21.婚約披露会⑤
婚約披露会編、なんか思ったより長くなりそうなんだけど……
えっと……
別に悪い人ではないように見えるけれど、要注意人物に選ばれているのだから……
離れた方がいいよね。
「申し訳ありません。存じ上げませんわ」
「えぇー僕の顔を知らないなんて、人生7割くらいは損してるって」
絶対そんなことないと思いますわ。
確かに、他の男性とは群を抜いて容姿のの整ったシアーズ侯爵令息。
さぞ、社交界ではチヤホヤされているのでしょうね。
そりゃあ自信に溢れるわけですね。
ですが——————
私は毎日、ノア様とレイなんていう、人間離れした顔を見ているのですよ?
レイは本当に人間じゃないけど。
シアーズ侯爵令息は整っているけれど、人間ですから。
それに私は、そんなに面食いじゃないんです!
顔の強さより、忍耐力と魔力と冷静な思考を持っていてくれた方が、何百倍も気になります!
……え、そんなの何に使うのか?
聖女修行に決まっているじゃないですか。
「まあとりあえず……君さ、僕の愛人にならない?」
…
……
………はい?
「おっしゃる意味が分かりませんわ。この会で広められている通り、私は殿下の婚約者なのですが?」
「愛人なら婚約者のままでなれるでしょ? シアーズ侯爵家を優遇してもらえるなら、僕の愛人にしてあげる」
……いや、意味は分かるよ? 言葉の意味は。
でも意図は全く分からない。社交界怖い。
「僕、結構見た目いい方だし悪くないと思うけど?」
「……生憎、私は顔を重視する方ではありませんの」
「えっ、そんなに顔のいい騎士をつけてるくせに?」
「たまたまですわ。では、殿下が呼んでいるようなので失礼します!」
「えっ行っちゃうのっ?」
もちろん行っちゃいますわ!
私はレイと一緒に、広い会場をそそくさと歩く。
本当は走っちゃいたい気持ちがいっぱいなんだけど、このドレス重いし、未来の王太子妃が全力ダッシュしているところなんて、だれも見たくないでしょう?
『王太子妃にふさわしくないですわぁ!』と陰で噂されるのが目に見えるからね。
もちろんノア様に呼ばれているというのは嘘だけれど、ここからどこに行こう。
私は薄く魔力を展開し、ノア様と要注意人物三人衆の位置を確認する。
いやあ、皆さん多種多様な要注意人物に指定されている理由をお持ちで。
王族、しかも未来の国王に嫌われるって、貴族にとってかなり死活問題な気がするのですが。
特にシアーズ侯爵令息は次男のため、スペアとして残されるでしょうに。
ノア様はまだ貴族たちと話しているから近づけないし……
友達も作りたいけど、あまりに視線が強すぎて声をかけづらいし……
もういいや。一回考えるのやめて、お菓子食べよ。
むしゃむしゃ
しっとりとしながらもカリカリに焼き上げられたタルト生地に、ふわふわのスポンジ、チーズクリームとイチゴのジャムが美しく飾られたタルトは、思わず悩んでいたことも忘れてしまうほどおいしかった。
流石ロゼッタのイチゴ。
味、色、形、何をとっても完璧すぎるわ。
「あら、ルーナ嬢。こんなところにお一人で、寂しくありませんの?」
読んでいただきありがとうございました♪
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2月だというのに寒いですね。雪まで降っちゃって。
節分も過ぎたので、暦上では春のはずなのですが……
雪は大好きですが、不意打ちで降られると防寒着が足りず、寒いのでこの前は大変でした。
どうせ降るなら積もってほしいなあ。




