(笑)

 ゴーレムに潰されて泡吹いてるケット・シーに治癒の魔法をかけてやる。戦闘終了と同時にこちらの迎撃態勢を解いたのが良かったのかもしれない。陰からの、おそらく他のケット・シー達の他の隊員に対する攻撃は止んでいた。つうか、隊長が攻撃されてるのに何一つアクションを起こさない部下とは何なのか…。


「信用されておるのだよ。いいことではないか」


「普通あのレベルの矢を喰らえば死ぬって。僕が時魔法持ってなかったらハリネズミだぞ」


「それはもう周知ではないか。いざとなったら体を構成する分子を変異させて硬化という手も考えておったのではないか?」


「いや、そんな変異させればとんでもない負荷かかるし却下してた。そもそもそれは錬金術に近い分野だし、僕の魔術が出来るのは近い原子にしか変えられない」


 だからわざわざ地中をアナライズして銀とか探したりしてたんだし。それが出来りゃもう何でもありだろ。


「あの…」


「んっ?」


 気絶から目が覚めたケット・シーが恐る恐る声をかけてきた。


「その…有難うございましニャ。私、貴方を襲ったのに殺さないどころか治療までしてもらっニェ…」


 この種族は語尾がデフォルトでニャ行になるのか…い段とかは結構苦しそうだけど。つうか女の子か?この子。若草色で狩人のような服装は、それで性別を判断するのは難しい。顔は…猫だし。


「気にすんな。こっちは元々略奪するつもりとか敵意とかはなかったし」


「それはますます申し訳ないニャ…」


 おっと、それはそうか。


「私はケット・シーのミーニャニャ。警備をしてたらたまたま貴方達を見かけて、武装してあったから侵略者かと思って攻撃ををしてしまった次第ニャ…」


「僕はアキラ。キュートスの騎士団長からこの島の調査の任を受けて来た。別に危害とか加えるわけではないから安心してくれ」


「キュートス…いいところだニャ。随分繁栄していると聞くニャ!みんにゃ!出てきて大丈夫だニャ!」


 おおっ!ぞろぞろと出てくる出てくる!二足歩行の猫達が。個人的にはペットに服着せるのは反対だけど、これは可愛い。


「これはキュートスの騎士様。とんだ無礼、許してくれニャ」


 中から歳のいった猫が前に出る。


「いや、もとより驚かせたのはこっちだから…って、尻尾二本生えとる!?」


「ワシも歳じゃからニョ」


 ケット・シーと猫又のハイブリッドとかすげぇな。


「ワシはケット・シー族の長老、ニャ太郎ニャ。改めて歓迎するニャ」


 ちょ、ニャ太郎って。太郎て。なんでいきなし日本風なんだよ。吹きかけたわ。でも、ウォーレンの時より簡単そうで良かった。


「ご好意、痛み入る」


「この先にケット・シー族の集落がある。そこで茶でも飲みながら話そうニャ」


「じゃあ、お言葉に甘えようかな」



 それから歩くこと数分、木々の上に小さい小屋が建てられた集落が見える。これがケット・シーの集落か。部隊員も、なんとなくテンションが上がっている。


「…して、此度はどのようなご用件でこの島に来たのニャ?」


 流石に猫サイズの家に入れるはずも無く、外で茶を貰いながらニャ太郎…長老と語らう。


「アララギ島の調査でね。それと、ついでに部下の訓練も兼ねて」


「そうか。我々はいいお相手になりましたかニャ?」


「いや、全く」


「そこまで言い切らなくてもいいではないニャ…」


 長老がそこはかとなく肩を落とす。


「はっきり言って、いきなしゴーレムは反則過ぎだろ!?僕がいなかったら正直どうなったかわからんぞ?」


「むぅ…それは済まなかったニャ」


「アキラ様、長老。お茶のおかわりはいかがかニャ?」


 ミーニャがお盆を抱えニコニコ近づいてくる。人間サイズの物を運ぶお盆は、さぞかし重いだろうに。


「あぁ、頼むニョ」


「かしこまりましニャ!」


 跳ねるように駆け出すミーニャ。こうして見ると、年相応…かはわからないが、普通の女の子といった感じがする。猫だけど。


「でも…比較的平和主義のケット・シーがあんな強力過ぎる武装を持つなんて、わけがあるんだろ?」


「主、それはまた面倒事を抱え込むフラグ…」


「いや、ほら一応これも調査だし」


「よく聞いてくれたニャ…」


 ミーニャからお茶のおかわりを受け取ると、長老は重い口を開き始めた。僕もついでにおかわりを口につける。


「この島のあの大きな火山はご存知かニャ?」


「あぁ…真ん中のでっかい…」


「そうだニャ。あの山はエラ・フラシアン火山…エラ山と呼ばれておるニャ」


「トイレのトラブル八千え…」


「それはクラ○アンだ馬鹿ダービー。水を差すな」


 気持ちはわかるけど。


「その山に近づくにつれて凶暴な幻獣が多く生息するのだがニャ…」


 ふむふむ。これは資料作成のいいヒントになりそうだな。


「時折こちらに下りてきて、暴れていく獣がおるのじゃニョ…」


 ふむふむ。いい予感はしない。


「その獣の名はマンティコア。我らの中でも少なくない被害が出ておニュ…」


「その為のゴーレムか」


「そうニャ。倒してくれとは言わニャい。しかし、この島の内部まで調査を続けるのニャら…くれぐれも気をつけてニョ」


「有益な情報をどうも。見つけたら、なんとかするよ」


「助かるニャ…しかし」


「いいよ。情報をくれただけで、僕ら的にはありがたいことだ」


「…済まニャい」


 気づいた。もうな行が全般猫語になってる。心を開くとこうなるのか。しかし、またどうしたもんかねぇ…。マンティコアか…。

猫語、正直ムズいです(笑)気を抜くと忘れるし、不自然な感じになるし…。でも、猫の可愛さは不滅です。

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