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クリエーター  作者: 如月灰色
《第五章 終焉の時》
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~第八十七話~城前までのDIEジェスト その2ーそして魔窟へー

おはようございます。今日は久々に土曜休みですが。久々ゆえに予定が詰まってますので手短になるかと思いますが…オナシャス。そして最近めっきりしていませんでしたが…60万PV5万ユニークありがとうございます!いつのまにか沢山の読者さんがいてくれて、本当に感謝です。

 その夜、俺がグレンとガラムの回復をした回数…実に五十余り。あいつらマテリアルの感覚で十五分すら持ってねぇ計算になる。白夜に関してはヘラが闇の魔素で回復してくれるからいいとして…当のヘラも悪霊レイスを駆除しながらでは、流石に周りの魔素を取り込んでも限界がある。初まりの者たち(スターターズ)とはいえ、無限の魔力(エターナル・マナ)を持つ俺とはキャパが違う上に、数はそのまま力だ。いくら周りの魔素が無尽蔵とはいえ…数の暴力の前には疲弊するのも仕方ない。

 そしてなぜカイムとシーリカまで消耗しているかといえば…ヘラが駆除しているとはいえ、ほぼ定期的に聞こえる悪霊の声に十分な睡眠もとい回復が出来ず、日中の移動ではこの森のモンスター達との相性が悪く、ジリ貧になっていたということだ。

 この森のモンスターはなにもトリフィドだけではない。フングスやGスパイダーのような森特有のモンスターは例に漏れず、サキュバスや、果てはウラヴェリア編でもチラッと出てきたがドラゴンゾンビまで出てくるのだ。そしてこの闇の魔素が充実したこの森、闇の眷属の連中はえらいアクティブだ。俺らの魔力を感知するやいなやものっそい勢いで襲ってきやがる。森系の連中にはグレンガラムコンビが回るとして、それ以外は必然カイムシーリカ達にお鉢が回るわけで、彼らも決して仕事がなかったわけではない。

 余談だが、サキュバスに関しては毎度の事ながらカイムが引っかかり、シーリカが始末する勢いでカイムをも始末しかけるという流れがお約束になっている。…意外と好色なんだよな…この男。

 そして好色ついでに白夜とヘラについてももう一つ。こいつらの回復方法なんだが…ヘラが闇魔法で暗黒空間を作って二人してしっぽり入る。そして、暗黒空間でも隠しきれないギ○アン。終わった頃にはすっきりした二人が出てくる。ヘラ曰く、


「人間界では何故か性交渉イコールよこしまなものと捉えられているけど、精(性)とは生。すなわち神すら認めた聖なる儀式なのよ?」


 うるせぇよ。闇属性のてめぇらが聖を語るな。そして妖艶モードのヘラのドヤ顔がうぜぇ。ちなみにグレンとかがシーリカに「それじゃ俺らも…」と言うやいなや五火七禽扇で血の海に沈んだのはシークレットにしておこう。火が風で燃え上がるようにとか別に上手くねぇよ馬鹿野郎。ここはノ○ターンじゃねぇ。他所でやれ。





 で、前回の冒頭シーン。ぶっちゃけ白夜とヘラに関してはエリクサーやるかどうか悩んだけど、結局やることにした。そりゃ事あるごとにギシ○ンしてりゃ体力も回復どころか消耗するわ。お前ら覚えたての猿か。しかし心象どおり与えなかったとして、後の大局で使い物にならないでは話にならん。お前らには今後戦いが終わるまで禁止令を出す。


「さて…行こうか」


 粗方休んだところで、目の前の城を睨んだ。不思議と奇襲はなかった。敵さんもここまで来て小細工をするつもりはないということだろうか。意外と正々堂々としてるもんだな。

 雷に関しては俺が避雷針の代わりをして全て防いだ。礫地ということでサンドワームとか地中系の厄介な敵が出てきそうな気がしたので、地中を探査サーチしながら。そして危なっかしい気配がしたそばから片っ端から我○羅よろしく土を操り握りつぶした。別に地表に出たところで太陽なぞ出ていないのだが、文字通り陽の目を見ることもなく粉砕されましたとさ。今頃微生物の養分になっていることだろう。この地が豊かになることを望む。


「構えた割には意外とあっけなかったわね」


「馬鹿タレ。俺が全部防いできたんだろうが」


 寝言をのたまうシーリカに一応ツッコミを入れ、本当に森を抜ける時間を考えると一瞬で着いてしまった城門を見上げる。周りを見渡すが、今更全員覚悟など必要ないようだ。武者震いすらいらない。ただ、目的の為…幾千年、幾万年、幾千霜の因縁を果たしそして…全ての世界に希望をもたらす為。決して驕りではない。自分たちにしか果たせない宿命を果たすため…ようやくここに来た。


「なんか、不思議な気分だね」


 カイムが笑みを漏らし、振り向いた。泣き出しそうな、でも悲愴からきていることではないことはシーリカからもわかった。同じような顔をした二人が並んでいる。


神器アーティファクト戦争からずっと…俺たちは待ってたんだ。何も知らない道化を演じながら、それでも皆とここにくるのをずっと…待ってた…」


「数えるのが不可能な程の月日が経って…時には対立もした。歩む道が違えた時もあった」


 万感の思いを込めて言ったカイムの言葉に、シーリカが続けた。チラッと聞いただけだが、シーリカは世界の輪廻の果てに疲れ、絶望し、ヘラと同様歴史の影で暗躍していた時代もあった。この世界でも、隠者ハーミットの名を捨て、しかし隠れるように隠遁しようとしていたのも知っている。涙こそ浮かべていないが、何かを食いしばっているのが見て取れた。


「それでも…アキラがこの世界に来て、ココをまた失って、グレンが目覚めて、ガラム…はいつ目覚めたかわからないけど」


「おい」


「ヘラが白夜連れて戻ってきて…ようやくここまで来た…」


 カイムの言葉に、初まりの者たち(スターターズ)の一同が噛み締める。神代から続く、長く…永すぎた歴史を。


「まだ、はえぇんじゃねぇの?」


 グレンの言葉に、カイムをシーリカが顔を上げる。


「大団円は、きっちり全部終わってからにしようや」


「その通りだ。まだ、全てが片付いたわけではない」


 グレンの言葉にガラムが続け、まだ終わっていないことを知る。そう。やっとスタートラインに立ったに過ぎない。本番はこれからだ。


「そうだね…」


 シーリカが苦笑し、何かを隠すようにローブを叩き、気合を入れ直した。


「願わくば…」


『皆が無事、帰らん事を』


 声を揃えて、祝詞のように紡ぐ。一同が笑うと、キッと城を見上げた。


「見てろよ大罪人ども。以前の世界では屈したが、今度はそうはいかんぞ」


「俺らは…負けん!人間の生き様、しかと刮目するがいい」


 晶と白夜が顔を合わせて笑う。まさか、マテリアルの一人間が、こんなところに立つとは思っていなかった。しかし、これが俺らの宿命だ。全てを受け入れ、そして吼える。


「黄道十二神!開戦の狼煙だ!蹂躙せよ!!」


 晶の叫びでフルパワーで顕現した黄道十二神が、固く閉ざされた城門を爆砕した。

全くの余談ですが、我愛羅が一発で変換出来たことに驚きました。一回も打ったことねぇのに…どうなってんだうちのIMEは。そして…久々に。ご意見ご感想是非お聞かせください。お待ちしております!(そういうのは良い物書いてれば自然とついてくるもんだよ)(うるさい)

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