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16.突然の離婚ブーム

「ルーナ、来週は婚約披露会です」

「はい。楽しみですわ!」


いくら契約上の婚約でも、必要最低限のパーティーや夜会にしか出ていなかった身としては、楽しみなのである。

ルーカス殿下からの婚約破棄からも約四か月がたち、準備も整い、やっとお披露目ができるようになったのだ。

これが自国なら、もっと期間を開けなければいけないのだけれど、ここは隣国、そして大国、さらには王家。

むしろ遅いくらいかもしれない。


けれど……


「ノア様。いったい何があったのですか?」

「分からない。離婚ブームなんて聞いたこともないです……」


そう。ノア様の美しいお顔に影ができ、濃いクマを作らせている理由。それは、急に離婚する夫婦が増えたからだった。

(ちょっとは、フルーツ盛り盛り事件の後も、一週間に一回か二回は小ホールがフルーツの海になるため、それを城下に配る手配のせいもあるかもしれないけれど)


平民の離婚ならまだよかった。しかしほとんどが貴族の、そして何らかのいざこざがあるため、王太子であるノア様の方にまで仕事が回ってきているらしい。

なんでも、連日話し合いと裁判と離婚届を承認する署名に追われているらしい。

確かに貴族の離婚には王家の署名が必要だが、それは離婚する夫婦なんてめったにいなかったから。

それなのにこんなに急に離婚する家が増えれば、新たな法律を作る時間もない。


さらに、一度喧嘩のように離婚した夫婦が、やっぱり再婚するといって申請を出すパターンも多く……

その原因追及のため、城中の魔法使いやら学者やらが駆り出されているらしい。


私はただの婚約者、そしてお披露目もまだだから、力になれないことが心苦しいです。


「レイ、何か理由について知らない?」

「さあ。俺は何も知らないけど、急に離婚ブームが来たなら、魔法が原因なのは確定でいいと思う」

「やっぱり? でも、離婚させる魔法なんて聞いたこともないわ。再婚させる魔法も」

「そんな精霊も魔法も、俺も聞いたことない。精霊王やってた2000年くらい前には少なくとも存在してなかったね」

「じゃあそのあとに生まれたとか?」

「分からない。でも仮にそんな精霊がいたなら絶対に上位精霊だと思うし、精霊王に教えてもらおうかな」


あらあら。なんか話が壮大になってきましたわ。


「精霊王様…に教えてもらうのですか……」


ノア様が遠い目をしていらっしゃる。

分かりますわその気持ち。でも、レイと話していると、「風のくそ大精霊」だの「夏の大精霊は3歳児」だの、共感を求められても絶対にうなずけない悪口やあだ名が飛んでくる。


たしか今の精霊王様はレイと仲の良い火の大精霊様だったはずなので、敬称をつけていなかったり、軽く扱っていたりするのには慣れていただかなければ!

—————多分だけど、今の精霊王様が風の大精霊様だったら、いつも通り「老害ひねくれ精霊王」とか言われていたのではないでしょうか?


レイ……君も年齢は同じのはずだから、老害扱いはやめましょうね。


「ロゼッタはなんかわかる?」

「レイ様に分からないことが、私にわかるわけがないではないですか」

「え、でもロゼッタは俺より頭いいじゃん」

「レイ様は頭はよくありませんが、その分を実力で補っていますので、私には勝てませんわ」

「ねえ。それほめてるつもり?」


フッと可愛らしい含み笑いをするロゼッタを『ぅおぉぉおおい!』と泣きそうになりながら追いかけるレイ。

これが五大精霊で、2000年くらい前までは精霊王だったなんて信じられませんわ。


「まったく……ノア様! 仕事をしない精霊たちは放っておいて、理由を考えましょうか」

「五大精霊と上位精霊を『仕事をしない精霊たち』か…… ルーナはすごいですね」


私は首をかしげる。事実を言っただけだけれど、何か変なところはあったかしら……?


「ジェイク」

「はい。お呼びですか? ノア様」


わあ、すごい!

ノア様が言葉に魔力をのせて話したのは分かるけれど、こんなにすぐ転移魔法でノア様のもとにこられるなんて……

私もここまで流れるようにできるかしら?


「頼んだものは終わったか?」

「はい、こちらに。やはり、離婚を望むのは圧倒的に貴族が多いですね。平民にも少しはいますが、多くが商人や、王室・貴族御用達の上流階級の者です」

「でしたら、貴族限定というよりは『お金のある家限定』の離婚ブームなのかしら」

「その可能性が高いかと。……それよりもノア様?」

「な、なんだ?」

「私は仕事をするのも良いけど、まずは婚約披露会の準備をしろって言いましたよね! 衣装以外ぜんっぜん終わってないじゃないですか!」

「も、申し訳ない…… どうも仕事をしていないと落ち着かなくて……」

「もう! ルーナ様からも言ってやってくださいよ!」

「ええぇ……」


この数か月でジェイクさんについて分かったことといえば、実はノア様と幼馴染で、公的な場以外ではお互いにため口だということ。

私にもため口でいいと伝えた結果、それは却下されてしまったけれど、かなり口調を崩してくれるようになった。


堅苦しい敬語は苦手だからうれしいです!

読んでいただきありがとうございます!(о´∀`о)

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