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クリエーター  作者: 如月灰色
《第三章 楽園》
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~第五十一話~ただいマテリアル

休んでる間にリア充してた白カカオです。いや、休んでたわけじゃないですよ?初ライブがあったり次のライブがあったり、三角関係に巻き込まれてたり仙台から友達帰ってきたりで、ほとんど家にいなかったんですorz今日も今日で夜勤があったり明日は友達のライブだったり、節電で長めの盆休みだけど全然休めないんですけど…

「ただいまー」


 ウラヴェリア戦とかあって実に数ヶ月ぶりに神谷家の門をくぐる。その前は月一ペースで帰ってたんだけど、よくよく考えたら向こう以上に資産を残してないこっちにそうそう帰っても、お金には限りがあるわけで。…早急にこちらと向こうの経済的インフラの整備を要求する。…大丈夫だよな?経済面では、親善大使の仕事なんてないよな?

 そして久しぶりとは言っても、たった数ヶ月で何か変わるわけでもなく…。


「あら、おかえりー。全然帰ってこないから、どっかで野垂れ死んでるかと思ったわ」


 仕事もせずに開口一番喧嘩売ってくる姉貴だったり。


「おかりなさい。少し、痩せたんじゃない?今ご飯できるから、座って待ってなさい」


 相変わらず上手そうな晩飯を作ってくれるお袋だったり。


「おかえり、お兄ちゃん!元気だった?」


 姉貴とは違い、気遣ってくれる順子だったり。


「おう晶。帰ったか」


「晶ちゃん、お久しぶりね」


「兄貴?と、千尋さん!?お久しぶりです!」


 珍しく兄貴夫妻が帰ってきていた。あれ?でも、千尋さん妊娠中じゃ…?そういや、親父の声が聞こえんな…。


「よーしよし。ショウちゃん、お爺ちゃんですよー」


「まうー?」


 …息子に気づかずに初孫にかまけている馬鹿親父。初…孫…?


「生まれたんですか?千尋さん!?」


「えぇ。晶ちゃんが向こうの世界に行ったって聞いてから、割とすぐに」


「へぇぇ…親父、ちょっと寄越せ」


「あぁ!?何をする放蕩馬鹿息子!」


「気づいてんなら挨拶くらいしろよクソ親父!それに僕を追い出したのは親父の方だろ!?…ねーショウちゃん」


ーーー駄目だ、主も完全に骨抜きにされておる。


 五月蝿い。この天使のスマイルに勝てる者なんかいるか。そーれ、高い高ーい。


「きゃっきゃ。ぶいー」


 おっ?喜んでるな?でもこれ以上はテーブルに被害が及びそうだから普通に抱っこしてやるか。しかし、僕も伯父さんか。悪い気はしないな…。伯父さん…か…。


「だー?」


 可愛らしく小首を傾げるショウちゃん。あぁ、大丈夫だよ。ちょっと感傷に浸ってただけだから。…って、わかるわけないか。


「翔太って言うの、その子。ふふ、晶ちゃんと昭彦からもじったのよ。二人とも、『ショウ』の字がつくでしょ?」


「…僕?」


 幸せそうに微笑む千尋さんに、疑問を投げかける。


「うん、だって二人とも、私の理想の男の子で、兄弟なんだもの」


「…理想?」


 さっきから疑問符ばっかだな、僕。


「明るくて掴みどころがないけど、そのくせすいすい人の心に入ってくる晶ちゃんと、いつも難しそうな顔してるけど誠実で、不器用で伝わりづらいけど本当は凄く優しい昭彦…この子にも、二人みたいに人から慕われる男の子になってほしくて」


 …なんか、そうストレートに褒められると照れるっつうかむず痒いっつうか…。


「あ…ありがと」


「キモいから照れるな、晶」


 台無しじゃクソ姉貴。


「でもお兄ちゃん、赤ちゃんの扱いそんな上手かったっけ?」


「昔はお前含め親戚のガキんちょの子守とかよくしてたからな」


「これなら、いつショウちゃんに従兄弟が出来ても安心ね」


「ブッフォ!」


 水を噴きかけた。


「千尋さん…たぶん私のこと飛ばしたわよね?」


「美月ちゃんはもう少し落ち着いたらねぇー」


 …いきなし何言ってんだ、このお義姉さんは。


「そういえば晶?エリーさんとはまだなの?」


「ちょっ」


 ようやくありつけようとした豚カツを落としかけた。


「エリー…さん・外人さん?」


 千尋さんが不思議がっている。まぁ当然か。


「あぁ、千尋さんは知らなかったのよね。この子今向こうの世界に行ってるじゃない?」


「そうでしたね。なんでも親善大使に任命されたとか…私も病院でニュース見ててびっくりしたわ」


「でね?そこの王女様と交際してるのよー。驚きよねー」


「えっ…えええぇぇぇぇーーーー!?」


 …いや、お袋?エリーとそういう関係になったのは、つい最近なんだけど…いや、もう間違っちゃないけどさ。そして、千尋さんの反応が正しいんだよなー…。相手はロイヤルファミリーだもんなぁ…。


「でね?お兄ちゃん軍の隊長さんやってるんだよ?凄いでしょ!」


 いや、順子?お前が胸を張る意味がわからん。つうか、僕その辺言ったっけ?


「…なんで知ってんだ?」


「こないだ、ベイン国王が家に来てな?一緒に食事をしているときに聞いたんだ。…よくやっているそうじゃないか」


 親父…知ってるか?親父達も、大概にこの状況に麻痺ってるんだぜ?見てみ?千尋さんを。フリーズしてるから。これが正しい反応だ。


「まぁ…な」


 あえて素っ気無く返し、テレビを見る。


「昨夜未明、警察は都内某所で大規模な立ち入り調査を行い、○国系麻薬シンジケートの一斉摘発がありました」


「へぇー…」


 麻薬…ね。向こうではそういうアングラ文化とかあるのかね?今度自警団も兼任してるジュダイさんにでも聞いてみよ。


「調べによりますとこの組織は、拳銃の密売にも関与している模様で…」


 へぇ…銃の密売ね…。例えば向こうに取引されたら、それこそ無双だろうなぁ…文化レベル、中世で止まってるし。


「どうしたのお兄ちゃん?難しい顔して」


「いや、何でもないさ。さっ、食わないと肉掻っ攫うぞ?」


「あー!駄目ー!」


ーーー…ふぅ。


 ダービー、飯中だ。氏ね。そういえば、全然泣かないなぁ…翔太。

これ、三度目の投稿です。主に誤タッチとかで。ほのぼの展開でした。

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