第4節 エーテル魔法がどうして?!
魔王軍との戦いが始まり、順調に進軍をしていった。他国との連携もとれており、人間側の兵たちも絶え間なく後続がくることにより、増援は間に合っている。
俺は思っていた。これだけ順調に進軍できているのはおかしいと。なにか罠がしかけられているのではないかと。
「なあエリザ進軍がスムーズにいきすぎてないか?なにか罠っぽいから気お付けた方がいいかもしれないぞ?」
「そうね。魔王軍にしては手応えなさすぎ。フェリスに相談してみるのもいいかもしれない。」
「ねえフェリス。魔王軍ってこんなものなの?エルが進軍がスムーズすぎておかしいっていってるんだけど?」
「たしかにおかしいの。主様の直観が当たらなければよいが。」
俺の予感は的中した。俺の張った結界、魔族弱体化魔法の上に精霊弱体化魔法が上書きされていたのだった。おかしい。エーテル魔法だぞ。相手もエーテル魔法が使えるということか?
「エリザ!進軍をやめるんだ!このままいくと全滅するぞ!」
「え?なに?急にどうしたの?」
「しまった。精霊弱体化魔法に加えて転移魔法陣とは!戦力が分散される!」
俺の目の前からエリザたちは消えたのであった。俺の転移した先は魔王軍と初めに戦った場所に戻っていた。俺のほかにもきっと別の場所にとばされたのであろう。
俺と同じ場所にとばされた味方はいないようだな。どうやら俺一人だけみたいだ。
「俺だけとか悠長に油売ってる暇はない全力でエリザたちに追いつかないと!でもまてよ?転移魔法陣があるなら乗っ取れるかもしれない。」
相手も俺のエーテル魔法を乗っ取って上書きしたんだ。できないことはないはずだ。やってみる価値はありそうだ。
俺は転移魔法陣の魔力をおって仲間がとばされた箇所を特定していた。まずはエリザとフェリスのいない兵士たちの位置を特定しよう。
エリザとフェリスがいるなら安心して任せられる。
「さてとみんなどれくらいに分散させられたんだろ?大きな転移魔法陣の反応が全部で3つある。エリザとフェリスの魔力も追ってみよう。」
どうやらエリザとフェリスは別々に分断されたようだ。でも二人が分散してくれてたすかったかもしれない。まずはエリザとフェリスのいない部隊に転移だ。
俺はエーテル魔法を転移魔法陣に込めて飛んだのであった。