11.不憫なジェイクさん
1400字くらいなので、いつもより少し短いです!
◇◇◇
ノアとルーナ、そしてレイが入ったホテルは、この街一番の20階建の大きなホテルだ。
フロア丸ごと貸切にした、その最上階の団欒スペースには、珍しく顰めっ面をしたノアと、体を縮めるルーナとレイが向かい合って座っていた。
「…あの、ノア様? 本当に怪我はないですし、全然問題ありませんよ?」
「そうそう。ルーナ強いし、あのくらいじゃ全然大丈夫だよ…」
私はいつもより慎重に言葉を選びながら、上目遣いに伝える。
どうやら、いつも穏やかな人が怒るとめちゃくちゃ怖いというのは本当だったようだ。
レイですら、いつもよりもほんの少し丁寧な言葉遣いをしている気がする。
「問題なのはそこではないですし、怪我をしていたらもっと問題になっています。」
「でも、私が勝手にしたことですし…」
「婚約者をあんな争いの中に送るわけにはいかないのですよ。」
思ったよりは穏やかな声に少しだけ顔をあげる。
「しかし、この国の王太子であるノア様が出るわけにはいかないでしょう?」
「それはもちろんですが、ルーナも同じ立場にいるということを自覚してほしいです。お披露目をしていないとはいえ、王太子の婚約者なのですから。」
「はい…」
「けど、あの女性を放っておくわけにはいかないですよ…」
「この村は比較的大きな村なので、少し歩けば兵がいるはずです。そちらを頼ってください。彼らも仕事ですし。」
「すみません…」
返す言葉もない… 長年のサバイバル生活のせいで、一般的な令嬢としての感覚がずれまくっていることは百も承知だ。
ついつい『大国の王太子の婚約者』という立場を忘れてしまう、というよりもまだ信じられないくらいだ。
「危険なのでもう二度としないと約束をしてほしいくらいですが、ルーナが気づかなければあの女性が危険だったのは事実。今回は多めに見ますよ。」
「ありがとうございます…!」
「レイも、ルーナが動きそうだったら止めるか、代わりに行くかはしてほしいです。護衛という名目で登録してあるので…」
「わかったよ王子様…」
レイ、そこは了承しないでほしかったわ。こんなことノア様には絶対に言えないけど、割と戦うのも楽しくて好きだから、『レイが守ってくれなかったので仕方なく』と言い訳しようと考えていたのに…
私はレイにしかわからないようにチラッと睨む。
てへっ♡ とでもいうように首を傾げて舌をチラリと出すレイは、この上ないほど可愛くて羨ましかった。
(やっていることにはムカッと来たけど…)
「それに、元伯爵が渡していたお茶なのですが、なんと魅了のバラだったそうです。」
「「えっ!」」
私とレイの声が重なる。
しつこく勧めていたのは覚えているが、まさか違法薬物だったなんて…!
「なんか、ジェイクに申し訳ねーな…」
「…早く手に入れることができたのは嬉しいです。」
なんか、今ノア様誤魔化さなかったかしら?
レイが珍しく罪悪感を覚えているのは、人間には転移魔法がひどく負担のかかるものだと知っているからだろう。
(レイをスルーして仕事の話だなんて… ジェイクさん…ノア様のような幼馴染を持つのも大変な様ですね。)
「ジェイクさんが帰ってきたら、何かお菓子でも渡しましょう。」
「ちょっと良いやつにしてやろうぜ…」
私とレイがジェイクさん用のお菓子を頼んでいる時、ノア様は物珍しそうな顔をしていた。
ノアとジェイクは幼馴染です!
ちっちゃい頃から遊んでいるのでお互いに、「このくらいなら別に言って大丈夫だろう」というラインのギリギリが低い様な気がします。
幼馴染って憧れますよね! 私も仲の良い幼馴染ほしかった…
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