表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クリエーター  作者: 如月灰色
《第一章 二つの世界》
21/121

~第十八話~迷いの森、攻略への布石その2

こんばん白カカオです。例の如くバイトがある日はこんな帰宅時間になってしまいます。現在、23時50分。日付が変わるまでは…間に合わないな。でも、ほぼ毎日更新のペースは保ってます。日付変わっても、一日休んだわけじゃないからねっ!ねっ!

「おはようございます、香川さん。ちょっといいですか?」


 いてもたってもいられなく、今日は二十分前に出勤した。皆えらいびっくりしていたけど、そこまでしなくてもよくね?流石に傷つくぞ?泣くぞ?

 始業前に呼び出したのは、設計部の香川さん三十三歳。彼女居ない歴=年齢。生粋の童帝。つまり、こちらの世界の妖精さんというわけだ。


「なっなんでしょう?かっかみゃ…神谷さん」


 困ったことに少々コミュニケーション能力が低い。というか対人スキルが低い。僕は全然気にしないんだけどなぁ…こないだの飲み会、あるゲームの話で盛り上がった仲だし。


「あのですね。今週の週末って、空いてます?」


「あっあの…特には…」


「なら良かったです。香川さん確か同人サークルに入ってましたよね?いいネタを提供出来そうだなと思って声掛けたんです。出来ればサークルの皆さんも一緒に」


 ピクリと香川さんの片眉が上がる。眼鏡の奥に光が差したようだ。


「神谷…さん?某どもは幾度となく同人イベントでブースを守り抜いた歴戦の勇者であるぞ?生半可なネタで飛びつくと思うのかい?」


 …急に口調が変わりやがった。香川さん、悪い。そのドヤ顔ちょっとうぜぇ。何が勇者だ。こちとら実際に古代竜倒してんだよ。…悪い竜じゃないけど。


「はぁ…私を舐めて貰っては困りますね」


ーーーあるじ主!若干移ってる!口調!


 ふぅと前髪をかき上げんばかりの溜息をつくと、香川さんの耳元に口を寄せる。


「実物のエルフや妖精、見たくないですか?」


「えっ…?」


「香川さん、ちょっとトイレ行きましょう」


  香川さんの手を無理やり引っ張っていく僕。餌に食いついた香川さんの表情を確認すると、もう楽しくて仕方が無い。嗚呼、策が次々と成っていく様はなんと愉快なことか。


「香川さん。異世界とこちら。行き来出来る事実は知ってますよね?」


「あぁ…しかしそれは国家機密レベルの情報ではないか?」


「…あるんですよ。ゲート。近くに」


「なん…だと…!?」


「偶々、僕の通勤する道に、ゲートが出来てるんです。ねぇ、見てみたいと思いませんか?」


「しかし…証拠がない」


「知ってます?エルフって、本当に美形揃いなんですよ?シーリカもココも良かったし、あとエリー王女もあと何年かすれば…それとも、香川さん達にしてみれば熟す前の果実の方が好物ですかな…?」


 みるみる顔色が色んな色に変わる香川さん。


「代償は?この話が嘘であったときは、神谷氏はなんとして賠償とする?」


 ビンゴッ!ついに針を喉の奥まで飲み込んだな?これでこの勝負、僕の勝ちだ。


「…次のコミケ、確か一ヶ月半後でしたよね?僕が突貫でお手伝いします。それか、情報捏造して某巨大掲示板で僕を社会的に抹殺してもいいですよ?」


「言質はとったぞ?まぁ後者は我々連邦軍にメリットはないが、前者は…覚悟しておくがいい。我々の戦場は、プロの技術者が泣きをみるほどの死の行進…デス・マーチだ」


 悠然と去っていく背中。いや、こんなところで男気見せられても…ここ、トイレだし。


ーーーシーリカやココだけじゃなく、エリーまで巻き込むとは…主、外道なり。


 ふん。何とでも言え。僕は目的の為なら手段を選ばない、非情で冷血な男なのだ。




 そしてあっという間に金曜日。待ち遠しい日とは、案外早く来てくれるものだ。現在、午後の八時前。約束の八時まであと数分を残し、何と香川さんのサークル、全十二名が揃っている。うーむ…実に優秀だ。


「さて、恐れ多くも我らリング・トゥエルフを呼び出したのは彼かね?香川中尉」


 誰が円卓の騎士だ。だれが中尉だ。


「うむ…神谷三等兵。心の準備はよろしいかな?」


 誰が三等兵だっっ!!!くそ、やっぱりこいつら、腹立つ。しかし煽りも煽られも僕だって修羅場は潜ってきている。そう、僕らの巨大掲示板でッ!


ーーー主…なんか色々方向性を見失っておるぞ。


 えぇい!こまけぇことはAA略。…おっと、いかんいかん。こいつらのペースにかき回されてはいかん。それこそ、カ○ッサ機関の思う壺だ。


ーーーいや、主…全っ然直っとらん。


「…ごほん、それでは皆さん、今宵はマッド・ティー・パーティーへと洒落込みますか」


 ちょっとかっこつけて手を翳してみる。きっと、さっきまで崩れていた反動だ。ダービーを嵌めた右手を虚空へ広げると、その変化はすぐにやってきた。


「なんと…これが…」


「ゲート!?」


「本当にあったのか!というより…」


「神谷三等兵が作り出したのであるか!?」


 なんか最後気に食わない感じのこと言われたするけど、まぁこうやってさっきまで小馬鹿にしていたやつらが驚いているとこを見るのは、実に気持ちがいい。


「…って、え?なんかこないだとちょっと違くない!?」


 そう。前回も前々回も、ゲートは黒い影が回りながら一定まで広がっていっていた。しかし今回は…。


「なんか…うねってる?」


 外周が、ちょっとうねうねしている。それもう、しっかり視認出来る位に。それに、こないだよりでかくない?


「主!こやつはゲートではない!『外なる神』、ヨグ=ソトースだ!!」


 ………ヨグ=ソトース…だと…!?

今回は気持ち短めで。一端区切った方が、展開的に読みやすくなるかと。しかし、ネタは書いてて楽しいです。皆さんに伝わっていればですけど。実は私自身元ネタを理解していないトコもあるのですが、それはご愛嬌ということで。それと、オタの方々は一昔前のステレオタイプをモデルにしています。私自身偏見とか一切ありません。…同類だし。不快に思った方、いたらすいません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ