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クリエーター  作者: 如月灰色
《第三章 楽園》
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~第五十六話~歓迎…?

白いカカオ…略して白カカオです。なんか久々に爆睡しました。これが正しい休日の過ごし方だと思いたいです。…更新しろや。っつうことで参ります。あー…柴咲コウいいなぁ。薄桜鬼やりたい。

 バハムートの背びれ尾ひれに縄で舟をくくりつけ、牽引させること一時間足らず。何気に距離が近かったアララギ島。砂浜に下ろされると、出目金はそのまま海に帰って行った。道中、流石に海の覇者に歯向かう者はいないらしく、なんとも平和な船旅だった。…船酔いさえなかったら。


「ううえっぷ…」


「大丈夫ですか?はい、水です」


「あぁ…悪い」


 エルフの連中はバランス感覚がいいのか三半規管が強いのか、ピンピンしている。僕が潰れている間、デンゼルが指揮を執り周囲の警戒をさせている。


「デンゼル、この島の地形はどうなっている?」


「えぇ。地図によりますと、中央に一つ大きな火山がありますね。その火山が内陸のかなりの割合を占めています。そして、その周囲からこの砂浜の手前までぐるっと回るように密林地帯があります。北部に行けば多少平原や礫地帯があるようですが…。ちなみに今我々がいるところは、この島の西部。この砂浜です」


 そういうと、僕に見えるように地図を見せてくれる。なるほど、ここから数十メートル位のところにもうジャングルの入り口が見えるあたり、あまり大きくないのかもしれない。


「…ん?」


 結構な標高がありそうな火山のてっぺんあたり、数個の飛行物体が見える。実際それくらい大きな火山かはわからないが、視認できる辺りかなり大きそうだ。


「…?あぁ、アレですか。この島は、ロック鳥とサンダーバード…それに鳳凰やフェニックスの生息域です。たぶん、アレでしょうね。もしかしたら、ケツァコアトルもいるかもしれませんね」


 なんという猛禽のオンパレード。ゲームばりに同時にエンカウントしたら、僕は裸足で逃げ出す自信ある。


「主だって、ガルーダを支配下においておるだろう」


「アレとそれは話が別。理性と野生の区別はせにゃならん。はっきり言って、僕は怖い。それに、鳥の顔ってなんだか苦手なんだ」


 頼むから、その大型猛禽類まで調査しなきゃいけないとか言うなよ…?マジで泣きたい。


「ドラゴンスレイヤーが何を言ってるんですか…」


「五月蝿い。さぁ、回復した。そろそろ行こうか。ケルピーとか牛鬼が出てきたらめんどうだ」


 ケルピーとは半魚馬で、性格は獰猛。人肉が好物で、海に引きずり込んで捕食するというなんとも恐ろしい馬だ。でも馬と魚の合い掛けとか、刺身にすると美味そうだ。牛鬼は、日本人の沿岸に住む人なら一度は聞いたことはあるかもしれない妖怪だ。頭部は牛、胴には虫や蜘蛛のような数本の腕。さらに羽も生えていて飛行も可というぶっちゃけキメラだ。こっちも性格は残忍で、さらに毒も吐くというやっかいこの上ない妖だ。実家海沿いじゃなくて良かった。まぁ山は山で、天狗とか入道とかで大変だけど。実際は熊のが問題だ。

 まぁそんなやつらが出ない内にさっさと密林へゴー。密林も、どんなやっかいなやつがいるかわからんけど。とりあえず、今回の任務は幻獣の保護だ。害獣の殺害許可は下りているので、障害になりそうなやつには退場してもらうが。ぶっちゃけさっき挙げた連中も広義で幻獣の類なので、無闇な殺生は避けるべきなのだ。

 つうか、保護というか生態調査が一番大きい。多少資料位はあるのだが、新しい情報が欲しいらしい。そして、その上で稀少なものを発見した場合は生息域を特定して、人の立ち入りを制限するのに使うらしい。そこまで人が来るような所ではないのだが。


「おっ?」


 森に入ること数十分。目の前をさっと小さい影が走った。大きさ的にはリス位の小動物なのだが、このファンタジーの世界にそんな平和な生物がいるとは思えないのだが…。


「アレは、カーバンクルですね」


 さっきの影を追うように、もう一匹走ってきた。こちらは僕らに気づき、立ち止まり首を回してみせる。ふさふさした白い体毛に、大きくつぶらな瞳。額に特徴的なルビーが光る。


「おっ、戻ってきた」


 先ほど僕らの前を駆けていったもう一匹が、後から来たカーバンクルの元に来る。こちらは、エメラルドが光っている。


「番いか…」


「珍しいですね。どうやらこの辺りは当たりのようです」


「デンゼル、辺りは当たりって」


「カーバンクルの宝石は、装飾品としてだけでなく、魔道媒体としての価値も高く、乱獲が懸念されていました。そして、番いがいるということは、この辺が生息地として間違いないでしょう。元々広範囲に生息している種ではないはずですから」


 うん、説明台詞ありがとう。とりあえずここは報告対象地域に入れた方が良さそうだな。


ーーーシュバッ!!


「「っ!?」」


ーーーズゥーン!!ズゥーン!


「「!!?」」


 突然足元に恐らく威嚇の矢じりが突き刺さり、地鳴りが響く。


「おい、デンゼル!この島に亜人はいないはずじゃなかったか!?」


「えっ、えぇ。そのはずですが…」


 隊に動揺が広がる。拙いな、完全に想定外だ。


「第二種警戒態勢!早く!!」


 まだ亜人からの襲撃と言う決め付けは出来ないが、向こうは明らかに意思を持った知的生物だ。ここは明確な指示をした方が隊員としても行動に方向性が出て、統制も執りやすくなる。ちなみに、第一種はギラン側との有事の際の警戒態勢だ。


ーーーズゥーン!!


ーーーメキメキ…バキッ!!


 こちらの態勢が整った直後、地鳴りがすぐそこまで近づいた気配が止み、代わりに正面の木々がへし折られる音が聞こえる。巨大な腕が姿を現した。


「ゴー…レム?」


 誰かの呟きが聞こえた。目の前に現れたのは間違いようも無い、土で出来たクレイ・ゴーレムだった。

今回数箇所明らかな説明台詞がありましたが、やっとこさ資料が手に入ったので使ってみたかった次第です(笑)あとケルピーとか牛鬼とか、あまり有名な幻獣ではないので一応…。

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