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13/21

13.オシャレには慣れてないんです!

金貨1枚=1万円

銀貨1枚=1000円

銅貨1枚=100円


くらいのイメージです! もっと前からお金の価値について書いた方が良かったと思っていたけど、完全に忘れていました…

このお話から出てくるので、全く重要じゃないネタバレかもしれませんけど、お許しください(>人<;)


それでは本編どうぞ!↓↓

「あれ? レイいつ魔力解放したの?」

「昨日。もう緑に戻ってるのによくわかったね〜」

「いつもは若草色なんだけど、今日は若芽色な気がする。」

「細かっ…! 全部()で良いじゃん…」


良いなぁ〜 久しぶりに私も魔力解放したい〜

とベッドで駄々をこねるルーナを、レイが温かい目で見ている。

こうしてみると、普段は子供以上に子供みたいなレイが何千年も生きる大精霊というのも、分からなくもない。

威厳のかけらもないが、少しは年長者らしいところもあるのだ。ほんの少しは…


「そういえばレイ。この前伯爵から回収したバラで、何かわかったことある?」

「いや、色は紫だったんだけど、俺が知ってる精霊にはあの色はいないな。人間までは調べられてない。」

「わかった。ご苦労様!」


目覚めたばかりのルーナは、寝癖のついた髪を手で押さえつけながらベランダに出る。

春の朝はまだ少し肌寒い。いつもよりもウェーブの多い髪を、春の風がふわりと膨らませる。


「さむぅ… レイの力であったかくできたりしない?」

「無茶言うな! 今日は晴れだから、俺にできることはないよ…」

「えぇー!」

「そう言うことは風のやつか春の大精霊に言って! 俺の管轄外だから!」


頬をぷぅっと膨らませ、ルーナは寒さから逃げる様に部屋の中へ戻る。そのまま大きなソファにそっと座ると、キーラを呼んだ。

サバイバル生活から急に王太子妃扱いを受けるのはむず痒いのだろう。居心地の良いのか悪いのか分からない表情を浮かべながら、昨日道で拾った小石に魔力を込めていた。


「道の小石なんか拾ってきてるってバレたら、王子様にまた注意されちゃうんじゃない?」

「今までサバイバル生活の中で使っていたから大丈夫だったけど、魔力使わないと暴発しそうなのよ…」

「んにゃ仕方ないか…」


灰色の小さな石が、ゆっくりと石がルーナの瞳と同じ金色に染まる。


(金貨5枚くらいかな?)


レイは心の中で鑑定していた。魔力量も、魔力の質もおかしいくらいに上昇しているルーナは、おそらく人間の中で最も精霊に近い存在だろう。

魔力を大量に消費するらしいが、短い時間なら精霊体にもなれるらしい。


「そういえば、レイは風の大精霊様と知り合いなの?」

「知り合いっていうか、悪友? 腐れ縁ってやつだよ。」

「へ〜。五大精霊繋がり?」

「そんなとこ。っていうかあいつには様付けするのかよ…!」

「して欲しいの?」

「やだ。」


本人には言えないが、なんだかんだでルーナとレイは仲がいい。

この時ルーナの部屋の外には、『この尊い空間に水を差したくない』と頭を抱えるキーラがいたのだった。



◇◇◇




「ルーナ様! 本日はどのような髪型にいたしますか?」

「えっとぉ… 動きやすい様に、シンプルにひとまとめにするだけでいいわ。」

「了解いたしました! 編み込みしてハーフアップ、そこにお花を飾るのですね!」


…?


「キーラ。後ろで一本にまとめるだけでいいわよ?」

「あっ! 間違えてしまい申し訳ありません! 後ろでふんわりとした三つ編みですね!」


????


「キーラ? 私は一つに…」

「ダメですよ? せっかくのルーナ様の可愛い姿を私が見られないではないですか!」


キーラ… 最初は『おとなしくて優しい有能な侍女』という印象だったのだけれど、このところは『主人をオシャレにしなくては死んでしまう侍女』な気がしているわ…


もう何を言っても聞いてくれなそうなので、ルーナは諦めてキーラに任せることにする。

ちなみに、今着ている白色のドレスも『ルーナ様にそんな服を、私が用意するとお思いですか?』と言われてしまった。私の中では比較的令嬢っぽいものだったのだけど…

流石に運動する時にも使える頑丈なドレスではダメだった様だ。

ドレッサーの鏡には、満面の笑みで自分の髪をとかすキーラが見えた。


「動きやすい髪型()()いたしますね!」


キーラはどやぁと胸を張ると、ヘアピンや櫛を持って仁王立ちする。

侍女としてどうなのかは私には分からないけれど、主従関係抜きにして接してくれている様な気がして嬉しい。

もしかして、人生初の友達なのでは…?

レイやノア様、そして忘れがちな元婚約者のルーカス様。その誰とも違う関係に、自然と口から笑みが漏れる。


いつのまにか綺麗に結えられた髪をそっと触る。

1ヶ月前には思いもしなかった豪華な生活。自分の髪がこんなに艶やかな輝きを放つとは思っていなかった。


(豪華な生活はちょっぴり苦手だけど、友達と過ごし時間はもう手放したくないわ!)


18年間魔物に切られる時以外は伸ばしっぱなしだった髪の毛は、今や腰よりしたまで伸びている。

友達に結えてもらった少し珍しい勿忘草のような髪色を、初めて誇りに思った。


「気に入っていただけましたか?」

「もちろんよ!」

「では…」


キーラの目がキラリと光ったように見えた。そして同時に、レイが顔を引き攣らせる気配を感じた。


「王太子妃様の護衛がそんなセンスのかけらもない服を着るなんて私は許しません!」

「ちょっ! 俺はなんでもいいだろ!」

「ダメですよ? もっとかっこよく仕立ての良い、レイ様に似合う服を着ていただかなくては! 美形に着てもらえない服が可哀想ではないですか!」


キーラとレイの鬼ごっこが始まった。レイは姿を消しこそしないが、ひらりはらりと宙に浮かびキーラの伸ばす手を避けている。


(服が可哀想って…)


『着られれば良い』を貫いてきたルーナには縁のない言葉だが、服も髪型も自由に選べる空間は、いくらサバイバル生活に染まっても憧れるものだ。


『やっぱりオシャレなドレスを選んでもらえば良かったかな…?』

『可愛い髪型が私に似合うの?』

『メイクしてもらって嬉しいな。』

と、キーラに勧められるドレスやアクセサリーを断ってはいても、心の中では思っている。

怪我をしないこと、生きること以上に、望むことができるのは本当に嬉しい。


争い事は好きではないけれど、あんな楽しい喧嘩なら私も参加したいな─────。

まだ騒いでいるキーラとレイを見てそう思った自分に、ルーナは驚いた。

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます!

いいねだけでいいので、押してくれると喜びます!


(欲を言うなら、これからも頑張りますので、よろしければ下の


☆☆☆☆☆を★★★★★

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