~第五十七話~歓迎っ…迎撃!
すみません、最近不定期な上文字数が減ってる気がする白カカオです。ホント、忙しすぎなんだけど何これ?この小説書き始めたときの比じゃないんですけど…。なんで、すみません。忙しさを言い訳とかかっこ悪いな…。
「レオッ!タウルスッ!!」
「「応っ!!」」
突然現れたゴーレムに、とりあえずこちらは十二宮のパワー派で対抗する。単純に考えると僕らを侵入者として牽制の攻撃だと考えるのが妥当なラインだが…。武器を使う、ゴーレムを使役するという二点から、本能に任せての攻撃とは思えない。つうか、ゴーレムの本能とか知らんし。
「ゴーレムは僕と十二宮がなんとかする!みんなは各自自分の身を守ることに徹してくれ!」
この攻撃が威嚇だと仮定して、先ずはこちらに敵意がないことを示さなきゃいけない。神性総動員してこの辺りフルボッコにするのは簡単だけど、今回の目的は調査だし、一つの部族を簡単に滅ぼしてしまうのはよろしくない。無闇に敵を作るのは馬鹿の所業だ。ということで、加減しつつ身も守るという非常に面倒くさいことをしなければいけなくなった。
「グオオオォォォ!!」
「ぬぅ…ガアアアア!!」
目の前ではレオとタウルスが二体のゴーレムを抑えている。なんとなく二人を出したけど、まさか二体目がいたとは…。部隊員はウォールや力場を作り備えている。ウチの部隊は単純なパワー型がほとんどいなく、変化球系ばっかだ。そしてゴーレムは機械神に近い、さらに幻獣と神器の中間種のような物だ。存在が特例過ぎて、こいつらの手にはまだ余る。
「すみませーん、ボク雷系なんで、クレイには手出し出来ないんでー」
ええい!知ってるわデンゼル!お前は黙って皆に気を配ってろ!…って、三体目キターーー!!!
「クッソ、マジかよ!?」
もうどうにも僕も参加するしかない。
ーーーサジタリウス、ビスカス。お前らは隙を見て、奴らの間接を狙え。動かなくするだけでいい。
ーーー…御意。
ーーーわかったよー!
声に出さず、人馬宮のサジタリウスと双魚宮のビスカスに命令を下す。サジタリウスは文字通り射手座のケンタウルス、ビスカスは魚座の双子だ。ちなみに姉と弟。見た目は人間なら中学生位だ。水属性ならアクアリウスという声もあるだろうが、アクアリウスはどっちかって言うと防御特化なきらいがあるから、水の攻撃特化ならこの二人なのだ。
「とりあえず、動くな!!」
地面に手を着き、地面越しにゴーレムに停滞の魔法をかける。
最近わかったんだけど、詠唱や呪印などを用いた方が魔力の輪郭が明確化して効果アップするらしい。初級魔術師は魔力のチャンネルを開き易いように皆そのような手順を踏んで媒体にするんだけど、そりゃ魔法も発動し易くもなるもんだ。力の底上げになるんだもん。中級からは調子こいて詠唱破棄して簡略化するのが誰もが通る道らしいんだけど、上級になると最終的に魔術媒体を使い始める。ようは気持ち…イメージ力だからね。大事だよ、形。
「こいつ…重い…」
持ち属性の土を伝導させて僕の魔力効率を上げ、それでもこの一体を足止めするのが精一杯だ。このゴーレムも土だから、相性抜群のはずなのだが、レオとタウルスの援護に向かう余裕がない。魔力には余裕があるけど、残念ながら今の僕にはさらなる魔力の凝縮とか出来るほど錬度があるわけではない。ついでに言えば、四体の神の召喚に土、時魔法のチャンポンというフルコースっぷり。まだしんどくはないけど、確実に僕の魔力がカリカリと減っている。
ちなみに時を使うときに大抵ミックスさせているのは、幾らかでも世界に対する時間干渉を減らす為に、自然属性の魔力を上乗せさせて気持ち中和させているからだ。
「流石限りなくデウス・エクス・マキナに近い何か…想像以上だ」
「何気に余裕あるな、主?どうだ、もう一体くらいフォイフォイ出してみてはどうだ?」
「馬鹿、軽口叩けるだけだ。これ以上はただ向こうを悪戯に刺激するだけだ。それに…もう充分かな?サジタリウス!ビスカス!」
僕の声と同時に、二人…三人?が実体化するとともにゴーレムに向けて矢を放つ。このサジタリウスの矢は矢じりにビスカスの『侵食する水』を付属させている。その矢が正確にゴーレムの肘や膝に突き刺さる。いやぁ、流石射手座というだけある。レオとタウルスを避けてゴーレムにヒットする。
ーーー………ズゥゥゥン!!!
三体のゴーレムが時を置かずに倒れる。膝を破壊されたゴーレムは立っておれず、更に肘も破壊したので抵抗も出来ない。
「もういいぞ?四人とも、サンキュ」
僕が声をかけると、神達が消えていく。部下達を断続的に襲っていた矢も、それを機に止んでいる。どれ、ゴーレムは有人操作が可能だったはず。もしかしたら、あちらさんの誰かが乗っているかもしれない。どれどれ、一応確認してみるか…。
ーーーバシュッ!
「ちっ!近づくニャー!!」
斜め上前方から僕の足元に再び矢が刺さると同時に、妙に高い声が響く。…つうか、ニャー?
「うっさい」
どうせ僕の周りに時魔法の減速をかけてて矢は届かないので、余裕綽綽で目の前に倒れているゴーレムに近づく。難なく辿り着くと、ゴーレムのうなじ辺りにちっこい何かが見えた。
「…ケット・シー?」
そこには服を着た一匹の猫…ケット・シーが目を回していた。よく見ればこのゴーレム、小さく猫耳になってやがる。
ケット・シーは亜人なんじゃないかという突っ込みもありそうですが、手元の幻獣ファイルとかいうコンビニに売ってる本に載ってたので勝手にこのアララギ島に分類しました。それならエルフも今までの種族もみんな幻獣なんじゃないかという自己完結…orz