~第九十五話~晶&ダービーVSサタン&ルシファーその1
昨日途中まで書きかけてたんですが、謎のブラウザバックで消えてしまいぶん投げてしまいましたorzすみません。ドラムの練習で、腕が重い…。
自分の自重と剣の質量を込めて、サタンを斬りつける。
勿論一撃でなんとかなるとは思ってなかったけど、俺の剣撃は簡単にサタンの振るった腕に弾かれてしまった。飛ばされた勢いをそのままに、再びダービーと背中合せになる。
「ダービー、本当に頼んでいいのか?相手はルシファーだぞ?丸腰じゃきつくね?」
「大丈夫だ、問題ない。これでも外なる神の一柱。堕天使なぞに遅れはとらん」
「いや、お前の前半の台詞、堕天しそうなんだけど」
「じゃあ一番良い装備を頼む」
「だが断る」
「クスッ、そんな装備で大丈夫かい?」
ルシファーが小さく笑うと、サタンと同時にエネ○ギー弾のような物を放つ。クッ!挟み撃ちとは卑怯な!
剣を足場に蹴上がり、ダービーも次いで翔んだ。…自分で蹴った剣を回収とはどういう事だ。少なくとも人間の俺には出来ん。
あいつらのエ○ルギー弾もどきがさっきまで俺らがいたところで衝突し、爆散した。その衝撃で、俺とダービーは反対側に弾かれた。
「主!しばし借りるぞ!」
ダービーが、俺の愛剣を持って飛ばされる。
「あーー!それ、俺の!!」
これじゃ俺が丸腰じゃねぇか馬鹿タレ!
クソッ!時間逆流させて取り戻してやろうかとか思ったけど、止めた。逆流するならそもそも戦う前に干渉し、あいつら全員ぶった切った方が効率良いし、何より不可能だ。
「覚悟はいいかな?…ノア=キーランス」
どうでもいい思考をしている間に、俺はサタンの側まで飛ばされていたらしい。
にぃっと笑うと、俺はバックステップした。サタンの豪腕が俺の頬を掠め、鮮血が散る。それを気にする間もなく、二、三とサタンの攻撃は続く。全てを紙一重でかわしながら、考える。
あいつ、加速した俺のスピードについてきてはいるけど、おそらく膂力で速度が乗ってるだけだ。その証拠に、初速は俺が見切れるほど遅い。…スピードなら、俺に分があるということだ。
次に俺からの攻撃だが、輝くトラペゾヘドロンを今ダービーが持っているから、丸腰ではある。丸腰ではあるけど…。
ないなら作ればいい。俺は誰だ?『魔術師』神谷晶だ。『騎士』ではない。なら魔術師らしく、魔法で翻弄してやろうか。
ーーーそういや、おっさんと初めて戦った時も丸腰だったな…。
再戦は二度と叶わないけど、俺がこいつに勝ったら、認めてくれるよな?マドラのおっさん…。
つうか悪魔王のこいつを倒したら、俺が最強じゃね?
口元がニヤける。思考が加速する。鼓動が早まり、アドレナリンが駆け巡る。
探せ!こいつを打倒出来る方法を!手段を!勝つ為の法則を!
「とぁ!」
舞い散る土を集めて腕に巻きつけ、アッパー気味に振り上げられたサタンの右腕を受ける。上に跳ね飛ばされ、俺の体が宙を舞う。
よし、計算通りだ!
「ロードローラーだァ!!」
某人間を辞めた方と同じ叫び声を上げ、近くの山が一つ崩れ落ちた。俺の真下に重機を練成し、サタンに叩き落とす!この際ロードローラーの機構は知らん!とりあえず形を重さだけあればいい。
「甘い!」
サタンが腕を振り上げて受け止める。人外には効かないと言うことか。でも…まだまだっ!
「弍っ!!」
ロードローラーの余計な所から、車をスクラップにする時のプレス機を作る。表面には鉄の処女よろしく棘付きで。
「ぬぉぉ!」
プレス機がロードローラーからの練成と看破したのか、サタンが一瞬手を放し左右から迫り来るプレス機に両腕を突き立てる。腕が埋まり、プレス機が止まった。
「まだまだぁ!」
重機を媒介に時魔法を伝導させ、サタンの腕の時間を止める。これでお前は動けまい!
「参っ!!!」
サタンの前後左右上下から、幾つもの棘を突き立てる。
「ぶるるおおおぉぉ!!」
地面に降り立つと、見事なオブジェが完成していた。正直二撃目のプレス機の時は前後に隙が生まれるから、逃げられたらどうしようかと思ったけど助かった。…まぁそれはそれで、策は考えていたんだけど。
まぁ脳天まで突き抜けられたら、いくらこいつだって生きてはいまい。
「さて、ダービーはどうなってるかな?」
後ろを振り向いた時、激しい悪寒がした。これは、なんかヤバい!!
「もう、返してしまってもいいかな?これは…」
慌てて前を向き直すと、にぃっと笑うサタンの姿があった。俺が反応した直後、地面から生えた棘ごと重機だった物を俺に向かって投げ飛ばしてきた。
「デリート!!」
両手を広げ、飛んできた凶器を分解する。俺の手に賄えない物は範囲で時魔法をかけ、朽ちさせる。
辺りに粉塵が舞い、視界が一気にゼロになる。
「自分の力を御しきれないのか。君もまだまだだな」
耳元で声が聞こえ、顔面をぶん殴られた。いや、ボディーもか?そっちは咄嗟に腕でカバーしたけど、粉塵の外まで吹き飛ばされた。
「いって…」
ぺっと血を吐くと、二本程歯が飛んでいった。奥歯って、治療費出るっけ?それに、受けた右腕と肋骨も折れている。一気に満身創痍とはどういう事だこら。
「さぁ…第二ラウンドだ」
悪魔が俺に近づいてきた。
「どうした?主が気になるのかい?」
攻撃の最中チラチラ後ろを気にする我を、ルシファーが笑う。やつは我の剣撃を宙に逃げ、または魔力波を撃ち反撃してくる。思ったより手強い…。
主を肩越しに見やると、サタンの攻撃を全てかわしてはいるが、防戦一方のようだ。
クッ!こんな時、主の手助けになれない我の無力さが歯がゆい。
「それとも、借り物の剣じゃ役不足かい?」
「馬鹿め。これは元々我の剣だ。勉強して出直して来い!」
ノーモーションで振るった剣が、ルシファーの片翼を捉えた。
「ほぅ…?」
ルシファーが不愉快そうに、欠けた左翼を睨む。そして、険しさを変えずに我を睨んだ。
「…この代償は高くつくよ、精霊」
「今の我は『外なる神』、ナイアルラトホテップだ。傲慢なクセに無学な天使」
「きっさまぁ!!」
ルシファーが怒りを露わに、魔力弾を撃ち込む。規模は軽く等身の数倍。さける事も出来るが、軌道上に主がいる。サタンとの戦いに集中した主に、気を散らせたくない。
「っ!主っ!?」
ふと後ろを気にしたら、主が粉塵の中から吹き飛ばされるのが見えた。見たところダメージは大きいようだが、戦えないわけではなさそうだ。
しかし、我が魔力弾に対する反応が刹那遅れた。
「ぐああぁぁぁ!!」
当たった瞬間重力で押しつぶされるような、体の中から破裂させられるような錯覚に見舞われた。しかし、それもほんの一瞬で我は地に叩き伏せられる。
「まだだよ?僕を謗った罪は、こんなもんじゃないからね」
「ガハッ!…ふっ、たかが天使風情が、神に勝てると思ってるのか」
「それ…まるで悪役みたいだね、トリックスター」
腹に蹴りを喰らいながらも、剣だけは放さない。
クッ…痴れ者が。見せてやろう。旧支配者…邪神どもを手玉にとる、我の力を…。
この物語を書き始めて、一年が経ちました。…本当は一周年は先週末なんですが、友人のライブを見に行って書けなかったというか…。その彼はオムニバスですが全国のタワレコやHMVでCDを販売してますので、皆さん興味がありましたら…って、クリエーターの話しろや。とにかく、一年間ありがとうございました。そして、今月か来月には完結します。それまでどうか、お付き合い頂けたら作者冥利につきます。そして宣伝。『勇者パーティーの中の一人』ももしよかったらよろしくお願いします。こちらもクリエーターと一味変わった風味のファンタジー物ですので、お楽しみ頂けたら幸いです。ではまた次回ノシ