~第二話~キュートス国
おはようございます。夜勤明けです。どうせすぐは寝れないので第3話執筆しまする。あー、汗くさ
物々しく開く大きな観音開きの扉。初めて見る、それも自分を導くレッドカーペットの先には、また大きめサイズな玉座。テレビで目にするようになった、キート=ベイン3世が小難しい…もとい威厳に満ちた表情で座している。なんとなく、剛三を思い出して身震いした。いや、ね?迫力満点のオーラとかさ、そういうの。ある意味慣れ親しんだ空気だけどさ。
その向かって左隣には、恐らく王妃様、逆隣にはスラッとした青年(?)が立っている。あと他に数人の女性がその三人を中心にくの字に並んでいる。王様とはかくもこんな美女達を侍らせるものなのか。よろ○び組とか。べっ別に羨ましくなんかないんだからねっ!!
ーーーストップ。そこで片膝ついて。頭を下げて平伏して。
持ち前の集中力のなさを脳内で発揮させてる最中に、突然その脳内に直接話しかけられた。内心のビビリ具合を表に出さぬよう必死にその声の主に従う。ワンテンポ遅れでそれがエリーの声だと気づいてからは、寧ろさっきの脳内がエリーに筒抜けだったのではないかといらぬ心配をする。その思考処理速度僅か半秒。いきなりテレパシーのチャンネルを開かれた事よりそっちの方が晶としては問題だった。
「面を上げよ、カミヤ・アキラ」
国王に声をかけられ、はっと宮廷っぽい儀礼をなぞる。ホントに自分がこういう事をするハメになるとは今でも信じられないけど。
「さて…エリー。事の顛末を説明してくれるな?」
「はい、お父様」
女性陣の中から、薄黄緑のドレスを身に纏った髪をティアラでアップにした女の子が一歩前に出る。
ーーーちょっ、…えっ?あれ、エリー?
さっきのテレパシーからここの何処かに居る事はわかってはいたが、さっきまでの子供っぽいエリーとかけ離れている今の姿に全く気づかなかった。よくよく考えなくとも、王女と自分でカミングアウトしていたのだから、国王の傍にいてもなんら不思議ではないのだが。
「…では、お話しします」
頼むぞエリー!お前の話し方如何で、僕の運命が大きく変わるんだから…
「指輪の気配を追ってマテリアル界にゲートを開いたところ、アキラが指輪をしていました!以上です」
ーーー待て待て待て待て!!違うだろっ!いや合ってるけどさ!間違いじゃないけどそれだと僕が盗った賊みたいに…ってほらぁ!そちらのお姉様方の目つきがどんどん険しくなってってるしさぁ!違うんです!確かに僕は指輪を嵌めたよっ!?ただそれは好奇心というかノリというか…だからそんな睨まないでくださいって!
もうなんだか、突っ込みたいこととか言いたい事とか多すぎて言葉が出てこない僕を見据えていた国王の口が歪む。
「くくくく…ハハハハハ…」
いやね、だから国王様?違うんですって。だからその恐怖で心臓を握り潰されそうな笑いをお止めください!?
「ハッハッハッ…ハーッハッハッハ」
…てアレ?これって普通に爆笑してるだけ?
「エリー、くっくく…もう少し言い方というものが…クハッ」
「貴方…」
「お父…様…?」
隣の女性や取り巻きの方々が呆れ、または呆気にとられている。つうかそこみんな家族かよ!?なんて美人なお姉様方…よし、うまれかわったらぼく、えるふになる!
ひとしきり笑い終えて呼吸を整えた国王様は先とは違う、全く穏やかなオーラを放っていた。もうなんというか、日曜日に子供の遊び相手をするお父さんみたいな。
「アキラ君、楽にし給え。実は大体の事は知っているのだよ。君は偶々その指輪を見つけただけということも」
えっ何これ?ゼンゼンツイテイケナインデスケドー。つまり…茶番?初めて異世界に踏み入れて一発目がこれ?
「気を悪くしたならすまん。私も君らの世界との外交に少々疲れていてね。そこにあんまりエリーが『アキラを悪くしないであげてー』と頼み込むもんだから、つい」
ついってアンタ…それが一国の国王のすることかーーーっ!!っとか言ってみたり。うん、エリーに声色真似たとこ、正直気持ち悪かったッス。なんか…一気に気が抜けた。父親のからかいに憤慨してるエリーもなんかさっきまで通りだし。
「あと…その指輪に選ばれた異世界の青年、という者にも少なからず興味がある」
国王の目が妖しく光る。
「そういえば、指輪…」
王妃様の隣のお姉様が声を上げるが、冷静になって初めて、エリー以外の女性のエルフの声を聞いた気がする。透き通っていて、なんだか心地いい。
「外せない…んだろう?アキラ君」
「そうなんスよ…正直困ってるんス」
「貴様!王に向かってなんだその舐め腐った言葉は!」
広間の脇の方に控えていたたぶん偉い人が叱責する。だってなんかもう…空気がアレだし。元はといえばあんな小芝居仕込んだ国王が悪い。つうかアンタもよっぽど口が悪い。王の御前であるぞ!
「よいよい。そやつは指輪に選ばれた時点でただの一市民ではない、そもそも我が国の人間でもないがな。ここは友好的にいこうではないか。外交以外の異世界の民との親交というのも、必要ではないかね?私はアキラ君を友人として歓迎しよう。今日はゆっくり休んでいくがよい。アキラ君が望むなら、酒も用意しよう」
厳格な(?)国王の暴挙に晶含め皆しばらく茫然自失だった。ただ、目をキラキラ輝かせはしゃぐエリーを除いて。
結論。エルフの国の王様はめっちゃいい人だった。
PS.僕の世界での顛末は千里眼で見ていたとか。何でも高位のエルフは修行と資質次第で使えるようになるんだとか。エルフってずるい。
書き上げてみたら王様以外ほとんどしゃべってNEEEE
すみません、他の方々は追々ということで…。読み返してみると展開速すぎる上に超展開すぎる気がorz次話はもっと推敲します。きっと…そこまで練れる頭があれば。今しばらく薄っぺらい話を見守ってください。お願いだから匙を投げないでください。ご意見、ご感想、罵倒お待ちしてます