第5章 魔王軍との戦い 第1節 勇者は希望の象徴
「さていよいよ魔王軍本体との戦いだけど準備はいい?」
「ああ。やれることはやったしな。」
「うむ。私も少し心は痛むが迷いなしだ。主様がすべてじゃからな。恋心には勝てぬということじゃ。のう主様よ。」
「おいおい。フェリスどさくさに紛れて抱き着いてくるなよ。」
「あー!フェリスぬけがけなしっていったでしょ?!」
「はて?そうじゃったかな?早い者勝ち者じゃ!」
「ずるい!私はこっちにしがみつくからいいもん!」
「おいおい。二人とも騎士団のみんながみてるだろ・・・・。俺としても困るんだが?」
魔導騎士団のみんなはいつものことだと思って、あきれていた。
「そうだエリザちょっと背中むいてくれるかな?」
「なに急に背中がどうかしたの?」
「いやちょっと俺の術式を刻んでおこうと思ってね。」
「術式なんか刻んでどおするの?それよりも術式も解除できるんでしょうね?」
「大丈夫魔王軍との戦いがおわったら解除するから安心して。」
「うんわかった。」
俺はエリザに聖剣のコピーを作る際の魔力供給をおこなうときに無意識に自然界から魔力を供給できるように術式を組みそれを施したのである。
この術式を刻むことにより、6大精霊の加護を受け無限に王国の魔導士・魔導騎士に魔力を供給できるようになるのである。
それに加え、精霊の兵士や聖剣のコピーも無限ではないエリザの魔力を無限に供給できるようにしたのである。
魔王軍との総力戦も近い各国の兵士たちも集まってきている。各国ともに同じ兵力を投入できるように精霊の技術もおしえた。
あとは、魔王軍のとの戦いに勝利することである。魔王のモンスターを作る装置さえ壊せばなんとかなるだろう。しかし、その前に魔王を倒すことだ。
魔王を倒さない限り装置をこわすことができない。俺も少し力の出し惜しみをしてる場合じゃない。エリザや兵士のみんなを少しでも犠牲にしないためにも俺が盾にならないと。
エリザが兵士たちの前で演説をはじめたこうやって毎回みてるとやっぱり勇者だなと思うのである。みんなの希望であり、象徴でもあるということがヒシヒシと伝わってくる。
兵士たちはエリザの声に雄たけびを上げていた。それは俺たちの国の兵士だけではなかった。各国の勇敢なる兵士たちもエリザの演説に耳をかたむけて雄たけびをあげていたのである。
兵士の中には女性もいたが、こういうことには男も女も関係ない。国を守りたいと思う者たちの集まりは一つの力であるということがわかる。
それを象徴化させ、希望を持たせるのが勇者なのである。
エリザの演説が終わると出陣の号令がかかったのであった。兵士たちは続々と魔王軍のいるところまで進行を開始したのであった。