6.久しぶりの旅行にわくわくです!
誤字脱字がありましたら、遠慮なくご報告お願いいたします!(>人<;)
一応確認はしていますが、私の目はどうやら節穴なようでして…
「ひ、ひまだわ…」
キーラと一緒に過ごすようになって数日、初めの頃は
『これからはぐうたらできる〜!』
と喜んでいたのだけれど、いざこうして椅子に座っていても、暇で暇でしょうがない。
「ルーナ様、何か行きたい場所などはありませんか?」
「行きたい場所が分からないのよね。今までの旅行先が極限の中で生き残るための場所しかなかったから…」
「たとえば、どんな場所でしょうか?」
「一番景色が綺麗だったのは、フラマンデ山かしら? 山頂からの景色はなかなかよかったわよ?」
「え、フラマンデ山ってあのフラマンデ山でしょうか?」
「そうだと思うけれど…」
キーラが絶句しているのを視界にとらえつつ、紅茶を飲む。
最近の私は、今まで飲めなかった分の紅茶を一気飲みするかの勢いで、ひたすら紅茶とお菓子を摂取しているのだ。
(こうでもしないと暇で暇で頭がおかしくなりそうなんですもの)
ちなみに、フラマンデ山というのは、フレイムドラゴンという大きなドラゴンが棲んでいる、溶岩に覆われた山だ。
山肌が一面噴き出したばかりのマグマで赤くなっているから、山頂まで登るのに結構な魔力を消費したのよね〜
「ではルーナ様。フラマンデ山は護衛の方が絶対に生きて帰れないので、他の山へ行ってみてはいかがでしょうか?」
「他の山ねえ〜?」
そうは言っても、本当に思いつかない。
だって、今まで行ったことのある山は、極寒の地だったり、魔獣が住んでいたり、毒に汚染されていたり…
普通の貴族令嬢が行くようなまともな山には行ったことがないですから…
「それなら、今からブルーメ山脈に行こうか。」
「ノア様!?」
騎士様を外に待機させスルリと部屋に入ったノア様は、何やら重要そうな書類を抱えながら提案した。
キーラがサッとノア様の分の紅茶を入れ、お菓子を新しく置いてくれる。
行きたいのはやまやまなのですが、その書類は大丈夫なんですか…?
「ルーナ様。ブルーメ山脈とは、花畑が広がる美しい場所です。旅行にはぴったりかと。」
「おはなばたけ…! 行ってみたいです!」
「わかった。それじゃあ、1時間後に出発だ。」
お花畑なんて行ったことは無いし、何より旅行ができるのが嬉しい。
ずっとダラダラすることに憧れてはいたけれど、いざ何もやるべき事がなくなると、暇で暇でしょうがなかったから。
人生初の花畑は、一体どんな場所なのでしょう〜!
「失礼ですが殿下。そちらの書類はすでに終わっているものなのでしょうか?」
「これは、ブルーメ山脈に関する書類だ。もともとは『ブルーメ山脈に仕事に行くがルーナも来るか?』と聞く予定だったんだが、ちょうど良い会話をしていたからな。」
「なるほど。では、お気をつけていってらっしゃいませ。」
* * *
「さてルーナ様! いくら公務の付き添いといえど、デートはデート! 張り切って行きますわよー!」
キーラが右手に櫛、左手にメイク道具、腰には大量のヘアピンをつけて、侍女にはあるまじき仁王立ちでドレッサーの前に立っている。
ドレッサーの前に座るのは、私ルーナ、そしてレイだ。
ノア様が私の部屋を出た後、どこからかレイが出てきて、
『ブルーメ山脈? 友達いるから俺も行く!』
それを聞いたキーラが、
『ではルーナ様もレイ様も、最高のおめかしをしていただかなくてはいけませんね?』
と悪い笑みを浮かべ… 今に至る。
「ルーナはともかく、なんで俺までオシャレしなきゃいけないんだよ!」
「ルーナ様がオシャレするのは当たり前です。でも、そこにいつものラフな格好をしたレイ様を混ぜるわけにはいかないではありませんか!」
「俺、他の人からは見えないようにできるし! そもそも殿下とルーナのデートを邪魔しないくらいの良識は持ち合わせてる!」
「レイ様のせっかくの美貌を見ることができないだなんて、ブルーメ山脈の花たちが可哀想だと思わないんですか!?」
「花は俺たち精霊のことなんて『季節の変わり目にお世話しに来るやつ』くらいにしか思ってないだろぉ…」
レイがオシャレをすることはかなり揉めたけれど、キーラが引き下がる気配が全く無いからレイが諦めた。(まさかレイに諦める心があったなんて!)
実際、せっかく必要以上に可愛い顔をしているんだから、見せないともったいない!
そうして私たちは、キーラに(ほとんど無理やり)オシャレにしてもらった。
「すっげー! これほんとに俺か!?」
「わぁ〜! このドレスとヘアアレンジ素敵…! 私じゃないみたい〜!」
私たちはあんなに駄々をこねた(特にレイが!)割に、人生初となるオシャレに目を輝かせているのであった。
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