第4章 精霊召喚の儀 第1節 精霊の兵隊
フェリスが仲間に加わってから新たに魔王になった魔法軍は勢いをましていた。どうやら新たに魔王になった者は好戦的であり、争いを好み王国はその対応に追われていた。
新魔王軍は王国だけでなく別の国にも攻撃していたのであった。この事態は早急に対処する必要もあり、各国との同盟を結び対新魔王軍に対抗する軍備を増強する必要がった。
各国で同盟を結んでいる間にも俺たち王国の魔導騎士団は強力とされているモンスターを討伐するために激務をこなしていた。
「エリザ連日の任務で疲れてないかい?」
「大丈夫。これでも勇者だから慣れっこだよ。」
「しかし、フェリスおまえが魔王を引退してからモンスターの数が異常に増えたのはどうしてだ?原因はわからないか?」
「ふむ。主様よ。そのことについてだがこれだけ同胞が増えたのはもしかしたら、今の新任についた魔王がサモンデビルを使ったからかもしれぬな。」
「サモンデビル?なんだよそれ。」
「サモンデビルというのは同胞を無尽蔵に生成する魔法じゃ。我らは魔力の塊であり、同胞を増やすときはこのサモンデビルを使うのじゃ。これだけ異常に増えたということは、
あやつめ、サモンデビルのリミッターを外したに違いない。しかし、この方法もあるが他にも増やす方法はあるぞ?」
フェリスは意味深げに俺を見て言ったのであった。
「おほん!まあそれはいいとして、そのサモンデビルとやらでモンスターが現れてるというわけだな?」
「そういうことになるの主様よ。結果的には魔王を倒さない限り無理だということだ。」
「おいおい。無責任なこというなよ。無尽蔵に増えたら数が限られている俺たち人間は物量さで負けるだろ?」
「そのようなことはないぞ?大昔我らに対抗するために人間は精霊の兵士を人工的に作り、対抗していたときいたことある。」
「精霊を人工的に作る?その方法教えてもらえないか?」
「よかろう。大昔の術式になるが今の魔導士でも十分に使いこなせるレベルじゃ。」
こうして俺たちはフェリスから精霊の兵士を召喚するための術式を教わり、それを国王にエリザが報告したのであった。
「よかったわねエル。これでなんとか人間に危害が加わらずにモンスターを倒せる対抗手段がみつかって。」
「そうだなエリザ。でも召喚した精霊たちは傷がつかないのだろうか?」
「ああそれには及ばぬぞ。精霊は元はアストラル体であり、実体がない。つまりじゃ。実体をもっても痛みを感じないようになっている。」
「フェリスのおかげでいろいろとわかったよ。ありがとう。」
「主様のためだ。なんでもするぞ?」
こうして俺たちはモンスターに対抗するための手段を身に着け、新魔王軍との戦いにそなえたのであった。