第2節 精霊の強化
俺たち魔導騎士団及び魔導士たちはフェリスの指導のもと精霊と契約するためにいろいろと教わっていた。
術式を教わっただけなので正確な召喚法や使役の仕方はわからなかった。
フェリスが言うには精霊と契約することにより、精霊の兵士を使役できるということだ。でも俺はすでに精霊魔法は習得済みなので精霊と契約しなくてもよい。
でも俺の力がばれるとまずいから俺は契約したふりをするのであった。
俺が使役している精霊は火・水・風・土・光・闇の6属性である。ほかの魔導士たちは使えてせいぜい2・3属性の精霊と契約できるのである。
精霊にもランクが存在し、精霊の兵士は下級精霊をそのまま使役するものであった。特級精霊というものもあるそれは自然界を象徴する精霊のオサを召喚するものであった。
俺がつかえるものはすべてのランクの精霊でもある。魔導騎士団及び魔導士たちはどうやら相性があるらしく中級精霊まで召喚できるようであった。
でも中級精霊でもそこそこの強さがある。下級精霊でも本気で使役すれば1体で100体のモンスターを倒すことだってできる。魔導騎士団や魔導士はそこにきずいていないが、
俺がいうわけにもいかない。フェリスもきずいていないらしい。
唯一の救いはモンスターの属性の相性はいらないということであった。どのようなモンスターでも精霊の一定の力さえあれば1撃でたおせるということだ。
「なあフェリス精霊召喚魔法なんだけど下級精霊でももう少し出力をあげればパワーアップできるんじゃないか?」
「主様。出力を上げるということはどういうことだ?精霊召喚魔法は一定の力しか持たぬぞ?」
「それがな。精霊に魔力を召喚したのちにこの術式をつかうとパワーアップできるんだよ。」
俺は魔法陣をフェリスの前で展開してみせた。
「ほぉ。たしかに術式は間違いなさそうじゃ。主様よ。どこでこのような術式を覚えたのだ?」
「これは俺のオリジナルだよ。フェリスが知っていたということにしてくれないか?このことをほかの人には言えないんだ。」
「主様の事情ならしかたあるまい。わかった黙っておく。」
「悪いなフェリス。」
俺とフェリスがこそこそ話をしているとエリザがやってきた。
「あら二人ともこそこそ話して楽しそうね?」
「あ!いやこれは違うんだエリザじつは・・・・。」
俺はエリザに力のことをだまっててほしいという話の内容を説明したのであった。
「なるほど。まあエルならしかたなわね。フェリスが納得するのもうなずけるわ。」
「よかった。誤解が解けたよ。」
どうやらエリザは束縛系の気質があるようだ。そこがちょっと傷かな?と俺は思ってしまったのであった。
「ところでフェリス。エルのいったことをそのままみんなに伝えるつもりなの?」
「うむ。もちろんじゃ。術式さえ見せてもらえば把握は容易なことじゃ。自分もこんな術式に気づかなかったのか不思議なくらいだ。」
「じゃあフェリス。俺のいったことをみんなに伝えてよ。そうすればもっとパワーアップできるから。」
「わかった。主様のいう通りにしよう。」
「ところでエル。私どうやら上級精霊と契約できたみたいなのだけどこれってすごいことなの?」
「すごいも何も上級精霊は自然界のエネルギーを統一する各種属性の長の一歩手前の側近を呼ぶことができる召喚だよ。ところで属性は?」
「私の適応属性は全種類らしいわ。」
「さすが勇者だね。神の加護がそなわってそうなったんだと思う。」
とにかく俺は精霊を強化できる魔法を提供して戦力増強に一役買ったのであった。