表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/21

4.のあさんあたまいいねー!


〈ここまでのあらすじ〉──────────────────────────

義妹に婚約者と大切な『聖女の称号』を同時に奪われた私、ルーナ・シャーロット・グラウプナーは、絶望の中王宮を歩いていると、まさかの隣国エユリールの王太子ノアに、

「私の国ならば、聖女の仕事も続けられます。だから、私の婚約者として、エユリール王国に来ませんか?」

とプロポーズ(?)を受けてしまいました…!

人生初のエユリールはとっても素敵な場所で、ワクワクです!

─────────────────────────────────────



「こちらへどうぞ。」

ノア殿下にエスコートされながらお城に入ると、安定の質問攻めを受けながら応接室に通されました。

あまりの紳士ぶりに、私もレイも目が点になってます…


(えっとぉ… この前のプロポーズと手紙の方とは別人ですか…?)


私とレイがムムムと唸っていると、メイドさんが紅茶を置いてくれたのが視界に入った。


「突然呼び捨てなどして、驚かれたでしょう。実は、国王陛下には今回の婚約は『一目惚れ』だと伝えてあったので、ああするしかなく… 申し訳ございません。」

「いえいえっ! 確かにびっくりはしましたが… 人間と会話するのが久しぶりなので楽しかったです!」


嘘は言っていない。

だって、レイは精霊だし、この前の婚約破棄は一方的だったから、会話とはいえないでしょう?


(お互いの利益のために結婚したことを悟らせないようにするなんて、ノア殿下は頭がいいわ───。)


「それより、紅茶を飲むのは本当に久しぶりなので嬉しいです! ありがとうございます!」

「紅茶が… 久しぶり…?」

「はい! 最後に飲んだのは2年くらい前かと…」

「紅茶は苦手なら取り替えられますよ?」


…そういえば私は一応公爵令嬢なんでした!

()()()公爵令嬢は、紅茶なんて飲んで当たり前ですよね…


(はっ! 私が殿下と婚約できるのは、公爵令嬢という地位があるのが大前提。もしも平民だと思われてしまっては、破談になってしまいます!)


「大好きです! 修行の間はあまり飲むことがないと言うだけで…」

「なるほど。聖女修行は大変なのですね。」


多分誤魔化せました!

実際はそんなことはなく、『実家からお金をもらえないから、自分で稼いだ少ないお金で修行用の道具を買い、食べ物は狩り&採集で生活していた』なんですけどね…

私の生活、あまりにも原始的すぎないかしら…?


(聖女修行の内容が世間に公開されてなくてよかったわ)


◆ ◆ ◆


「さて、本題に移りましょうか。」


ゴクリ…

人払いのされた応接室に、緊張が走る (主に私の)


「この結婚は、あなたもご存知の通り()()()()()()()()()()()です。愛の無い結婚は、女性としては受け入れ難いかもしれませんが、納得してください。」

「大丈夫です。聖女になった時から、覚悟はできていましたから。」

「それは話が早い。それでは、こちらの契約書にサインをして欲しいのです。」

「…契約の内容はいただけないのですか?」


これは契約結婚しようと言われた時から気になっていたこと。

いや、王太子様との契約結婚とか、めちゃくちゃ縛りがありそうじゃない!

せっかく聖女修行を抜けてゆっくりできると思ったのに、今度は別の忙しさを手に入れてしまったら、いよいよ仕事依存症になってしまうわ…


「こちらからあなたに望むものは、婚約者として仲睦まじく過ごしているふりをしてもらうことだけですので不要かと。」

「えっ! それだけでよろしいのですか?」

「はい、構いません。王家の評判を落とさないことが前提ですが、ご自由にお過ごしください。」


私は絶句した。

少なくとも、マナーのレッスンとかでギッチギチになると思っていたのに…


「待遇が良すぎませんか? いえ、とっても嬉しいんですけど、サバイバルライフからお勉強ライフに変わると思っていたので…」

「サバイバル…?」

「いえ、こちらの話です。」

「レッスンの必要はないと思います。王宮で声を掛けさせていただいたのは、王妃教育を受けていたことがはっきりと分かり、今からマナーレッスンをする必要がないほど所作が綺麗だったからです。そうでなければ別のご令嬢を探していますから。もちろん、望むのなら手配いたします。」


確かにそうだ。

たかが契約結婚のために、教育係をつけるのは勿体無いし、何しろ時間の無駄だ。

それに修行漬けで忘れていたが、そう言えば私は聖女修行プラス王妃教育という、歴代聖女の中で一番忙しいと胸を張って言えるハードスケジュールをこなしていたのだった。

どちらも内容ハードすぎて、どのサバイバル生活とお勉強がどちらの内容なのかわからないけれど、王妃教育を受けていたのだから、そりゃあ所作も綺麗になるわね!


「あまりのハードスケジュールに、自分の受けた教育の中に王妃教育があったことを忘れておりました。契約上での王太子妃、精一杯努めさせていただきますわ。」


私はにこやかに、そして堂々と契約書にサインをする。

この契約書は特別なもので、誰と誰の間の契約かを明確にするために魔力を用いているようだった。

(懐かしいわ。この魔力が抜き取られる感覚。)

以前この契約書を使ったのは、ルーカス殿下との婚約の時だ。


「契約に応じていただきありがとうございます。魔力を抜き取られたかと思いますが、体調に影響はないですか?」

「もちろん大丈夫ですわ! 聖女修行のおかげで、私の魔力量は平均の約20倍になっていますから!」

「20倍… 私でも5倍程度なのだが…」


あっ。説明でつい魔力量について話してしまったわ。

学園では、どんなに訓練しても3倍くらいにしか上がらないと教えられているらしい。(ちなみに私は、聖女修行と王妃教育が忙しくて通えなかった)

ノア殿下も5倍まで上がるなんて、ものすごい努力をしているはず。

(聖女修行が単なるサバイバル生活だってバレちゃう!? 早速婚約破棄!?)


「20倍も跳ね上がるなんて… 聖女様は素晴らしい修行の方法をとっているのですね。」


大丈夫だったっぽいです。

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます!

いいねだけでいいので、押してくれると喜びます!


(欲を言うなら、これからも頑張りますので、よろしければ下の


☆☆☆☆☆を★★★★★

にしていただけるとさらに喜びます!)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ